好きなのに…(続編)<総優> 15.
【恋人 編】
総二郎は、あきらの差し金で、桜子が許したので、やっと優紀と会う事で、“ほっ”と、していた。
「優紀、やっと、会えた。」
総二郎は、嬉しさの余り思わず、優紀を抱き締めてしまった。
総二郎の気持ちが先行してしまった。
抱き締められた優紀は思わず、総二郎の名前を呼んだ。
「総二郎さん…??」
「ごめん、会えて嬉しくて…。
もう、限界だったんだ。
俺はやっぱり、優紀が居ないと、何も出来ないダメな男なんだ。
優紀、愛してる。
俺の所に戻って来てくれ、頼む。」
「………」
総二郎は懇願した。
「………、ダメか?
情けないよな、こんな俺。
自分自身でもそう思うんだから、如何しようもない。
でも、こんな俺でも優紀は好きで居てくれるよな?
好きで居てくれると、俺は信じたい…。」
「………」
優紀は何も言う事が出来ずに居た。
「優紀、何か言ってくれよ。
反省してる。
優紀が俺を好きで居てくれているという自信が俺を横柄にしたんだなって、改めて反省
した。」
「………」
総二郎はもう、限界が近かった。
「優紀、愛してるんだ。
もう、優紀が居ないと、俺、生きてはいけない。
そんな俺に優紀がしたんだから、最後まで責任取れよ‼」
「………」
“総二郎は全く、反省してない。”と、優紀は思っていた。
「これもダメな言い方なのか?」
「………」
「優紀、いい加減に答えてくれよ。
限界だ、キスするぞ‼」
「………、ダメです。」
「そんな時だけは答えるんだな。
俺は如何したら良い?
俺らはもう、終わりなのか?
俺は、“終わりたくねぇ。”って、言っても、優紀は終わりにするつもりか?
そんな事、俺はぜってぇ、許さねぇからな‼」
優紀は、総二郎の態度が反省してる様には感じ無かった。
「………、本当に、反省してる態度には見えないんですが…?」
「反省してるって。
もう、俺を苦しめるなよ。
優紀、愛してる‼」
そう言って、優紀を抱き締めた総二郎。
優紀に許して欲しくて、必死の余り、総二郎は何が正解で何が不正解かが分からなくなって来ていた。
もう、何が何でも許してもらわないと、自分自身の限界が来ていたのだ。