忘れ欠けていた…<総優> 18.
其れから、1年程経ったある日、優紀は根負けして、そんな総二郎に声を掛けた。
「西門さん、根負けしました。
お付き合いの件、お受けします。」
総二郎は、車を運転しながら、優紀から言われた言葉に、一瞬、何の事を言って居るのか分からなかったが、優紀が総二郎を見詰めて来る瞳(め)を見て、総二郎は理解した。
総二郎は、路肩に車を止めて、優紀を見詰めながら、もう一度、確認する様に、優紀に言わせていた。
「優紀、運転しながらだったから、良く聞いて無かった。
もう一度、言ってくれ‼」
優紀は、態と、総二郎の運転中に言って居たのだ。
“聞いてくれて無くても良い。”と…。
「西門さんには、根負けしました。
お付き合いの件、お受けします。」
「優紀、本当に良いんだな‼
よっしゃー!」
総二郎は、ガッツポーズをした。
「つまりは、今日から、否、今から、優紀は、『俺の女』だよな。
やっと、だぜ‼
有難な、優紀っ‼」
優紀は、“クスクス”笑っている自分自身に、心の中で、驚愕していた。
こんな日が来るとは、優紀は、思わずに居たのだから、仕方なかったかも知れない。
そして、直ぐ様、類に連絡を入れた総二郎だった。
「類、優紀が、やっと、俺を受け入れてくれたわ‼」
“そう、良かったじゃん‼”
「有難な、類っ‼」
“まあ、総二郎の頑張りじゃない⁉
良くまあ、自暴自棄に成らずに頑張れたじゃん‼
いつ、切れるかと、冷や冷やしてたけど…ね⁉”
類に言われた言葉に驚愕の総二郎で有った。
「はぁ~??」
そして、直ぐ、類からLINEでF2&T3に報告が入った。
『総二郎から、報告が有るらしいよ。』
『優紀が俺を受け入れてくれた‼』
『ほぉ~、良かったな‼』
『やっとかよ‼
長かったな‼
どれ位、掛かった?』
『正確に言えば、1年半位ぇか。』
『良かったですね。
優紀さんが受け入れてくれて…。
もう、ダメかと思ってましたわ。』
『桜子、縁起でもねぇ事言うなよ(怒)。』
『まあまあ、総二郎、許せぇ~‼』
『あきら、しっかり、教育しろよ‼』
『信じられません。
西門さんの言葉とは思えませんわ?』
『優紀、ほんとに、西門さんで良いの?
許して良いの?』
『おい、牧野、優紀が良いって言ってんだよ。
揉める様な事、言うんじゃねぇよ‼』
『つくし、心配掛けてごめんね。
悪役を遣らせてごめんね‼
大丈夫だよ‼
この1年ね、西門さん、女性と遊んで居ない様子だし、“『3回ルール』は返上
した。”って、言ってくれてるし、私に尽くしてくれたから…。
根負けした感は有るんだけど…⁉』
『じゃあさあ、優紀と再会してから、
優紀の事を知るまでの半年間は如何なのよ?』
『優紀と再会してからもしてねぇよ‼
する訳ねぇだろ‼
優紀を振り向かせる事に必死だったのによ。
復活してたら、親父とお袋が容赦してねぇだろ‼』
一同、納得していた。
取り敢えず、集まる事に成り、久々に、F4&T4会が招集される事に成った。