kisshug…<つかつく> 3.
<一部、ショッキングな内容が含まれています。 不快を感じられましたら、お詫びし
ます。>
<司side>
俺は仕事を放棄して、道明寺家所有の地方に有る別荘に逃げ込んだ。
普段、管理人しか置いていない別荘だ。
管理人を追い出して、俺は、別荘に逃げ込んだ。
そして、別荘に有る、有りと有らゆる種類のアルコールというアルコールを1週間、食事も摂らず、アルコール類だけを飲み尽くして、意識も無く、身体も反応しない状況になっていた。
勿論、酩酊状態で、床に寝転んだまま、起き上がれず、TELが鳴っていても、取る事等出来ず、不埒な恰好をしていた。
偶々、鳴っていたTELに気付き、TELに出ると、あきらからのようだったが、全く誰か分からなかった。
「もしもし、司か?」
「う~ん、誰だ?」
「俺だ、あきらだよ。」
「ふ~ん、そうか?」
「司、今、何処に居る?」
「う~ん、此処は何処だ?」
「司??」
あきらは俺の携帯の電波から居場所をキャッチして、類と総二郎と一緒に迎えに来てくれたらしいが、全く記憶に無い。
直ちに、道明寺総合病院に運ばれ、診察を受け処置され、後、1~2時間遅れていたら、命の補償は無かったかも知れないと、ドクターから言われたそうだ。
診断結果は、『急性アルコール中毒』。
当然の結果だろう。
俺は、酸素マスク・点滴・心電図・脳波が身体に取り付けられた状態で、2週間、昏睡状態で唯、眠っているだけだったらしい。
ドクターからは、後、2~3日、このままの状態なら、生命維持の補償も出来ない可能性も有るとの事だった。
俺はあいつに、つくしに、捨てられたんだよな?
俺は一度たりとも、つくしの事を友達と思った事等なかった。
お前は、つくしは、どう思っていたんだ。
そう思ったらどうでも良かったんだ。
つくしの居ない人生なんてどうでも良いだろう。
このまま…。
俺はそう思っていた。
<つくしside>
私は、イギリスに半年の予定で、国際弁護士の資格を取得するつもりでロースクールに通っていた。
そんな時だった。
優紀からTELが掛かって来た。
「つくし、頑張ってる?」
「うん、今、また、学生気分満喫中‼」
「楽しそうだね…。」
「うん、楽しいよ‼
如何したの、何か有った?」
優紀は決心したかのように、ぽつりと呟く様に聞いて来た。
「う~ん、つくし、日本に帰って来れない?」
「えっ、如何いう事??」
「牧野…?」
「えっ、西門さん??」
「牧野、司が…、司、危ねぇんだ。」
「はぁ~、何言ってんの??」
「司が自殺未遂を起こしたんだ。」
「何で?」
「牧野との戦いに敗れたらしいな?」
「はぁ~、私のせい??
じゃあ、私とは会わない方が良いんじゃないの?」
「違ぇんだよ⤵。
司の母ちゃんがな、司にウソのタレコミをだな…。」
何なの、一体、訳分かんないんですが…??
「何、言ってんの?
あっ、ごめん、準備しなきゃ、講義に間に合わないの。
また、連絡するね、ごめんね。」
私は、強制的にTELを切った。