好きなのに…(続編)<総優> 3.
【恋人 編】
桜子の祖母さんがそれ程の影響が有ると思っていなかった総二郎と優紀は、びっくりというよりも、ひっくり返りそうな程、びっくりしたので有った。
「三条の大奥様に会って、挨拶でもして来いよ、総二郎。」
「だな。
俺達を大切に思ってくれているなら、挨拶は要るな。」
家元夫人は間髪入れず、“総二郎の為じゃない”と、付け足すように総二郎に言った。
「あら、総二郎じゃなくて、優紀さんを大切にしていらっしゃるのよ、三条の大奥様
は。」
「「………」」
総二郎だけじゃなく、優紀も何も言えなかった。
そんな総二郎の両親との会話の後、数日後、三条の大奥様という桜子の祖母さんとのアポが取れたので、総二郎は優紀と会いに行った。
「あら、西門さんもご一緒だったんですね。」
と、桜子の連れない言葉。
総二郎は如何でも良い、おまけみたいなものかと、言いたい気分であった。
桜子の祖母さんの部屋という大広間に案内された。
「まあ、お持ちして居たのよ、優紀さん。」
此処でも、総二郎はおまけらしい。
“この俺がだぞ。”と、言いたい総二郎であった。
総二郎は、いい加減、如何でも良くなっていた。
総二郎は、昔の行いを忘れてしまっているようであった。
優紀は今回の訪問の件に関して、優紀から切り出した。
「家元夫人から、お祖母様が私の後見人になって下さると、伺いました。
宜しかったのでしょうか?」
「つくしさんもそうですけど、私(わたくし)は優紀さんを孫のように思っているのよ。
他人行儀な事は言わないで頂戴。
私(わたくし)は可愛い孫の為にしているのよ。」
優紀は涙を流しながらお礼を伝えた。
「有難うございます(泣)。
このご恩は一生忘れません。」
桜子は笑いながら…
「そんな大げさな…。
優紀さんは私の親友でしょ。
もしかしたら、お祖母様の孫なら、私の従姉妹かしら(爆笑)。」
優紀は恐縮しながら…
「………桜子さん‼」
桜子のお祖母様は付け加えるように、総二郎に話して聞かせた。
「あっ、それと、総二郎さんに伝えて於きたい用件が有るの。
総二郎さん、優紀さんの後ろには私(わたくし)が居るという事をお忘れなく…ね。
何時でも、お痛した時は、私(わたくし)が成敗しますから、そのおつもりで…ね。」
「肝に銘じさせて頂きます。」
総二郎は優紀の後ろ盾は大きな存在で有るという事を認識していた。
桜子も間髪入れずに…
「序に言うならば、今回、優紀さんとお付き合い出来たのは、誰のお陰かお分かりです
よね?」
「桜子の功績には感謝している。」
「それだけですか?
F3も心配して、手助けして下さっていたんです。
お礼を言わないで如何するんでしょうか?」
「………」
桜子は容赦なく追及する。
「後、優紀さんが悲しむ事が有ったら、何時でも、『女策士桜子』が登場しますので、そ
のおつもりで…。」
「………」
総二郎は前途多難だと、思わずにはいられなかった。