もしも類とつくしが兄妹だったら…(家族編)<つかつく>7.
【道明寺つくし 編】
椿はつくしにお願いする事が有る為、道明寺邸に帰って来た。
「つくしちゃん、頼まれて欲しい事が有るの?」
「お姉様が私に頼み事ですか?」
「そう、つくしちゃんにしか頼めない事なの?」
「分かりました。
何でしょうか?」
実は、椿が28歳の時に第一子を出産していた。
長く子供に恵まれなかったので、やっと、授かった子供で有った。
その時のつくしは、記憶喪失のままだった為、祝福出来なかった事を今でもつくしは、悔やんでいた。
椿の子供は、長男 巴 23歳。
既に、父親で有る椿の夫の会社を手伝っている。
長女 杏 20歳。
LAの大学に通っている。
密かに、英徳大学に編入したいと思っていた。
「実はね、杏がね、類の子供で有る健君に一目惚れしたらしいのよ。」
「えっ??
健にですか?」
「それでね、健君の身辺調査をお願いしたいの?」
「それは構いませんが、理由を聞かれたら、杏ちゃんの事を喋っても良いんですか?」
「それは願ったり叶ったりよ。」
「つくしちゃん、宜しくね‼」
「はぁ~~⤵。」
つくしは思わず、心の声が出ていた。
椿は人の話しも聞かず、言うだけ言うと、その場を立ち去った。
杏の容姿は椿の夫そのもの、性格は椿そのもので有った。
つくしは思っていた。
“まあ、策士の健には、
杏ちゃんのような娘(こ)が似合うのかも…。
遣ってみますか?”
一応、勝手にするよりはと思い、司にも相談はしてみた。
司には、椿から聞いた話を聞かせていた。
「はぁ~~⤵、杏が…か??」
「そうらしいの。」
「大丈夫なのか?
類に怒られるんじゃないのか?」
「まあ、嫌味の一つは言われそうだけど、杏ちゃんは、私にとっても、姪御なんだから、
手助けはするわよ。」
「健は血の繋がった甥っ子だろ‼」
「そうだけどさ…。
椿お姉様に頼って頂いたのが嬉しくて…。」
司は心配していたが、つくしは遣ると言ったら遣るので、静観する事にした。
「まあ、俺は良いけどよ…。
あんま、無理するなよ‼」
「うん、分かった。
心配してくれて、有難う‼」
司は、思っていた。
“姉貴も無理矢理なんだよ。
ちょっとは、人の事も考えろってんだよ。”と…。