bad love…<つかつく> 21.
次の日、司とつくしは、午後出勤だった為、午前中はゆっくりしていた。
そして、ルームサービスを取り食事を済まして、司とつくしが出勤の為、一緒に部屋を出て、エレベーターで下り、ロビーに向かっている所に、有り得ない所を発見してしまった。
“偶然だったのか?
待ち合わせをして会っていたのか?
はたまた、仕事の打ち合わせか?”と…。
だが、仕事なら、“つくしが此処に居る事は有り得ねぇ。”と、思う司だった。
何方にしても、類と滋が其処に、二人で居るのは事実だった。
此れは、大事件だった。
唯、つくしは、滋の異変が少なくとも、この事ではないかと察知したのだった。
何方かと言えば、他人(ひと)の気持ちに疎いつくしが気付く位だから、滋の気持ちはダダ洩れだったのだろう。
何故なら、滋の顔付きが、つくしに見せるいつもの顔付きではなく、女の顔付きに成っていたからだった。
司とつくしはお互い、顔を見合わせ、驚愕していた。
司から、提案された。
「この事は、取り敢えず、親にも黙って於け‼
俺は類に確認するから、つくしは姉ちゃんに訊いとけ‼」
「うん、分かった。」
そして、つくしは仕事の業務に付き、滋から連絡が在った為、滋をメープルまで迎えに行き、リムジンの中で、今日見た事を滋に確認したつくしだった。
「今日、司と、メープルのロビーに居たらね、お姉様が花沢さんと一緒に居たのを見掛
けたの?
花沢さんとお付き合いして居るの?」
「パパにこの事は…?」
「まだ、言ってない。」
滋は、あからさまにほっとしていたのが、つくしには分かった。
「ねぇ、お姉様っ‼
ここ最近のお姉様、前と違うわよね?」
「如何違う?」
「何か、顔付きが柔らかく成ってるの⤴。
もしかして、花沢さんの事、好きに成った?」
「えっ、何でそう思うの?」
「私の勘?
今までのお姉様じゃないみたい何だもの?」
「つくし、パパにまだ、言わないって、誓える?」
「勿論、今までだって、約束破った事無いでしょ?
でも、此れだけは、許して欲しいの。
司も花沢さんとお姉様が一緒の所を見てるの?
司には隠せない。
言って良い?」
「そうだね。
道明寺司だけに話す事は許すわ。」
「有難う、お姉様‼
で、本当の処、お姉様は、花沢さんの事、正直、如何思ってるの?」
「好きに成ったみたい…。
でも、花沢さんは、唯単に、知り合いとして、私に付き合ってくれてるだけだと思う。
つくしが私達を見たって言う所もね、偶然、ロビーで会ったの。
ほら、今日は…。」
「ああ、お姉様のお見合いの日。」
「そう、だから、つくしも私も、今日の仕事は午後からでしょ⁉」
そうか、お見合いの日だったんだぁ~。
「だから、偶然、会ってる所を見られたって訳。」
お姉様が、『お姉様じゃない』と、思うのは私だけ?
「お姉様、それで、良いのよね?」
「何が?」
「お姉様はいつも欲しいものは手に入れなきゃいけないかの様に行動するでしょ?
“欲しいものは全て、手に入れる‼”と、豪語するお姉様だから…。
ちょっと、心配で‼」
「『相手にその気が無いのなら、負け戦には応じず、辺りを見回せ‼』
此れ、つくしが、教えてくれた事よ‼」
「そうだけど…。」
「取り敢えず、勝ち戦に成る様に頑張るわよ‼」
『お姉様が変わって良かったと、喜ぶべきか?
少し、心配だけど…⁉
凶と出るか?
吉と出るか?』
私も様子を見る事にした。
そうして、私は、お姉様の気持ちを司に話す事にした。