好きなのに…(続編)<総優> 16.
【恋人 編】
総二郎は尚も責めた。
「優紀…??」
「………」
総二郎は辛そうな情けないような顔付で優紀に迫った。
「優紀…、ダメか?
俺ら、もう、ダメなのか?
そんな事、無いよな?
遣り直し出来るよな?
遣り直し出来るなら、俺はぜってぇ、優紀の嫌な男にはならねぇと、誓うよ。」
「本当ですか?
本当に、私の嫌がる総二郎さんにはならないんですよね?」
総二郎は必死に懇願した。
「ぜってぇ、ならなぇ‼」
「じゃあ、もしなってしまったら、別れる覚悟有りますか?」
「………、優紀、お前、それは…⤵。」
優紀は、“その覚悟はやっぱり無いんだぁ~。”と、思っていた。
「じゃあ、直す事にはならないですよね?」
「否、そうじゃなくて…、間違った事をしたら、俺を正して欲しいんだ。
言われれば直すから…。
それじゃあ、ダメか?」
「………」
総二郎は苦しく成って来た。
「もう、頼むよ、許してくれよ。
優紀がこんな直ぐ傍に居るのに…、限界だ。」
そう言って、総二郎は優紀を抱き締め、思いの丈を優紀にぶつけるかのように、総二郎は深い深いキスを優紀にしていた。
優紀も思わず、それに応えてしまった。
優紀も会えなかった間、総二郎が恋しくて仕方なかったのだ。
ただ、優紀は強がっていただけの事だった。
総二郎は、そんな優紀の気持ちをキスから読んでいた。
流石、浮名を流した事だけは有る。
だから、再度、畳み掛けるように優紀の気持ちを聞いた。
「優紀…、愛してる。
優紀も俺を愛してくれてるよな?
隠しても、さっきのキスで、優紀の俺への気持ちは俺には分かるんだよ。
如何なんだよ?」
「………」
“また、だんまりかよ…。”
総二郎はうんざり気味だった。
「都合が悪くなると、だんまりか?」
「好きです、総二郎さん。」
“やっとかよ。”と、総二郎は、“ほっ”と、したと同時に笑顔を爆発させた。
「やっと、言ってくれたんだな、サンキュー‼
迷惑を掛けた人に謝りに行かないとな…。」
「ええ。
でも、もう無いですから。
私の気持ちも分かって下さい。」
「分かってるよ。
優紀を失くしたら、俺が俺で無くなる事は痛い程、理解してるから…。」
優紀は本当に、総二郎が理解しているか甚だ疑問では有るが、これ以上、焦らせると、総二郎がマジ怒りするのも目に見えているので、取り敢えず、様子を見ようと、考えた。
「じゃあ、もう良いです。」
「サンキューな、優紀‼」
また、一歩、総二郎と優紀は、真の恋人同士に成る為の階段を上がった事に成ったので有った。
『総二郎、もう、いい加減、大人になれよ。』 by あきら&桜子
Fin