もしも類とつくしが兄妹だったら…(家族編)<つかつく>6.
【道明寺つくし 編】
つよしはすみれを探す為、中学校舎に来ていた。
つよしはすみれを見付け、背後から声を掛けた。
「すみれ‼」
すみれはびっくりして、首を捻って後ろを見た。
「う~ん。
あっ、つよし君‼
如何したの、中学校舎に何か、用でも有ったの??」
全くの的外れに、笑いそうになっていた。
「俺はすみれに用が有んの?」
「えっ、私に…??
何かな??」
すみれは首を捻りながら、何だろうと考えていた。
「すみれは俺の事、如何思う?」
「はぁ~、何、それ??」
つよしは一大決心の告白だというのに、すみれは一切、気付いていないようだ。
此処にも、一人、鈍感少女が居た。
「俺の事、好きかって、聞いてんだ?」
「好きだよ。
幼馴染でしょ?」
つよしは、すみれの鈍感さに驚愕するしかなかった。
「違う、そうじゃなくて、俺を異性として…だ。」
「はぁ~~??
分かんないよぅ~~。
考えた事無いし…。」
「じゃあ、俺の事、これからは意識して見てくれよ‼」
「えっ??
それって、如何いう意味?」
「俺の事、好きに成って欲しいって事だ。
俺はすみれを好きだから…。」
「えっ、ええええ~~??」
「じゃあ、そう言う事だから‼」
つよしは言うだけ言うと、その場を立ち去った。
取り残されたすみれは、放心状態だった。
言い逃げって、やつですか…、つよし君??
一方、渚は常に、翔に『ラブラブ光線、発射状態‼』継続中。
クラスが一緒なので、翔の逃げ道無し。
「渚、何時も俺、行ってるよな?
女には興味が無いって…。」
「それは毎回、聞いてるよ。
でも、渚はそれでも良いの。
何時かは、翔も、渚を見てくれるように成るかも知れないでしょ?」
翔は困り果てていた。
「ぜってぇい、それはねぇから。
間違っても、俺は渚には行かねぇ…から。」
それでも、諦めない渚‼
「ほんと、連れないよね、翔は?
それでも、渚は待てるもん。」
「はぁ~⤵。」
翔は心の声が爆発中で有った。
全く以って、渚は滋そのもので有った。