バラバラの果てに…<ALL CP> 18.
<桜子の会話は、日本語表記に成っていますが、ドイツ語で話しして居ると見做してご覧
下さいませ。>
総二郎は、その後も、優紀に会いに京都に行けずに居た。
総二郎は、悶々としていた。
そんな時、あきらから連絡が来た。
「よぉ、総二郎、元気か?」
「はぁ~??
此れが元気そうな声に聞こえるか?」
「はぁ~??
優紀ちゃんと会って、上手く行ってると思って居たけど、違ぇのか?」
「はぁ~??
まだ、会いに行ってねぇよ。
勇気が出ねぇんだよ。
断られそうで…よ⤵。」
「総二郎らしくねぇな。
本気の恋は、総二郎を臆病にさせてるってか?」
「はぁ~??
で、何か有ったから連絡寄越したんだろう?」
「ああ、そうだった。
俺、もう直ぐしたら、日本に凱旋帰国するわ。」
総二郎は、“『凱旋帰国』って…、自分で言ってたら世話ねぇわな‼”と、思ったが、あきらには、言わずに居た。
「そうか、良かったじゃねぇか?」
「ああ、楽しみしとけよ‼」
「何を?」
「まあ、俺が帰国する事を楽しみにしとけって…‼」
「………」
総二郎は、何も応えられなかった。
あきらの言葉に解せない思いが有った総二郎なのだった。
一方、桜子は、ドイツまで、あきらが、“迎えに来る。”と、言った言葉に焦っていた。
あきらを阻止するべきか、この状況を打破するか、二者択一に悩んでいた。
此ればかりは、誰にも相談出来ない。
例え、つくしで有っても、優紀で有っても…。
つくしにも、優紀にも、軽蔑されるのがオチだ。
桜子は悩んだ末、打破する事に決めた。
この状況が良いとは思わないからだ。
桜子は、相手に連絡を入れた。
「今日、会えない?」
「今日か?」
「難しい?」
「話しに寄ったらOKだな‼
どんな用件だ?」
「何と無く分かってるでしょ?」
「分かれ話しなら、聞かないが…?」
「もう、そろそろ限界でしょ?
それに、私、そろそろ、日本に帰りたいの?」
「そうかぁ~?
そう遣って、別れて来たのか?
今までの男も…?」
「………」
桜子は、これ以上、無理だと判断して、勝手に話しを切り上げた。
そして、相手男性に明日、会う事を約束させた。
相手男性は、一夜を共にすれば、桜子は自分の元に戻って来ると解釈していた。
日本人女性は、優しいと聞いて居たからだ。
桜子は、ホテルのロビーで、相手男性と会っている所に、偶然、あきらがSPに囲まれてホテルのロビーに下りて来ていたのだった。
桜子は、あきらと眼が合ってしまった。
驚愕したのは、桜子ではなく、あきらだった。
桜子は呆気に取られていただけだった。
言い訳出来ない状況なのだから、返って、冷静に成れた桜子だった。
桜子に内緒で、吃驚させて遣ろうと、黙って、ドイツ入りをしていたあきらは、雷が落ちて来たかの様な衝撃を、頭に受けた様な気がしていた。
余りの衝撃に言葉が出ないあきらだった。
桜子とは、眼が合ったままだったが、その場に居る事に居た堪れなく成り、その場を離れたあきらだった。
あきらは、桜子の真意を量り切れずに居た。