取り戻したい…<総優> 12.
そんなある日の事だった。
優紀が所属していた芸能事務所の社長から、優紀が呼び出しを受けた。
何やら、優紀に相談が有るとの事で、総二郎は優紀と一緒に、社長に会いに行った。
社長曰く…。
「新しく、タレントかモデルを発掘したいと思っているんだけど…。
誰か紹介出来る人、居ない?」
優紀は、社長の言葉に驚愕していた。
「えっ??」
総二郎は首を捻りながら言った。
「そうそう、居ないでしょ⤵。」
「其処を何とか…。」
優紀は意を決した様に、言った。
「居ない訳では無いんですが…⤵。」
総二郎は優紀の発言に吃驚していた。
「はぁ~??
誰だよ、優紀?」
其処で、優紀は飛んでも無い事を言い出した。
「滋さん…⤴。
如何かと思ったんですが…?」
「優紀、お前なぁ??
寄りにも寄って、『滋』って…⤵。」
優紀は、独り言の様に言っていた。
「やっぱり、ダメかな?」
“そんな可愛い顔をして言われてもなぁ…⤵。”と、総二郎は思っていた。
「ダメとかじゃなくて、困るのは社長だろ⤵。」
社長は不安そうに聞いて来た。
「そんなヤバい娘(こ)なの?」
「飛び跳ね女ですよ。
俺等、F4も遠目から見る様な女ですよ。
感覚的には、俺等と同性的な感じと言えば分かり易いですか?」
社長は、首を傾げながら聞いた。
「じゃあ、その娘(こ)には、F4の中に彼氏は居ないって事?」
「そう言う事です。」
社長は、不思議そうだった。
「F4って、優紀の親友達とお付き合い、もしくは、結婚していると、思っていたけ
ど…。」
「F4の中の3人はそうですが、1人は、俺等F4の幼馴染と、もう直ぐ結婚しますよ。
だから、滋は浮いた形ですよ。」
優紀は、滋が、“優紀を羨ましく思っているみたいだ。”と、T2に後から聞かされていた。
滋は、優紀を見ていて、密かに、芸能界への憧れを抱いて居る様子だった。
優紀は、滋を、誉め始めた。
優紀は、必死で、滋をプッシュし始めた。
「滋さんって、スレンダーで、女性では背は高い方だと思うし、美人だし、女性の私から
見ても羨ましいし、生まれも育ちも生粋のお嬢様だし、言う事無いと、思うんですけ
ど…?」
「見た目はな。
だから、惑わされる男も多いだろ?」
「………」
優紀は答えられずに居たが、社長は、ピピっと、来たらしい。
「そうなのね。
その方が面白いかも…⤴。
今度、此処に連れて来てよ。」
「社長、チャレンジャーですね。
了解しましたよ。
優紀、滋に連絡入れとけよ‼」
「了解しました。」
優紀は、総二郎の了承を得れた事にほっとしていた。
その後、優紀の思惑通り、事務所の社長と滋は、意気投合し、“先ずは、モデルから…⤴。”って事で、滋は、芸能界の仕事を始めた。