bad love…<つかつく> 26.
<司side>
俺は、ババアに寄って、つくしと会える事は腑に落ちねぇにしても、つくしと会えると思うと、顔が緩んでくるのを自覚していた。
必死の形相で、俺は、何時もの何倍ものハイスピードで、仕事を遣り上げた。
で、俺は油断していた。
副社長専用重役階ロビーのエレベーターホールで、俺は、エレベーターを待って居る時、ババアが、エレベーターで、下りて来た。
実は、会長・社長専用重役階は、副社長専用重役階は、一階上に在る。
で、ババアに釘を刺された。
「司、貴方は、道明寺HDの副社長なのよ。
幾ら、つくしさんに会えるからって…。
顔が、喜びを表現し過ぎよ…うふふ。
顔が緩んでいるわよ。
顔を引き締めなさい。
誰に見られているか分からないのよ。」
「………」
俺は、何も言い返せなかった。
と言う寄り、今は、何も言わねぇ方が良いに越した事はねぇ‼
唯、俺は、珍しいものを見てしまった。
ババアの笑い顔…⁉
微かでは在ったのだが…。
ババアの笑い顔に驚愕より、呆気に取られて言い返せなかったと言うのも在る。
で、俺は、ババアに頭を下げて、エレベーターに乗った。
ババアは、俺の態度を見て、怪訝な顔をしていたが…。
もう直ぐ、つくしに会える。
何日振りだ。
俺は、つくし欠乏症で、身体が動かなく成る寸前だった。
ギリギリの所だった。
つくしから、『地下駐車場で待ってる‼』と、LINEが来た。
あいつは、“本当に、大河原財閥の令嬢か?”と、疑いたくなる位ぇ、表立って前に出るのを嫌う。
まあ、だからなのだろう…。
つくしは、“あのお祭り姉ちゃんの陰で居れるのかも知れねぇな⁉”とも思う。
俺は、やっと、つくしと会えた喜びをつくしに爆発させてしまった。
俺は、つくしをリムジンに乗せる成り、つくしを抱き締め、離せなかった。
否、離さなかった。
つくしは苦しがっていたけど…。
“お前が俺を寂しくさせたんだ、諦めろ‼”
と、言わんばかりに、つくしを俺の傍に居させ続けた。
そして、俺は、気に成っていた事をつくしに訊いた。
「なあ、つくし‼
お前の姉ちゃんが、『類を好き』と、言うだけで、お前の父ちゃんが、何故、其処まで
して、お前の姉ちゃんの傍につくしを見張り役に置くんだ?」
つくしは、言おうか、言わねぇ方が良いのか迷っていたみてぇだが、言わなければ、多分、俺が誤解すると判断して、言う事にしたのだろう‼
「この事は、他言無用にして、お願い‼」
「ああ、分かった‼」
「実はね、以前、姉は、世間で言う処の『女・暴れ馬』と、言われていたでしょ⁉
それ位、猪突猛進型なの…。
自分の思った事は貫くと言うか…⁉
良い意味にも、悪い意味にも…。
だから、花沢さんの事を好きだと気付いた姉が、次に行動するとすれば、花沢さんを追
い掛ける事…。
花沢さんにご迷惑が掛からないとも限らない。
だから、私が見張り役なの。
それでも、前よりは、随分、変わっては来てるんだけど…ね。」
つくしの姉ちゃんはまるでストーカーだよな? ←司坊っちゃんも、『そう成る可能性
は無きにしも在らず…?』でした
が…。 by 西田
「じゃあ、今日のこの後は、誰が見張ってんだ?」
「進…。」
「弟か?」
「そう…。」
「じゃあ、此れからは、弟が見張るのか?」
「分からない?
もし、進じゃ如何にもならないって事に成れば、“私かも…。”って、思ってる⁉」
「はぁ~??
何だよそれ?
じゃあ、また、会えねぇって事か?」
「そう成らない様にしたいけど…。
父の判断次第だから…?」
俺は、俺のバッテリー充電の為に、“今夜は、つくしを離せねぇ‼”と、誓っていた。
<此の二次小説『bad love…<つかつく> 26.』に、≪注≫として、説明文を追加で
記載、訂正しております。
追加・訂正記載日
2019.10.29 23:15>