NYで会えるなら…<つかつく> 9.
<クラウンCEOとの会話は日本語表記ですが、英語で会話していると見なしてご覧下さいませ。>
<つくしside>
司から妥協案の件を聞いたつくしは、父親に確認を入れていた。
「お父様、妥協案について何ですが…。
私は、クラウン・コーポレーションの『COO』を何れはケインに譲れたらと、思って
いたんです。
クラウン・コーポレーションの後継者はあくまでも、ケイン。
何れ、ケインは『CEO』に成るでしょう。
でも、お父様の後継者で有るならば、早い段階で『COO』をケインに任せるべきでは
ありませんか?」
「ミッシェル、まさか、クラウン・コーポレーションを離れる事を考えているのでは無い
だろうな?」
「私は、クラウン・コーポレーションも、道明寺HDも、両方に携われたらと、考えてい
ます。
両社の橋渡し的な仕事が出来たらと、考えています。
お父様、如何でしょうか?」
「それも踏まえて、もう一度、道明寺会長と、会わなければいけないだろう。」
「有難うございます。
良い結果を期待しています。」
取り敢えず、父親の凝り固まった考えは、柔軟に成っただろうと、安心していた。
<司side>
その時の司は、今のつくしの立場の方が自由が利かなくなっている事に苦慮していた。
つくしが『牧野つくし』時代は、身分が違うと言うだけで、親に邪魔され、自由を奪われた。
でも、NYに司が渡米してしまったが、当時の結果として、1年の猶予を引き出す事は出来た。
それが今は、企業の立場が、自由にしてくれない何て…な。
しかも、その自由を奪って居るのが、つくしsideだとは、あの当時の俺では考えも付かなかっただろう。
あれから、つくしがつくしの親父さんに、何か提案を出したらしい。
親父が、クラウンCEOの話し合いに応じると言っていた。
良い方向になれば良いのだが…。
ここ最近の俺はこの事ばかりが気に成り、まともに仕事をしていられる状況では無かった。
早く決着して欲しいと、節に願うばかりだ。
<クラウンCEO・道明寺会長side>
つくしの提案について、話し合いが成された。
良い結論と共に、司とつくしの結婚を許す運びとなった。
~~ 再検討の妥協案の内容は…
*クラウン・コーポレーションと道明寺HDの協同出資に寄る共同会社を設立する。
その詳細は…
①出資金額は道明寺HDが70%、クラウン・コーポレーションが30%
クラウン・コーポレーションと道明寺HDが、提携している事業を主に扱う会社
今後も提携する場合は、此方の会社を通した形での事業形態になる。
②設立会社のCEOにつくしが就く
道明寺HDの子会社的存在で位置付ける。
*将来、結婚後、つくしが妊娠、出産した時の事も想定している。
③つくしが今後、手掛けるで有ろう事業に関しても、遂行して展開していく。
協力は、クラウン・コーポレーションと道明寺HDが手掛ける。
以上が、提携詳細となる。 ~~
司とつくしは、提携詳細に納得して、了承した。
やっと、一悶着の末、つくしの提案で落ち着いた形になった。
後は、提携会社を何処に置くかだろう…。