やっぱり、私は…<つかつく> 20.
<司side>
俺は、ババアの挑戦状を受けて立つ事にした。
つくしの成人式の為…に。
俺が、日本に帰国するまで、西田と此のプロジェクトの作戦を立てて居た。
俺が、日本に帰国して居る間は、西田は、NYに残る予定だ。
進歩状況を踏まえて、俺に随時連絡が入る事に成って居る。
ババアとの約束を果たす為、俺は、ぜってぇ、此のプロジェクトをモノにして遣ると誓っていた。
<椿side>
私は、つくしちゃんの成人式の準備の為、日本に帰国して来た。
やっと、この日が来たのよ。
“何と、清々しいのかしら…。”と…。
そんな事を考えながら、日本の地に降り立った。
世田谷の道明寺邸に着いたら、もう既に、つくしちゃんは、邸に着いて居た。
そして、私は、つくしちゃんとディナーを楽しみ、つくしちゃんに晩酌も一緒に付き合ってもらって、寝るまで、私は、つくしちゃんと語り合った。
「つくしちゃん…。
此れからは、つくしちゃんは、もう、私の家族よ‼
お父様とお母様が、つくしちゃんを司の婚約者に認めたの‼」
「ええっ~??」
つくしちゃんは、盛大な声で、叫んでいた。
そのつくしちゃんの声に、我に返った私は、お母様に言われた言葉を無にしてしまった事に気付いた。
“つくしさんは、まだ、私(わたくし)達夫婦が、つくしさんを司の婚約者と思って居る
事を気付いて居ない様ね。
困った娘だ事…。
椿、つくしさんが気付くまで、この事は、黙って於いて頂戴…‼”
ああ、遣ってしまったらしい…。
「椿お姉様…⁉」
「まあ、そう言う事。」
もう、誤魔化しようが無い…‼
仕方ないか⁉
“今日は、もう遅い‼”と、私は、誤魔化す様に、私とつくしちゃんは、自分達の部屋にそれぞれ入って行った。
<つくしside>
私は、椿お姉様の言葉をしっかりリピートしてしまい、眠れずに居た。
『つくしちゃん…。
此れからは、つくしちゃんは、もう、私の家族よ‼
お父様とお母様が、つくしちゃんを司の婚約者に認めたの‼』
確かに、お義父様とお義母様には、私を認めて下さった事は有難いと思って居る。
でも、『司の婚約者』とまで、認めて下さったとは…‼
思いも寄らなかった。
私は、結局、眠れず仕舞いで…。
私は、寝不足な顔で、朝を迎える事に成ってしまった。
<タマside>
あたしゃ、つくしの寝不足の顔を見て、昨日の椿お嬢様とつくしとの会話を思い出していた。
多分、坊っちゃんとの婚約の事に言及した椿お嬢様の言葉に、眠れずに居たのだろう。
こんな事で、“将来の『道明寺夫人』が務まるのかね?”と、些か、不安に成っていた。
案の定、椿お嬢様が、ご準備されたエステの間中も、寝てしまったつくしは、その後も、昼寝をした様子だった。
夕方頃、起きて来たつくしは、申し訳無さそうに、椿お嬢様とあたしに詫びを入れて来た。
「申し訳ありません。
寝てしまった様で…。」
「良いのよ、つくしちゃんっ‼
もう、此処は、貴女のお家(うち)同然なんだから、気兼ねしないで…。」
「つくし、こんな事で、将来の『道明寺夫人』が務まるのかい?」
つくしは、盛大な声で、叫んでいた。
「ええっ~??」
「つくし、煩いよ‼」
つくしは、項垂れる様に、俯き、詫びを入れて来た。
「すみません。」
ほんとに、大丈夫だろうか?
あたしゃ、更に、不安感を募らせていたのだった。