懺悔の日々…<総優> 15.
取り敢えず、T3は待ち合わせする事にした。
其処で、優紀は総二郎の憔悴振りをつくしと桜子から聞いていた。
「あんな西門さんは、私でも今までに見た事無いよ⤵。
自信に満ちていて、どんな事にも動じないって思っていたけど、やっぱり、西門さんも
人間だったって事だよね‼」
桜子もつくしの言葉に+するように、話しを続けた。
「今までの西門さんはモテ過ぎて、振る事は有っても、振られるとか、見てもらえない
とか…。
そう言う類の言葉は、西門さんの辞書には今まで、無かったんでしょうね?」
優紀は、つくしと桜子には本音で話ししようと思っていた。
「あのね、私は、西門さんを恨んでもいないし、倍返ししようとか思っていないよ。
唯ね、西門さんと居ると辛いの⤵。
高校生の頃の私の辛かった日々を思い起こされて、辛くなるの⤵(号泣)。
つくし、覚えてる?」
「ええっ??」
つくしは行き成りでびっくりしていた。
優紀は、思い出す事も辛そうに話していた。
「高校生の頃の当時、“良く道で西門さんとすれ違うんだ。”って、言ってたでしょ⤵。
本当は、あの後、続きが有ってね、言ってなかったんだけど…⤵。
西門さんが、隣に居る女性と親密そうに歩いていて、私に見えるように、その場で西門
さんが、西門さんの腕をその女性の腰に回して、西門さんの身体にその女性を密着させ
ている所を見せ付けられたりされてね、本当に辛かったの⤵。
だからね、こんな所ばかり見せ付けられるので有れば、地方の大学にしようと、その
時、決めたの。
もう、西門さんには、絶対、再会しないつもりで…。」
「「………」」
つくしと桜子は、何も言えずにいた。
それと同時に、つくしと桜子は、優紀から、“記憶喪失の件は狂言だった。”と、話しを聞いた時は驚愕したが、こんなに辛い思いをしていた優紀が居たのなら、狂言をしたく成るのは当然かと、変に納得してしまっていた。
そして、優紀が頑なに総二郎を拒んでいる理由を、つくしは司に、桜子はあきらに、それぞれ話しして聞かせていた。
その話を聞かされた司とあきらは、総二郎をメープルのラウンジに呼び出し、話しする事にした。
「総二郎、つくしから聞いたわ‼
お前、酷ぇ、奴だな‼」
「俺も桜子から聞いたわ。
総二郎、お前を見損なったわ‼」
総二郎は行き成り言われた言葉に驚愕していた。
「はぁ~??
如何いう意味だよ‼」
司もあきらも、自分のした行いを忘れてるのかと疑いたくなった。
「なぁ、総二郎。
思い出せよ、高校の頃、優紀ちゃんを如何やって、傷付けていたかを…。」
「総二郎、お前な、松岡の前で女誑かすのは、松岡を諦めさせる為だったのか?
違ぇだろ?
自分自身への為にした事だろ?
松岡にのめり込まない様にする為に…。
自分自身の為に、態とした事だろ?」
「………」
総二郎は思い出していた。
何も反論出来ない総二郎で有った。
「なあ、総二郎。
優紀ちゃんが傷付いて、頑なに総二郎を拒んでも文句は言えねぇな‼」
司は自分の言っていた言葉を思い出して言った。
「あの頃、俺、言ったよな、総二郎に…。
“そんな遊び方ばっかしてっと、後悔する時が来ても知らねぇぞ。”って…。」
「………」
「馬鹿だな、ほんとに…⤵。
こんな日が来るとは思ってなかったってか…?
松岡は総二郎に惚れてたから、自分(総二郎)が本気だと分かれば、また、受け入れて
もらえるとでも思ってたんか?」
「………」
司に言い当てられて、何も言い返せない総二郎であった。