バラバラの果てに…<ALL CP> 15.
T3は静を誘いに行ったが、静は仕事が有るという事で、部屋に居ると言う事だった。
なので、T3はT3だけで集まっていた。
滋がつくしに話し掛けた。
「つくし、変な誤解してない?」
「大丈夫、してないよ‼」
桜子が司に拉致られた後の事をつくしに聞いて来た。
「道明寺さんに拉致られた後、如何なったんですか?」
「えっ??
如何なったって、言われても、付き合う事に成った‼」
桜子は尚も突っ込んで聞いていた。
「って、事は、先輩、道明寺さんと成る様に成ったって、事ですよね?」
「成る様に成ったって…?」
桜子は、『ほんと、相変わらずな先輩に安心しますわ。』と、納得していた。
「だから、“一線を越えたのか?”って、聞いたんです?」
つくしは、逃げられないと、覚悟を決めて、首を縦に振る事しか出来なかった。
「道理で、先輩、艶っぽくなってますよ‼」
つくしは、首を傾げながら、不思議な顔をして、桜子に聞いていた。
「そんなに違うの?
自分では分からないけど…?」
桜子は、首を縦に振りながら答えていた。
「先輩、今日、鏡、見ました?
何か違って見えませんでした?」
「う~ん??
全然変わらない様に思うんだけど…?」
『先輩、どんだけですかぁ~??
鈍感さは相変わらずな先輩に安心するやら、残念やら⤵。』と、桜子は、思っていた。
つくしは、全く、分かっていない様子だったが…。
何はともあれ、桜子も滋も、祝福した。
「先輩、良かったですね‼」
「つくし、良かったね‼」
つくしは、笑顔で、桜子と滋に応えていた。
「二人共、有難う‼」
滋にとって、あの時、本当は、滋パパが、再度、政略結婚の話しを道明寺家にしてくれた事を嬉しく思っていた滋だった。
が、記憶を失っている筈の司は、“それでも、つくし以外の女は目にも入らないんだ…。”と、思った時に、滋は、司の事は吹っ切れた気がしていたのだった。
だから、司の記憶が戻ってこうなってくれた事で、滋はつくしの足元にも及ばなかった事を再度、確認出来た滋だったのだ。
滋は、『確信的な失恋』という形で…。
だから、つくしの笑顔を見て、尚、滋は素直に、つくしを祝福出来たのだった。
また、滋は、朝、桜子を迎えに行った事を桜子に話しして聞いていた。
「朝ね、朝食でも一緒に行きたいなって思ってね、桜子の部屋に行ったんだけど…⤵。
もう、居なかったみたいだったの。
朝早くから、何処に行ってたの?」
桜子は吃驚していた。
滋の存在を朝はすっかり忘れていたのだから…。
“本当の事を言うべきか?”
桜子は迷っていたのだが…。
どうせ、後でバレれば、滋は大騒動するのは目に見えてるので、本当の事を話しして聞かせた。
「美作さんに誘われたので、ご一緒してました。」
つくしと滋は、驚愕していた。
つくしは、確認するように桜子に聞いていた。
「桜子、美作さんと付き合ってるの?」
「いいえ、付き合っていませんよ。」
つくしは、尚も突っ込んで聞いていた。
「これから、付き合う事に成りそうとか?」
「さあ、如何でしょうか?
まだ、分かりませんね⤴。」
桜子の意味深な言い方に、つくしと滋は、首を捻りながら聞いて居た。
「「如何言う事?」」
桜子は、つくしと滋を前に、何やら、含みの有る態度をして見せていた。