記憶を失って…<つかつく> 番外編
<司side>
あの結婚式1年後につくしが妊娠した。
俺は心配だから、“仕事は産休にしろ‼”と、言うのに、返って来たつくしの言葉は、こうだ。
「妊娠は病気じゃないのよ。
ある程度、動かなければ、出産する時、大変に成るの⤵。
出産太りは良く無いの⤵。
だから、動く事は悪い訳じゃないの⤴。」
と、つくしは言いやがった。
で、つくしは出産ギリギリまで、仕事しやがった。
で、生まれて来たのは、息子二人。
一卵性双子だった。
それが、また、俺に瓜二つの道明寺家のDNAを色濃く残した双子だった。
『長男を翼・次男を翔』と、名付けた。
つくしは出産後、産休1年を経て、仕事に復帰しやがった。
しかも、俺には一切、相談せず、ババアに相談って、如何よ⤵。
そんなに俺は頼りないかよ⤵。
つくしに言わせれば、『女の気持ちは女でないと分からない』が、つくしの持論だ。
ふざけんな‼
俺はお前の身体が心配だから言うんだろうが…⤵。
まあ、でも、俺も焼きが回って来たのか、“仕事をしているつくしも好きだ。”って、思うんだから、仕方ねぇわな⤴。
つくしの失ってしまった記憶はあれ以来、一切、つくしは取り戻していない。
だが、最近は、その方がつくしには幸せじゃねぇのかと、俺は思うように成って来た。
つくしの失ってしまった記憶の中には、実父母の牧野の親父さんとお袋さん、それに、弟の進の事も思い出す事に成る。
それに思い出したくない俺の汚点では有るが、俺の過去の政略結婚の事も思い出す事に成る。
成らば、このままの方が、つくしは幸せだろう⤴。
だが、ここ最近では、つくしは記憶を取り戻したんじゃねぇかと、錯覚するくらい、高校生の頃のつくしの面影を醸し出してきた。
真面目は元々だが、頑固で、正義感が強くて、こうと決めたら一筋縄ではいかない所とか…。
まあ、どんなつくしでも、俺はwelcomeだから、良いけどよ⤴。
つくしがつくし成らば…⤴。
つくしが幸せなら、俺も幸せだから…⤴。
つくし、俺を幸せにしてくれて、有難な‼
今、此処で誓っても良い‼
もっと、今以上につくしを幸せにして遣るよ‼
覚悟して於けよ、つくし‼
fin