従兄妹物語…<つかつく>・<総優> 4.
総二郎はF4ラウンジでつくしが来るのを待って居た。
F3に会わせる為で有る。
しかし、中々、つくしが来ない。
心配になって見に行くと、つくしが男子高校生に声を掛けられて、脅えていた。
つくしは唯、声を出す事も出来ず、震えているだけだった。
「見掛けた事、無い顔だね?
もしかして、君、転校生?
へぇ~、可愛いじゃん‼
何だったら、俺等が友達になって上げようか…?
友達が居なくて、寂しかったんだろ?」
総二郎は尽かさず、つくしを助ける為、間に入って言った。
「お前等、こいつが誰の妹か分かってて、声を掛けてんだろうな?」
つくしは総二郎の妹ではなく、従兄妹では有るのだが、妹の方が、効率が良さそうなので、総二郎は、つくしを妹で通す事にした。
「えっ、すみません‼」
総二郎は男子高校生に威圧を掛けて於く事も、忘れずにいた。
「もう良いから、あっちに行け‼
これからはこいつに近付くな‼」
つくしは、本当に震えていた。
F3は、『(男性恐怖症って言うのは)本当だったんだ。』と、改めて確信が持てた一瞬だったのだ。
その時、総二郎はつくしに優しく声を掛けていた。
「つくし、大丈夫か?」
つくしは、総二郎の顔を見て、“ほっ”と、したようで泣き出したのであった。
「………(泣)」
「相当、怖かったみたいだな…。
分かったから、もう泣くな‼」
総二郎はつくしの頭を撫でながら、慰めるように言った。
「うん、総兄、有り難う‼」
つくしは、泣き止むと、凄く可愛らしい笑顔で微笑んで見せた。
つくしのこの笑顔を見て、『ドキッ』と、胸を鳴らしていた男が居た。
そうなのだ、司だったのだ。
司は胸が苦しくなる位、胸が高鳴っていたのであった。
女性の涙を嫌う司だった筈なのに、つくしの涙と笑顔に遣られたのであった。
司はつくしに過保護欲が出ていたのだった。
司は、つくしに一目惚れしたようだった。
司は、総二郎に言うべきか言わぬべきか迷っていた。
総二郎に伝えた所で、つくしには『男性恐怖症』が有る。
先ずは、つくしに司という人間を慣らしてから出ないと、変に恐怖心を煽るだけに成る。
慎重につくしには対応すべきだろうと、司は、考えていた。
『総二郎に伝えるのはそれからだろう。』と、司は、考えたのであった。
司にしては慎重論を執った形と成ったので有った。