バラバラの果てに…<ALL CP> 7.
つくしは、尚も司に食って掛かって文句を言った。
「それじゃあ、政略結婚と変わらないじゃない?」
「何で、政略結婚に何だよ‼
俺等は愛し合ってんだろ‼
じゃあ、政略結婚じゃねぇよな?」
司の余りの言い分に声が出ないつくしであった。
F3も司とつくしの間に入り出した。
「牧野、諦めな‼
司の記憶が戻ったんなら、司が牧野を手放す訳無いよ。」
「まあ、そうだな。
牧野、諦めて『司の者』になった方が上手く収まるんじゃねぇの?」
「それに、家の問題まで入って来たら、牧野は司と付き合うしかねぇんじゃねぇの?」
司は尚もつくしに懇願して来た。
「俺は記憶が戻った時点で、もう、つくししか考えられねぇんだ。
元々、女嫌いだったんだから…。
そんな、俺がつくしだけしか反応しねぇって、凄くねぇか?」
つくしは唖然で有る。
「如何いう言い訳よ?」
司は尚もつくしに突っ込んだ。
「言い訳じゃねぇだろ。
お前の事を取り戻す為なら、何でもする。
なあ、つくし、俺に戻って来いよ‼」
つくしは、何方にしても、二人の事を公表されてしまって、此れを否定すれば、如何なるかは分かり切っている。
じゃあ、仕方ないのかと諦めの窮地にいた。
「分かったわよ⤵。
諦めれば良いんでしょ?」
「諦めじゃねぇだろ‼
俺の事が、好きで好きで仕方ねぇんだろ?」
司はニヤニヤ顔でつくしに迫っていた。
F3は二人の世界に入ろうとする司とつくしに待ったを掛けるように声を掛けて来た。
「お前等、分かってんだろうな?
俺等が居る事、忘れてねぇか?」
「二人の世界に入り過ぎぃ~⤵。」
「まあ、良いんじゃねぇの、元さやに収まった事だし…。」
司とつくしは何も言えずにいた。
「それよか、あきら、良く桜子が見付かったよな?」
「ああ、偶々だったんだよ。
俺が視察に行って居た場所に、友達と観光で来てたのが桜子だったんだ。」
桜子も頷いていた。
あの日から、あきらと桜子は、アドレスを交換し、LINEをしていた。
あきらと桜子は、あの日以来、会うのは久し振りだった様だが、何故か、二人の様子に違和感が無い様に思うのは、何故だろうと、皆が感じていた。
「ああ、そうだった。
桜子、優紀ちゃんの居場所、知ってるんだよな?」
「はい、LINEしているので…。」
総二郎は、何気に答えていた。
「京都だろ?」
「総二郎、知ってたのか?」
「否、偶々、京都の茶会に出席した時、優紀ちゃんが半東してたんだわ。
声を掛けようとしたけど、避けられてんのか、上手く交わされて喋れず、それからも会
う事が出来ず…、何だわ。」
あきらと桜子は、顔を見合わせて怪訝な顔をしていた。
あきらは、驚愕しながら、総二郎に声を掛けていた。
「総二郎、まさか…、お前?」
総二郎は、観念した様に皆の前で白状した。
「ああ、俺は優紀ちゃんに惚れた。
あれからも京都の仕事を入れる様にして、京都に行ってるけど、全く、優紀ちゃんに
会えてねぇんだ。」
あきらと桜子は、無言になった。
「「………」」
でも、其処は類。
思い出したかの様に総二郎に言って除けた。
「でも、総二郎、高校の時に、あの子を振ったんじゃなかったの?」
総二郎は、痛い処を突かれて、何も言い返せなかった。
つくしも参戦した。
「私は高校2年までの優紀しか知らないから…だけど、優紀、あの当時、相当、辛そう
だったよ。
でも、良かった。
桜子、有難うね、優紀と繋がっていてくれて…⤴。」
桜子は頷いて見せた。