打ち上げ花火…<つかつく> 3.
<司side>
俺は、約束の4年を道明寺に捧げ、全うして、日本に帰国して帰って来た。
あいつに会えると、胸躍らせて帰国したのに、あいつとは連絡が取れないで居た。
仕方なく、あきらにTELして、F3と集まる事に成った。
あきらが口火を切った。
「司、牧野は今、何処に居て、如何しているか?
俺達でも、見付け出す事が出来なかったんだ。」
「如何いう事だ。」
「牧野が高2の2月、牧野の親父さんのリストラの為に、牧野は、英徳を自主退学して、
その後、行方不明になってんだ。
警察にも要請を掛けたが、“分からなかった。”の、一点張りで、きちんと調べられた形
跡もねぇんだ。
怪しいのはこの上ねぇが、追跡も遮断されては成す術も無く、諦めるしかなかったん
だ。
何か、バックで操作している大人物が居るのではねぇかと思う程、此方の思惑はバレバ
レなんだ。」
「それが、うちのババアじゃねぇかと…?」
類は被せるように言って来た。
「疑わずにはいられないでしょ?
今までの、司の母ちゃんなら…。」
「………」
続けて、類が口火を切って来た。
「それがね、この前、静から連絡が来たんだよ。」
「………、静って、フランスだよな?」
「それが、今は、仕事の関係で、イギリスに居るらしいんだ?」
「………」
「静が言うには、“(つくしちゃんを)イギリスで見掛けた。”って、言うんだぁ~。
牧野の方は、静には気付かなかったみたいだけど…ね。
“見間違いじゃないの?”って、聞きなおしたら、“妹のように可愛がっていたつくしちゃ
んを私が見間違う訳、無いでしょ‼”って、反対に怒られたんだよ。」
「………」
俺はこの4年、何故、帰国しなかったのか?
また、俺は自分の母親と交わした約束について、F3に話して聞かせた。
「俺、NYに行って、ババアに確認して来る。
聞かなくてはいけねぇ事も有るしよ。」
「「「………」」」
あきらが心配顔で確認して来た。
「司、大丈夫なのか?
そのまま、司の母ちゃんに監禁されるとかはねぇのか…?」
「否、大丈夫だ。
裏情報も有るしな…。
取り敢えず、ババアとは一度、対峙しなければならねぇと、思っていたんだ。
ババアと、向き合って来るよ。」
「「「………、司…?」」」
F3は、顔を見合わせて、司が事件に巻き込まれるんじゃないかと、密かに心配していた。