友達でもなく、恋人ではない…<つかつく> 6.
司とつくしは、仕事だけではなく、プライベートの時間でも、一緒に居たいと司が連絡して来るので、つくしは、仕方なく、会っていた。
相変わらず、友達でもなく、恋人とも呼ばず、不安定な関係では有った。
そんな時、先日のパーティーの司とつくしの親密さが窺えるゴシップ記事が、ゴシップ誌に掲載されてしまった。
この記事は日本でも掲載されたらしい。
~~ 記事の記載内容…。
【道明寺HD 御曹司 道明寺司氏 ついに、結婚か‼
お相手は、クラウン・コーポレーション ご令嬢
ミッシェル・クラウンさん
先日の道明寺HDの主催パーティーで、道明寺司氏のパートナーを務めたのがクラウン・コーポレションのご令嬢 ミッシェル・クラウンさん
道明寺司氏はパートナーを伴わない事で有名で有るが、この日は、パートナーを伴っての登場に女性達は黄色い歓声を上げていた。
ミッシェル・クラウンさんは今まで、姿を見せた事がなく、この日が世間初のお披露目のような形となった。
俄かに、クラウン・コーポレーションと道明寺HDの間が騒がしくなってきているようだ。 】 ~~
この記事を見たF3はそれぞれ、司に連絡して来た。
偶々、F3がNYに仕事の為、同時期に渡米して来る事になっている。
司は日にちを合わせ、記事のお相手を会わせると、F3に約束をしていた。
類だけは、何と無く気付いているが、確信が持てないので、渡米後に分かるだろと、踏んでいた。
つくしは、司に何も告げられる事無く、メープルのラウンジに来ていた。
そこで、総二郎とあきらとつくしは、驚愕していた。
『して遣ったり』の司に、『やっぱり…。』の類だった。
「「牧野~~。」」
「何で、F3が…???」
つくしは、慌てていた、バレるんじゃないかと…。
思わず、いつもの癖で、『司』呼びをしてしまっていた。
「如何いう事よ、司?
答えなさいよ‼」
司はニヤニヤ顔で有る。
「まあまあ、怒るなって、ミッシェルさん。」
「都合が悪い時だけ、『ミッシェル』呼びしないで~~‼」
F3が司とつくしの様子を見ていて、怪訝な顔付きになっていた。
「「「お前ら二人付き合ってんの?」」」
「否、付き合ってない。」
「「「はぁ~???」」」
首を傾げるF3…。
司は言って除けた。
「友達でもなく、恋人でもない。
複雑な関係‼」
総二郎は確認した。
「それ以外は…。」
つくしは首を傾げながら、答えていた。
「う~ん、それ以外って…??」
「だ・か・ら、『大人の関係か?』って聞いてる?」
つくしは、答えられず、司は、つくしの顔を見ながら、F3に言った。
「………」
「それは、想像に任せるわ‼」
「「「………」」」
F3は不思議だった。
もう、一線は超えて居るで有ろう事は何と無く分かる。
じゃあ、何故、付き合わない??
「お前ら、何故、付き合わないんだよ?」
「お互いの家庭環境上って、とこか…?」
類が確認した。
「どちらも、後継者だから…?」
「そんな処だ。
つくしが、付き合ってれば、後が辛くなるのが嫌だって言うからよ。」
「もう、付き合ってるのも同じだろ。」
「恋人と認めたくないの‼」
「「「なんじゃ、それ??」」」
「私は、クラウン・コーポレーションの後継者だからね。」