もう一度、取り戻す…<つかつく> 14.
<一部、表現に不快であろう箇所があります。 お詫びします。>
司とつくしが楓の部屋を出てから、楓は、司とつくしの温度差に一抹の不安を覚えたので、西田に連絡を入れていた。
「西田、司とつくしさんを監視して頂戴‼」
「如何為されましたか?」
“はぁ~⤵。”
楓は、溜息を付きながら、西田に話していた。
「例の広告の件で、司とつくしさんの頭の中の温度差が余りに違い過ぎるのよ⤵。
司の邪な考えに対して、つくしさんの真面目さが気に成るのよ⤵。」
楓のその言葉だけで、西田は、全てが眼に見えて分かるような気がしていた。
「賜わりました。」
西田は、“司を抑えなければ…。”と、考えていた。
一方、司とつくしは自室に戻ってからも、つくしは資料と睨めっこして居て、目線が資料から離れない為、司は不貞腐れていた。
「つくし、つくしって言ってんだろ‼
こっち向けよ‼」
「えっ、何?」
「お前、さっきから、資料ばっか見詰めて、俺の事、無視するなよ‼」
「あっ、ごめん‼
何、何か有った?」
「はぁ~??
明日も仕事だろ?
今から、風呂入るぞ‼」
「入るんだったら、一人で入ってよ‼」
「はぁ~??
何でだよ?」
「私、もう少し、資料と睨めっこしたいから、後で入るね‼」
「はぁ~??
分かったよ、もう良いわ⤵。
勝手にしろ‼」
司は部屋を出て行った。
つくしは、司が部屋を出て行った事も気付いていない程、資料に没頭していた。
司は部屋を出ても、道明寺邸を出るつもりはなく、リビングルームに居て、あきらにTELしていた。
「はい、司?
また、牧野と何か有ったのか?」
あきらは、面倒臭そうにしていた。
「ああ、俺を無視しやがんだよ…⤵。」
「お前が、しつこいからだろ?」
「俺を無視するからだろ?」
「司ぁ~、いい加減、大人に成れよ‼」
「………」
あきらとはTELを切った。
司が類にTELしても、寝てるのか、出ない。
類は、面倒臭いので、態と出なかっただけなのだった。
最後に、司は総二郎にTELした。
「はぁ~??
何だよ、司?」
「機嫌が悪ぃな‼」
「今、優紀とお楽しみ中なんだよ⤴。
何か用が有んだったら、手短に頼むわ‼」
「はぁ~??
もう良いわ⤵。」
司は、“どいつもこいつも…。”と、更に、不貞腐れていた。
その様子を見ていたタマが、つくしを呼びに部屋に向かった。
「つくし、坊っちゃんが不貞腐れてるよ⤵。
何か有ったのは間違いないんだろ?」
「ああ、私が楓社長より、手渡された資料を見続けていたから、怒ったのかも…⤵。」
「つくし、坊っちゃんを迎えに行ってお遣りよ⤴。
じゃないと、邸の平和は保たれないよ‼」
「司は何処に居ます?」
「リビングルームだよ⤴。」
“はぁ~⤵。”
つくしは、溜息を付きながら、迎えに行った。
「司、お風呂に入るんでしょ?
部屋に戻るわよ‼」
「おお、分かった(笑)⤴。」
つくしは手を出して、司の手を取り、司とつくしは手を繋ぎながら部屋に戻って行った。
部屋に戻った司とつくしは、司の願い通り、二人一緒にバスルームに入り、つくしは、司の機嫌取りに必死だった。
この後のつくしは、司の餌食に成ったのは言うまでも無いが…⤵。
タマは、“ほんと、坊っちゃんは単純で様ござんす。”と、心の中で唱えていたとかいないとか…。