もしも類とつくしが兄妹だったら…<つかつく> 9.
【花沢つくし 編 9.】
クリスマス・正月・バレンタインデー・皆、それぞれのバースデイと、行事は過ぎ、4月になり、F3・滋は大学2年、つくし・優紀は大学1年、桜子は高校3年になった。
それぞれが忙しくなり、仲間で集まる機会も減ってきていた。
つくしは社交界デビューに向けて、お嬢様教育が本格的に成り、中々皆と会う機会も儘ならない状態が続いていた。
また、F3・滋もそれぞれの家業の仕事が本格的になりつつ有り、親に就いて廻る日々が続き、時間に余裕が出来ないでいた。
唯一、時間に余裕が有るのが、女子大に進んだ優紀と高校生の桜子だけだった。
優紀はバイトをしていたが、比較的、時間は取れる状態ではあった。
二人は、意外にも気が合った様で、時間を見付けては、会うようにしていたのだ。
まあ、優紀は桜子の策士振りに、若干、舌を巻いている節も見え隠れしていたのは言うまでもないが…。
そんな時だった。
優紀と桜子は、相変わらず、女遊びの絶えない総二郎とあきらに表参道で声を掛けられた。
「あれ~、優紀ちゃんと桜子じゃねぇ?
珍しい組み合わせじゃねぇ…か?」
「えっ、西門さんと美作さんじゃないですかぁ?
お久し振りですね。」
「お仕事、お忙しそうですが、まだ、女遊びは止められないみたいですね?」
「それって、嫌みか? 桜子…。」
「そう、取って頂いても構いません。」
「はは~ん、もしかして、嫉妬か?」
「嫉妬な訳ないじゃないですか?」
「良いから、良いから、それなら、そうと早く言えよぅ。
女なんか誘わず、飲みに連れて行ってやるのによぅ。」
「悪いけど、そういう事だから、また。」
女達「………」
「良いんですか?」
「良いの、良いの、気にしない、気にしない。」
「仲間の方が大切しょ。」
「まあ、そういう事にしておきますか?」
かくして、4人は時々会うようになっていった。