後悔と言う名の元に…<つかつく> 7.
<つくしside>
蘭だけが、病室に来た。
いつも、翼と一緒に病室に来るのに…。
喧嘩でもしたのかと心配に成り、蘭に確認してみた。
「蘭、今日は一人なの?
翼と何か有った?」
「あっ、ううん。
翼が先生に呼ばれて…。」
「先生って、先輩の事?」
「うん、そう⤵。」
何か、歯切れの悪い蘭の様子をじーっと、見ていた。
私を見ない蘭に一抹の不安が過った。
その時だった。
翼が私の病室に入って来た。
だが、一人ではなかった。
私は、頭の中が『???』で一杯になった。
「つくしっ‼」
「如何して、道明寺が此処に居るの?」
「つくし、申し訳無かった。
苦労させた⤵。」
「道明寺、記憶…?」
「ああ、こいつ等のお陰で、記憶が戻ったんだ⤴。」
「何処で、この子達と…?」
「ああ、偶然、信号待ちで、リムジンが止まっている時、目の前を歩いているこいつ等を
見掛けて、呼び止めたんだ。
何故か、『呼び止めなければ後悔する』と、俺の中で胸騒ぎを起こして…。
で、お前等の事を知らべさせてもらった。」
つくしは至って、冷静だった。
「そう。
で、この子達を如何しようと言うの?」
「つくしっ‼
誤解すんじゃねぇ‼
俺はお前を救いたい⤴。
その上で、こいつ等の親だと認めてもらいてぇ⤴。
現状のままだと、俺はつくしにもこいつ等にも、何もしてやれねぇ⤵。
頼む、俺を許してくれ‼」
つくしは、如何すれば良いのか、分からなかった。
司がそうは言ってくれても、道明寺家が、“つくし達親子は不要だ。”と言われれば、意味もない。
「許すも何も、私達は他人なのよ。
何をしてもらわなくても、当然でしょ?」
「つくし、そんな事を言うな‼
俺とお前は、翼と蘭の親だ。
という事は、俺とお前は夫婦同然何だよ‼
俺は今でもお前を愛してる。
俺は、お前じゃなきゃ、ダメなんだよ‼
頼む、俺を許してくれ‼
つくしが、今まで翼と蘭を育ててくれた17年分以上の幸せを俺はお前等に与えるつも
りだ。
だから、頼む‼
俺にお前の全権をくれ‼」
道明寺が私に頭を下げている。
こんな事、今までなかった事…。
私は道明寺の行動に驚愕していた。
そんなある日の事だった。
西田より、全て報告を受けていた楓が、帰国して帰って来た。
そして、直ぐ様、つくしが入院している病院に駆け付けて来た。
【トントン】…西田が扉をノックしていた。
西田が声を掛けて来た。
「司様、宜しいでしょうか?
入らせて頂きます。」
「おお、何か有ったか?」
其処に楓が入って来た。
「はぁ~??
何で、ババアが此処に居んだよ?」
「何ですか?
孫の前で、その言葉遣いは…。」
つくしは驚愕していた。
「ご無沙汰しております、道明寺社長。
このような、姿をお許し下さい。」
「つくしさん、他人行儀な物言いは止めてもらえるかしら?
貴女とは、色々、有りましたが、蟠りは取りたいと思っているのよ⤴。」
「………」
つくしは、楓が何を言いたいのか、分からずに居た。
「初めましてね、翼、蘭。」
「「………、初めまして。」」
「私(わたくし)はあなた達のおばあちゃまよ⤴。
あなた達の父親の母親よ。」
「「………」」
翼と蘭も如何言って良いのか、迷っていた。