バラバラの果てに…<ALL CP> 4.
一方、あきらもイギリスに戻って直ぐ、イギリス郊外の視察の為、ウィンザー城の近くに仕事で行っていた時、友人達と観光で訪れていた桜子と偶然、再会した。
あきらは思わず桜子に声を掛けていた。
「桜子だよな?」
「えっ??
美作さん…?」
「久し振りだな‼
何年振りだ⤴。」
「あの~⤵。
……。」
あきらは桜子の言葉に被せるように、声を掛けた。
「なぁ~、桜子‼
少し、時間ねぇか?」
桜子は迷っていた。
友人達は、ドイツ人。
片言なら英語もOKだけど、友人達だけにして大丈夫だろうか…?
そんな風に悩んでいた時、あきらから声を掛けた。
あきらには桜子が悩んでいる意図が分かったので有る。
「桜子、桜子の友人達の相手を、うちのドイツ語も出来る秘書にさせるのは如何だ?
観光案内もさせるから…。」
桜子は友人達に確認して、OKを貰えたので、あきらと一緒に行く事を決めた。
“友人達からは、後で、色々、聞かれるだろうけど…⤵。”と、桜子は、思っていた。
その後、あきらと一緒にレストランに入り、久し振りの高級感溢れるひと時を桜子は過ごしていた。
「こう言うのは、久し振りってとこか?」
「そうですね。
ドイツでは、セレブの友人より庶民の友人の方が多いですから。
先輩の影響でしょうか?」
「そう言えば、桜子は今の牧野の現状を知らねぇんだよな?」
「先輩、見付かったんですか?」
「ああ、意外な所に居たよ。」
「意外な所??」
「椿姉ちゃんの所に居た。
しかも、『桜庭家』の養子に成ってた(笑)。」
「………、はぁ~??
確か、『桜庭家』って、道明寺さんのお姉様の婚家ですよね?」
「ああ、そうだ‼
あの時、椿姉ちゃんが牧野を拉致ったらしい。」
「如何いう事ですか?
あの時って、先輩が高校3年に上がる直前に居なくなった時って事ですよね?」
「そう言う事だ‼」
桜子は信じられないでいた。
“椿さんも先輩も、私達がどれ程、心配していたか知っているので有ろうか?”と…。
“今度会ったら、突っ込まなくちゃ‼”と、桜子は心の中で悪態を付いていた。
あきらは、話題を変えようとしていた。
「なぁ~、桜子。
俺達、何年もバラバラだっただろ?
また、こうやって再会出来たんだ。
また、連絡取り合わねぇか?」
「他のメンバーは如何なんですか?」
「司の記憶はまだ戻ってねぇと思う⤵。
この前、牧野の桜庭家の養子の報告パーティーで、類と総二郎と滋には会った。
勿論、牧野とも会ったけど…。
優紀ちゃんだけがまだ、見付かってねぇんだよ⤵。」
「優紀さんなら、今、京都に居る筈ですよ。」
「………、京都?
また、何でだ?」
“F3は未だに、西門さんが優紀さんを傷付けていた事を知らないんだぁ~⤵。”と、桜子は、思い出していた。
「美作さんは、優紀さんが何故、京都の大学を選んで、そのまま、京都に居ると思いま
す?」
「………」
「そうですよね?
美作さんはご存知無いですよね?」
『総二郎について』の話しを桜子から聞いて、あきらは驚愕していた。