好きに成ってしまった訳…<あき桜> 16.
<あきらside>
そんな時、牧野と桜子が、F4ラウンジに現れた。
「桜子、T4LINE見た。」
「さっき、見ました。
滋さん、何考えてるんですかね?」
「まあ、いつもの事だから、気にしてないんだけど…。
如何返そうかと、思っている間に、講義が始まって、『既読スルー』になってしまっ
て、そのままなんだよね⤵。」
「じゃあ、この『既読』って、先輩と私って事ですよね?」
「じゃあ、まだ、優紀は気付いていないって事か?」
「そう言う事に成りますね?」
何の事を喋ってんだ、こいつら?
F3もポカーン状態だ。
「お前ら、何の話しをしてんだ?」
「滋さんがお見合いをさせられそうになってんだって…?」
「そのお見合いを先輩と優紀さんに“阻止して欲しい。”って言って来てるんです。
先輩と優紀さんには彼氏が居るから、おじ様に色々言われているらしくて…。」
「で、『彼氏が居ない同盟』が、『桜子』何だって?
だから、私と優紀の責任なんだから、阻止しろって言うのが、滋さんの言い分⤵。」
はぁ~??
何なんだよ、その『彼氏が居ない同盟』って…?
“彼氏は俺だ‼”って、言えたら、どんなに良いか…⤵。
はぁ~⤵、言いてぇよな、出来るだけ早く‼
「どんな言い掛かりだよ?」
「滋さんにとっては死活問題、何だと思います。
いつも、合コンの誘いが有る度に、私、言われているので…⤵。」
まだ、合コンの誘いを受けて、合コンに行ってんのかよぅ~~⤵。
いい加減に俺に目を向けろよ⤵。
俺はあれから、桜子以外に目を向けてねぇのに…⤵。
俺は意を決して、皆の前で、桜子の気持ちを確認する為、桜子に声を掛けた。
「なあ、桜子。
その『彼氏が居ない同盟』って、如何いう意味だよ?
俺はまだ、桜子には受け入れてもらえねぇのか?」
「………」
何で、答えねぇんだよ?
「桜子、いい加減、返事、聞かせろよ‼」
「………、あのぉ~~、皆さんがいらっしゃいますし。
後でじゃあ、いけませんか?」
「それって、可笑しくねぇか、桜子?
優紀の時は、皆の前で言わせたろ?」
総二郎、ナイスアシスト‼
桜子、何と答えるんだ、聞かせろよ‼
「分かりました。
美作さん、お待たせして、申し訳ありません。
漸く、自分自身に向き合えました。
宜しくお願いします⤴。」
マジか‼
マジ、何だな⤴。
「ああ。
桜子、サンキュな‼
此れから、宜しくな‼」
皆の前、何で、カッコ付けてるけど、嬉しくて仕方ない⤴。
やっとだぜ。
此れで、やっと、『桜子の彼氏は俺だ。』って、言えるんだぜ。
嬉しくねぇ訳ねぇだろ?
今日から、否、今から、『桜子の彼氏は俺だ』。