切な過ぎる二人…<総優> 9.
<総二郎side>
俺は、休みの日に、久し振りに優紀に会いに行った。
優紀にTELを掛けた時、大層、喜んでくれた優紀だった。
「優紀、今度の土日休みなんだ‼
優紀に会いに行くわ‼」
“本当に休み何ですか?
無理矢理、休みにしたとか…?”
「お前さぁ、旦那に成る男の言う言葉も信用出来ねぇのかよ…?
俺に会えるって、嬉しくねぇのかよ?
俺、ほんと、優紀の言葉に自信失くすわ‼
此れでも、嘗ては、『プレイボーイ』の異名を取った男だけどな…?
優紀の前じゃあ、それは、ねぇも当然だよな(笑)?」
“………。”
「………、優紀っ‼」
“それって、今でも、そう言う事を遣っているって意味ですか?”
「おいおい、勘違いすんなよ⁉
嘗て、だろ?
か・つ・てっ‼
今、遣ってたら、優紀は、俺を許さねぇだろ?
俺には、優紀が居るのに…。
俺は、そんな男じゃねぇよ‼
信用しろよっ‼」
“………。”
「優紀、分かった。
信用出来ねぇなら、俺は、“優紀だけだ‼”って言う事を、土日で見せて遣るよ‼」
俺は、慌てる様に、言って除けていた。
ほんと、TELだけだと、相手の顔も見えねぇし、声で判断する事の難しさを改めて知った俺だった。
司の4年間の頑張りに、心の中で、司に称賛の意を送っていた俺が其処には居たのだった。
何故なら、1年でギブアップ気味の俺が居たのだから…。
<優紀side>
私は、西門さんの言葉が信用出来ないんじゃない。
唯、今までの女性と比べられるのが嫌なだけだった。
そう思えば、つくしは4年も、道明寺さんと会えない中、“良く、堪え切れて居たなぁ~。”と、思う。
端で、そんなつくしを見ていた筈なのに…。
全く、そんな辛そうな場面を見た事が無かった。
つくしと比べれば、“堪え性の無い私なのだ。”と、思う。
何故なら、1年でギブアップ気味の私が居たのだから…。
<総二郎side>
約束の土日が遣って来た。
俺は、久々に優紀と会えると、思うと、にや気顔が治まらなかった。
否、元に戻す必要も無いと思っていた。
この時までは…。
俺は、優紀の住まいを知っていたので、そのまま、優紀の住まいに向かった。
そして、にや気顔のまま、優紀の家のベルを鳴らした。
「は~いっ‼
痛っ‼」
優紀は、慌てて、インターフォンに出た様で、“何処かで、足でも、ぶつけたのだろう⁉”…。
叫び声が中から聞こえて来た。
一瞬は、ビビった俺だったけど…。
「俺っ‼
如何した、何が有った?」
「あっ、ごめんなさい‼
ぶつけちゃっただけ…えへへっ。
今、開けるね‼」
ほんと、何時も、心配させられるのは、俺って…か?
司もそんな事を、良く言って居たよな⁉
優紀が扉を開けた途端、俺は優紀を抱き締めた。
『優紀、分かった。
信用出来ねぇなら、俺は、“優紀だけだ‼”って言う事を、土日で見せて遣るよ‼』
俺が、TELで言った言葉が『嘘』か?
今日、実証して遣るよ‼
優紀、覚悟して於けよ‼