もしも類とつくしが兄妹だったら…<つかつく>54.
【花沢つくし 編 54.】
私には、憧れているお姉様がもう一人居る。
司のお姉様 椿さん。
椿お姉様は私達が高校生の頃から、私達の付き合いを誰よりも応援してくれ、『いつでも、私はつくしちゃんの味方よ。』と、励ましてくれた方。
椿お姉様が居なければ、私達の付き合いは何処かで破綻していたと思う程…。
(お互いの記憶喪失で、縁が無くなったとかじゃなくて…。)
一旦は、お互いの記憶喪失の為、縁が切れてしまっていたけれど、『ずーっと、心配していたのよ。』と、泣きながら仰ってくれた。
だからこそ、椿お姉様には頭が上がらない。
私には、二人のお姉様が居る。
全く違うタイプのお姉様。
どちらのお姉様も、私の憧れのお姉様。
巡り会えた事に感謝したい。
そんな時に椿お姉様が急に、帰国して帰って来た。
「つくしちゃん、やっと、私の本当の妹になってくれるのねぇ~。
お姉様は嬉しくてよぅ~。」
また、当然のように抱き締められ、一瞬、気が遠くなりそうになった。
椿お姉様の毎度の代名詞。
もう一度、慣れて行かなきゃ…なぁ⤵。
「椿お姉様、息苦しいです。」
「あらあら、また、やっちゃったぁ~。
ごめんなさいね。
つくしちゃん、大丈夫??」
「………、ぜはぁ、ぜはぁ。
はい、何とか、大丈夫です。」
椿お姉様は、人の話しは聞いちゃあいない…。
「つくしちゃんに会えて嬉しいわ。
本当に、司と結婚してくれるのね?
お姉様は嬉し過ぎて、嬉し過ぎて…。」
「はい、有難うございます。
色々、ご心配をお掛けしました。」
やっぱり、人の話しを聞いていない…。
「類も静ちゃんと入籍したんですってね。
男の子のお子さんも生まれたんですってね。
つくしちゃん、良かったわね。」
「はい、有難うございます。」
椿お姉様は、何も言わないけれど、私達F4&T4の事を本当に心の底から心配していてくれたんだと思う。
感謝しか無い…ねぇ。
「ところで、つくしちゃん、結婚式のドレスは決まったの?」
「その事で、司も色々、手を尽くしてくれているんですが…⤵。
実は、私の母は、お義母様と私の高校生の頃の確執の件で、未だにお義母様の事を余り
良く思っていないようで…。
今は、お義母様から可愛がって頂いていると、いくら話ししても、私の母は、お義母様
を受け入れる事が出来ないらしく、話しが一向に進まないんです。」
やっぱり、椿お姉様は、心配してくれていたんだぁ~。
「やっぱり…、そんな事だろうと思っていたのよ。
どうせ、父親同士も親友なのに、ほったらかし状態じゃないの?」
「はい、男親には、分からないとか何とか言われました。」
雲行きが怪しく成って来た?
「やっぱり…ねぇ。
私が居なきゃあ、何も始まらないのよね。
分かったわ。
此処は私に任せなさい。
私はいつも、つくしちゃんの味方よ。
つくしちゃんには悪いようにはしないから安心してね。
善は急げ…ねぇ⤴。
じゃあ、送る事が出来ないけど…、此処でね‼
つくしちゃん、気を付けて帰ってねぇ~⤴。」
椿お姉様は、言うや否や、姿が見えなくなった。
ほんと、変わり身が早い。
こんな事を言って居られない。
早く、司に連絡しなければ…。
「司、今、大丈夫?」
「おぉ、どした?」
落ち着いてる場合じゃなかった。
「さっきね、椿お姉様が帰国して帰って来られたの。
“お義母様とママとの間を取り持つ。”って、帰られたの。
止めなきゃ、大変な事が…、取り返しの付かない事が起こりそうで怖いんですが…?」
「はぁ~??」
つくし、お前は、学習能力は無しか?
「お前、姉貴に何を言ったんだよ?
姉貴に何、相談してだよ?
お前、懲りないヤツだよなぁ~⤵。
毎回、大変な目に合っているというのに、何時になったら、学習するんだよ。」
椿お姉様の暴走癖、本当にすっかり、忘れていた。
これが無ければ…、何だけど⤵。
「椿お姉様の暴走癖をすっかり忘れていたの?
司、如何しよう?」
「はぁ~⤵。」
「そんな、溜息付かなくても…。」
「溜息くらい付きたくもなるだろう。」
ほんと、何やってんだよぅ~。
「取り敢えず、姉貴、止めて来るわ。」
「お願いします。」
かくして、椿の暴走は止められたのであろうか?