もう一度、取り戻す…<つかつく> 2.
司とつくしの別れなくてはいけなかった理由…。
それは…⤵。
司の父親で有る道明寺保…道明寺HD 道明寺会長が2回目に倒れたのが、あの『4年後、迎えに行きます。』と、司がメディアに残した約束の4年の期限の少し前だった。
司は、
“例え、親父が倒れようとも約束した事はきちんと守るべきだ。”
と、楓に伝え、
“つくしを公約通り迎えに行く。”
と、公言していた。
道明寺HDの危機感を感じた楓は先手を打つ為、つくしに会い、司と別れる様、つくしに懇願し、“司に別れ話をつくしから伝えて欲しい。”と、話ししていた。
司は、つくしからTELで別れ話を言われたあの日から、4年、司は、心を閉ざし、政略結婚の話しが有っても、政略結婚の話しにも応じず、誰とも関わり合いを持とうともせず、親友で有るF3とも、会おうとしなくなった。
一方、つくしも司だけではなくF3&滋・桜子とも会おうとしなくなった。
F3&滋・桜子もほとぼりが冷めれば、また、仲間に戻って来るだろうと、踏んでいた。
取り敢えず、優紀と繋がっているなら、また、繋がれる。
そう思っていた。
それが、もう、4年経つ。
優紀が説得しても、一切、会おうとしないつくしを、“そっとして於こう。”と、仲間内で相談していた。
それが、4年経って、楓がつくしの前に現れた。
司の為だけではなく、道明寺HDの為にも、『つくしが欲しい。』と、楓は考えての行動だった。
つくしは、入社3年目に成る。
先日の広告企業関連でのコンクールと言われている『広告アワード』で、つくしが企画した広告が、グランプリを獲得したのだ。
此れに目を付けたのが、楓だった。
楓も初めは、あの、つくしが企画したとは思っていなかった。
それが、調べて分かったのが、『企画担当者がつくし』という事だった。
一方、司が4年経った今も、仕事以外では心を閉ざし、口数が少なく、意思表示のない司を危惧し始めた楓で有った。
司が4年前に言った言葉が、今になって、楓の心を突き刺していた。
『俺は、今後、道明寺HDの為に生きる。
だが、政略結婚はしねぇ。
政略結婚をさせるので有れば、俺は、道明寺HDを潰す。
今後、道明寺HDを存続させたいので有れば、姉貴の子を継が
せれば良い。
俺の血を引く人間は、今後、一切、要らねぇ。
そのつもりで居てくれ。
それが、条件だ。』
その時は、4年前は、つくしと別れて直ぐなので、司の戯言と、楓は思っていた。
だから、了承もした。
しかし、4年経った今も、司の気持ちが変わらない等と、楓は予想にもしていなかった。
『このままなら、道明寺HDの存続が危ぶまれる』と、楓の中で、あの日の自分自身の行動が間違えで有った事に気付き始めていた。
『つくしを取り込まなくては道明寺HDの存続は無い』と、楓は考えるように成っていた。
だが、やはり、楓の思惑通り、つくしは楓に対して、意固地なまでに態度を軟化する事は無かった。
当然では有るのだが、楓は、此れで諦める気はしていなかった。
社長に楓は打診した。
「道明寺HDが、御社をバックアップする事は可能です。
しかし、条件があります。
『牧野つくし』さんを道明寺HDの出向扱いにして頂きたい。
この条件を飲んで下さるなら、道明寺HDグループの傘下に入って頂けますが…⤴。」
社長としては願ったり叶ったりで有る。
つくしを説得する事を楓に約束した社長で有った。