従兄妹物語…<つかつく>・<総優> 13.
背後から声を掛けて来たのは楓だった。
「ご無沙汰していたわね、つくしちゃん⤴。」
「ご無沙汰しておりました、おば様⤴。」
楓は考え深げにつくしに聞いて来た。
「何年振りかしら…ね?」
「………」
つくしは覚えていなかった。
楓は話しを変えると共に、司とつくしの縁を喜んで居た。
「つくしちゃん、やっぱり、つくしちゃんとはつくしちゃんが幼少期の頃から、縁が有る
様に思っていたのよ。
流石、私(わたくし)の息子だわ⤴。
つくしちゃんを見付けて来る何てね⤴。」
つくしは先に進もうとする楓を制止しようと試みた。
「………、あの~、おば様?」
楓は先走ってしまって居る事に気付いた。
「あら、ごめんなさい。
司とつくしちゃんは道明寺家と牧野家の話し合いに寄って、司とつくしちゃんの二人
は、既に『許嫁』なのよ⤴。
知らなかったの、つくしちゃん?」
つくしは溜息しか出なかった。
「はぁ~⤵。
如何いう意味ですか?
私は何も聞いていません。」
楓はつくしの言葉は聞き流していた。
「取り敢えず、そう言う事だから、これからも司を宜しくね…、つくしちゃん⤴。」
そうなので有る。
楓とつくしは、既に、つくしの幼少期に顔見知りで有った。
楓は司もつくしに会わせようとしていたが、例の事件がつくしに降り掛かり、楓は司をつくしに会わせない様にしていた。
楓は総二郎の母親と英徳学園での同級生の幼馴染で親友。
つくしの母親の事も、妹の居なかった楓は可愛がっていた。
楓の実家も、総二郎の母親とつくしの母親の姉妹の実家も同じ政治家一族。
それぞれの実家の所属政党も同じな為、パーティーでも良く会い、家族ぐるみのお付き合いをしていたので有る。
そんな事から、自然と、道明寺家と牧野家の縁組は纏まっていたので有る。
そんな事を知らないつくしは、既に、包囲網に囲まれていたので有った。
一方、その事を知ってしまった司は、つくしに対して、尚一層、遠慮が無くなったので有る。
此れを阻止すべく、逃げ惑う日々のつくしであった。
だが、司が時折見せる『寂しそうな顔・辛そうな顔』を見せられると、つくしは、胸が苦しくなる現象に気付き出した。
此れが何なのか分からず、尚も苦しむ日々が続いて行くので有った。