もう一度、取り戻す…<つかつく> 8.
つくしは、目が点に成っていた。
「如何して、道明寺邸なの?」
「ああ??
もう、ババアもつくしの事は了承してんだ。
それに、タマが、“つくしを連れて来い。”って煩ぇんだよ。
今日は、取り敢えず、俺ん家(ち)な‼
また、今度、つくしの行きてぇ所(とこ)、連れて行って遣るよ⤴。」
で、丁度、扉が開き、司が入り、続けてつくしが入ると、タマがつくしに近付いて来て、つくしを抱き締めた。
「つくし、お帰り⤴。
やっと、つくしが帰って来てくれたんだね⤴。
奥様から連絡が有って、坊っちゃんとつくしを宜しく頼むと言われたよぅ⤴。
良かったね、つくし‼
もう、坊っちゃんから、逃げられないね。
覚悟して於きよ、つくし‼」
「先輩っ‼」
つくしは、居た堪れなかった。
つくしのその表情がタマには見て取れたようで、タマは更につくしに追い打ちを掛けて来た。
「何て顔をしているんだい。
つくしは、間違いなく、道明寺家の包囲網の中に居るんだよ⤴。
もう、道明寺家からは逃げれないんだよ⤴。
諦めな、つくし‼」
つくしは、諦めるより他ないのかと、内心憂鬱に成っていた。
また、司の俺様・横暴さに振り回されるのかと思うと先が思い遣られる気がしていた。
「つくし、料理長が久し振りにつくしに食べてもらえると、張り切って食事の用意をして
いたよ。
心して、食しなよ⤴。」
「はい、有難うございます。」
司は、タマとつくしの様子を見ていて、痺れを切らしたようで、つくしに催促し始めた。
「つくし、何してんだ‼
早く、ダイニングに行くぞ‼」
「坊っちゃんが、痺れを切らしたようだね⤵。
早く、傍に行ってお遣り⤴。」
つくしは、慌てて、司と一緒にダイニングに入った。
料理長が挨拶に司とつくしの前に現れた。
「つくし様、ご無沙汰しておりました。
本日は、つくし様のお好きな料理を取り揃えさせて頂きました。
ごゆるりと、お召し上がり下さいませ。」
つくしは、困惑していた。
「料理長、私の方こそ、ご無沙汰しておりました。
私の為に、料理を有難うございます。
料理長、お願いが有るのですが、その『様』呼びは止めてもらえますか?」
「何を仰います。
司様の大切なお方です。
呼び方は合っております。」
つくしは、居た堪れなかった。
また、つくしの顔見知りの使用人数名がつくしに声を掛けて来た。
「「「つくし様、お帰りなさいませ。
ご無沙汰しておりました。」」」
つくしは顔見知りの使用人が居た事に嬉しさを隠さずに居た。
「皆さん、いらっしゃったんですね。
お会い出来て、嬉しいです。
お元気でしたか?」
「「「はい、つくし様もお元気そうで成り寄りでした。
これからも、宜しくお願いします。」」」
つくしは、やはり、逃げれそうに無いと、悟ったので有った。
食事を済ませると、タマが声を掛けて来た。
「つくし、今日は泊まって行くんだろ?
坊っちゃんの部屋に、ある程度、必要な物は取り揃えたつもりだけど、足りない様な
ら、言って於くれ。」
つくしは、帰るつもりで居たので、驚愕していた。
「えっ?
帰るつもりで居ました。」
「えっ、そうなのかい?
坊っちゃんから用意するように言われていたんだけどねぇ?
まあ、坊っちゃんと、良く相談する事だね⤴。
因みに、奥様からは、つくしがお邸で住んでもらっても構わないと言われているんだけ
どねぇ⤴。
如何するかは、坊っちゃんと、相談しな‼」
『何で、道明寺家の人間は、こうと決めたら、『コト』を進め
たがるのだろうか?
何も決まっていないというのに…。
此れじゃあ、ほんとに、包囲網の中に居る感じじゃん。』
と、つくしは、嘆いて居た。
司は、既に、つくしを道明寺邸で住まわせ、司とつくしが同棲する方向で話しを進めていた。
もう既に、つくしのマンションは引き払われた後だった。
司は、して遣ったりだった。