tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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懺悔の日々…<総優>  9.




優紀は、総二郎だけの記憶喪失で有る筈なのに、京都の時のまま、F4&T2と一緒に居る時でも、一切、優紀は、総二郎と絡もうとしないのだ。


優紀は、総二郎が優紀に近付くと、ササっと、その場を離れるのだ。
極、自然に…。


総二郎は、本当は優紀には記憶が有るのではないかと疑いたくなる程だった。


そんな時、F4ラウンジには、優紀と総二郎だけが居た。
態と、F3&T2がそうしたのだが…。


総二郎は、沈黙が堪らず、総二郎から近付き、声を掛けた。
優紀は自然に、総二郎から離れた。


「優紀ちゃん、俺の事、嫌い?」
「………、えっ??」
「俺、優紀ちゃんが嫌がる事した?
 したんなら、教えて欲しんだ。」
「………」


総二郎は、優紀が記憶喪失じゃない事を何と無くだが、理解した。
総二郎は、優紀の狂言じゃないかと、思ったのだ。


「優紀、記憶喪失じゃねぇよな?
 狂言だよな?」
「………」


優紀は答える事が出来ずに居た。
何故なら、優紀の狂言だから…。
優紀は、何故、バレたのだろうと思っていた。


総二郎からすれば、極、当たり前に見抜けたというのに…。
総二郎が分かったのは優紀の瞳(め)だった。


現在は、大人に成った色気を含んだ優紀の目付きなのに、高校生の頃のままの澄んだ優紀の瞳だったのだ。
高校生の頃の総二郎が吸い込まれそうだった、あの時のあの高校生の頃の優紀の瞳のままだったのだ。


優紀のあの瞳が、総二郎は優紀にのめり込まされそうで怖かったのだった。


優紀のあの瞳を総二郎が見落とす訳、無かったのだ。
他の誰もが騙されても、総二郎だけには…。
そう、総二郎だけには騙せなかったのだ。


「優紀、俺を騙せると思ったんだ⤵。
 俺を見縊るなよ‼
 俺が、今の俺が、優紀に騙されると思ってたんだ⤵。
 それこそ、思い上がりも良い所だろ‼」
「………」


総二郎は優紀に懺悔の言葉を口にした。


「優紀、俺な、優紀を傷付けた事、今では後悔してる。
 あの頃な、高校の頃な、本当は、優紀に堕ちそうな自分が怖かったんだ。
 あの頃、言ったあの言葉な、優紀の瞳(め)に、素直な優紀のその瞳に吸い込まれそう
 になって行く自分自身が怖くて、優紀に言った言葉だったんだ。
 優紀が傷付くだろう事は理解していたはずなのにな…。
 優紀、許してくれとは言えねぇ⤵。
 けどな、拒絶だけはしねぇでくれねぇか?」
「………」


優紀は答える事が出来ずに居た。
優紀は総二郎を憎んでいる訳では無かったのだ。
優紀は総二郎の傍に居る事が、見る事が、あの日の苦しかった日々を思い出させて辛かったのだ。


だから、そっとして於いて欲しかったのだ。


優紀は何も言わず、席を立とうとしていた。


思わず、総二郎は優紀の右腕を掴んで懇願して言った。
優紀はその腕を見詰めていただけだった。


「悪ぃ~⤵。
 優紀、行かないでくれ‼
 俺の傍に居て欲しい‼
 ダメか⤵?」


総二郎は優紀の右腕を握ったまま離せずに居た。


優紀は黙ったまま、俯いたまま、唯、立って居るだけだった。

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