好きに成ってしまった訳…<あき桜> 10.
<あきらside>
どうせバレてんならって事で、俺は正面から桜子にぶつかる事にした。
ぶつかって砕けても良いくらいの勢いで、桜子に迫った。
ほんとは、焦る気持ちも有ったんだよな。
親父から、言われてたんだよ。
「司君の彼女はつくしさんだろ。
総二郎君の彼女は優紀さん。
で、お前は居ないのか?」
俺も人の事は言えねぇが、類を引き合いに出してしまった。
類、許せ‼
「類もまだ居ねぇだろ?」
「人の事は如何でも良い。
もし、大学卒業までに彼女が出来ず、何時までも、『マダムキラー』だとか言われてい
るようなら、見合いさせるからな‼」
「はぁ~??」
こんな風に言われたのが、半年前。
それから僅か数ヶ月で好きな女が出来るとは…、思わなかったわ。
でも、今はそんな事は如何でも良い。
取り敢えず、桜子の気持ちを知る方が先だ。
当たって砕けろだけどな‼
<桜子side>
ここ最近、美作さんがやたらと、私に急接近して来ているように感じるのは私だけだろうか?
ううん、錯覚では無いと思う。
先輩から、美作さんの気持ちを聞かされて、何か、如何、対応して良いか分からず美作さんを避けてきた。
でも、私に避けられても、私に近付いて来るって事はそう言う事、何ですよね?
取り敢えず、様子を見ようと、思っていたけど、其れ処じゃなく成って来ているんだと思う。
如何しようか?
私の気持ちを整理して考えなくてはいけないのかも知れない。
私は、如何思っているの、美作さんの事??
試験より難しいなんて、有り得ないつっーの‼
取り敢えず、落ち着いて考えるべきだよね⤵。
って、事で考えてみたが、まだ、今一分からない。
美作さんを良~く、観察する事から始めてみようと思っていた。
<あきらside>
俺は俺の口から、桜子に告白する事にした。
「桜子、今、良いか?」
「えっ、美作さん?」
「桜子、もう、知ってるよな、俺の気持ち?」
「はい、先輩の態度で。」
やっぱり、そうか?
鈍感牧野に頼むんじゃなかったな。
まあ、何時かはバレる事だから良いんだけどよ。
「だと、思ってたよ。
桜子に避けられてたもんな、俺?」
「えっ、避けてたつもりは無かったんですが…。」
今と成っちゃあ、どっちでも良いんだよ。
「俺は桜子の事が好きだ。
付き合いたいと思ってる。
桜子の気持ちを教えてくれねぇか?」