好きなのに…(続編・その後)<総優> 3.
【婚約・結婚 編】
優紀は何時までも、此処に居ても仕方ないと思い、部屋に入る決意をする。
「総二郎さん入ります。
只今、戻りました。」
「優紀、お帰り。」
と、言いながら、総二郎は優紀を抱き締めてキスをして来る。
「総二郎さん、巧三(たくみ)君が居るから…。」
「お姉さん、兄さんはお姉さんが好き過ぎて離せないんだよ。
俺の事は気にしないで良いよ。」
「ほれ、見ろ‼
巧三(たくみ)の方が物分かり良いだろ。
流石、俺の弟だ。」
其処、じゃないでしょ、兄さん?
ほんと、変わったよね、兄さん?
『男は女で変わる』って、本当だったんだ。
「ほんと、前にも言ったけど、あのクールでカッコいい兄さんは何処行ったんだろうね。
お姉さんに腑抜けた男に成ってるよ。」
優紀は俯き加減で、巧三(たくみ)に謝った。
「巧三(たくみ)君、ごめんなさいね。」
「お姉さんが悪い訳じゃないよ。
兄さんでしょ‼」
総二郎は居た堪れなくなっていた。
「うるせ~なぁ、巧三(たくみ)は?
俺らはこれで良いんだよ。
分かったか、巧三(たくみ)?
で、何か、優紀に相談が有ったんだろ?」
「ああ、大した相談じゃないんだけどね。
お姉さん、大学生の女性は、どんなプレゼントが喜ぶの?」
「巧三(たくみ)君、彼女が出来たの?
そうだなぁ~?
何か、嬉しいなぁ、相談してくれて…。
でも、私は物欲が無いから分からないけど、大学生なら、身に付ける物は如何?
指輪なら、重く思われてもだから、ネックレスは?」
「どんなタイプが良い?」
「それは、総二郎さんの方が得意分野じゃない?」
優紀、今、何つった?
俺の得意分野??
「はぁ~???」
お姉さん~、ナイス発想‼
「それはそうかも…。
お姉さん、冴えてるね。
買いに行く時は、兄さんに相談してからにするよ。
お姉さん、有難う‼」
総二郎は不貞腐れていた。
巧三(たくみ)が部屋から出た後、総二郎は優紀に問い詰め出したので有った。