バラバラの果てに…<ALL CP> 24.
<一部の表現に不快に感じるで有ろう箇所が有ります。
お詫びします。>
<総二郎side>
あきらから、“明後日の14時のフライトで日本に帰国する。”と、連絡が入った。
俺は、あきらに優紀と付き合う様に成った事を、まだ、伝えて居なかった。
先日のNYのお礼は勿論、しなくてはいけないのだが、優紀を連れて行く事でお礼に変えたかった。
優紀を連れて行った上で、俺と優紀の二人でお礼を言いたかったのだ。
なので、優紀を東京メープルに来させ、俺も一緒に泊まっていた。
「明日が楽しみだな‼
あきら、吃驚するだろうな‼」
「………、ほんと、人が悪いですね?」
「人聞き。悪ぃ事と言うなよ、優紀‼
俺は、吃驚させたいだけだぜ。
あきらも、“楽しみにしとけ‼”って、言ってたんだからよ。
あきらも、何か持って帰って来るんだろうから、これくらいのサプライズはお相子だ
ろ⁉」
取り敢えず、俺は優紀を抱き締めてkissをした。
前回、会った時は、料亭だったという事も有り、その後、俺も仕事が有ったという事も有り、kissだけで、アドレスを交換し合って、別れていた。
今日、会うまで、俺は優紀への連絡は欠かさず入れていた。
で、kissも深まり出した頃、優紀から飛んでも無い事を聞いてしまった。
「あのね、京都支部長から聞いたんだけど、この間、料亭で私達が会ったのは、家元夫人
からの打診だったらしいんです。」
俺は驚愕しかなかった。
「はぁ~??」
“一気に、甘い雰囲気が崩れたじゃねぇか?
まさか、優紀はその為に、この事を俺に言ったんじゃねぇだろうな…?”と、俺は、一瞬、優紀を疑いたく成る程の絶妙なタイミングでの報告だった。
だが、俺は考え直した。
「よくよく考えればよ、お袋が、俺と優紀を近付ける為に、この間は俺を京都の仕事に行
かせたのなら、俺等は公認の仲って訳だよな?
って、事は、成る様に成って良いって事だよな?
まあ、どっちにしても、俺等は既にそう言う仲だけどよ‼」
「………」
優紀は、また、俯いて、何も発しなくなった。
「優紀、無言は肯定と取るぞ‼」
優紀は慌てて、顔を上げて、俺の方に顔を向けた。
そして、優紀は、不貞腐れている総二郎の顔を見て、慌てた様に、微かにだが、頷いて見せた。
総二郎は思った。
“意外と有効なんだな、此の、不貞腐れ顔作戦‼”
優紀が見惚れる、普段のクールな総二郎と違って、総二郎に不貞腐れられる事で、優紀は一抹の不安を感じてしまうのだ。
だから、頷いてしまうし、下手すれば、許してしまうのだった。
優紀が頷いた事で、総二郎のテンションはぐーっと上がり、総二郎は、優紀をお姫様抱っこをして、そのまま、ベッドに連れて行った。
そう成れば、総二郎の独壇場に『コト』が運ばれるのは間違いなかった。
総二郎にとっては、久し振りの女性との肌と肌の触れ合い。
ましてや、それが、自分自身が愛する女性との肌と肌との触れ合いなら、今の総二郎は、間違いなく、猪突猛進。
総二郎とて、嬉しく無い訳が無かった。
10代の思春期かって位、勝手気ままに『コト』を進めてしまい、優紀が総二郎に就いて行けなく成って居るのも気付かずに、総二郎は、唯、暴走してしまっていた。
優紀の初めての時の総二郎とは全く別人かと、優紀が疑いたく成る程に、総二郎は舞い上がっていた。
それ程に、総二郎は優紀を恋焦がれて居たのだ。
総二郎は後悔していた。
“高校の頃に、もっと早く素直に優紀を受け入れて居れば、こんなに遠回りしなくても済んだのに…。”と。
何故、この気持ちに、勝手にピリオドを付けれたのだろうか?
今では、高校の頃の総二郎自身の気持ちさえ分からない総二郎だった。
そして、次の日、総二郎と優紀は、空港に向かっていた。
そして、あきらに続いて一緒に現れた女性を見て総二郎と優紀だけではなく、迎えに来てくれていた総二郎と優紀が寄り添う姿を見たあきらと桜子…も、また然りだった。
それぞれお互いが驚愕するしかなかったので有った。