君だけ(を)…<総優> 3.
<一部の言葉に不快に成られる方がお出でに成るかも知れません。
此の二次小説に於いて、重要な場面の為、外す事が出来ませんが、お許し下さいませ。
お詫びします。>
<総二郎side>
俺は、家元夫人に会う為、実家(西門邸)に向かって居た。
「家元夫人…。
貴女は、優紀に何をした…?」
俺は、相当、怒って居たので在ろう。
当然では有るが、俺は、般若の様な顔付きをしていたのかも知れねぇ。
母親が、一歩、後ろに後退したのが分かった。
「何を仰ってるのか、訳が分からないわ?」
「ほう…?
ネタは、上がってんだ‼」
「優紀さんから、何かお聞きに成ったの?」
やっぱり、あんたじゃねぇか?
犯人は…?
「優紀からは、何も聞いちゃあ居ねぇよ。
優紀が居なく成った。
何処に、優紀を隠した?」
「私(わたくし)は、存じ上げませんわ?」
「何を、言ってんだぁ~?
何故、白を切る必要が有る?
優紀を出せ‼」
俺は、剣幕で、母親に言って居た。
今まで、母親は、俺の事を冷静に物事を起こす人間だと思って居たのだろう?
こんなに、俺が、感情を露わにしたのも、大声を出したのも…。
高校の頃に、優紀に俺の本性を暴かれた、あの時以来だった。
驚愕した母親が其処には居た。
もう、俺の頭の中で、プチっと、音がした…様な気がして。
俺は、キレてしまった。
「もう、如何でも良いわ‼
兄貴も西門から、出たんだ。
俺も出て良いよな?
西門流 次期家元の座は、巧三に譲るわ‼
もう、俺は、西門流とは、何も関係ねぇから…よ。」
「………」
母親は、驚愕の余り、何も言えずに居た様子だった。
俺と言えば、家元夫人にそう言って、西門邸を出た。
<優紀side>
私は、ある町に着いた。
PCで調べて、岸壁の画像を見て、“此処が良い…。”と、思って来た場所だった。
そして、その場所を目指した。
そんな時、お腹の中で自分自身を主張するかの様に、私は、気分が悪く成った。
多分、悪阻だろう事は、分かった。
「ごめんね、ダメなママで…。
でも、もう、無理なの?
あなたを如何にかする事も出来ない。
なら、一緒だと、許してくれるでしょ?
ごめんね…‼」
そう言って、お腹を撫ぜ乍ら、飛び降り様として居た時、後ろから、おばあさんらしき方の声がした。
「ちょいと、お嬢さん、そんな所に居たら、危ないだろ?
こっちにお出で。
わたしゃ、怪しいものじゃないよ。
この近くで産婆をしてるんだよ。
わたしゃ、それ以上、そっちには、行けそうにないから、あんたからこっちにお出
で。
話しを聞いて上げるから…。」
そう言われて、涙と共に、私は、其処にしゃがみ込んでしまった。
そして、私は、おばあさんの傍に行き、話しを…。
自然と、高校生の頃からの私の現在の状況まで全てを話ししていた。
何故か、話しやすかったのかも知れないが、話しをする事が出来て、私は、落ち着きを取り戻せていた。
「じゃあ、私の助産院で、雑用などの仕事をしてもらえるかな?
住み込みで…。
如何かな?
お腹の子は、うちで産んで育てれば良いさね。」
私の本当のおばあさんの様に、優しく接してくれるおばあさんの姿に、“甘えても良いのかな…?”と、思ってしまった。
そして、あれから、1年が経った。
私は、男の子を産んだ。
名を、『優一郎』と、名付けた。
今は、まだ、産まれて直ぐなので、本人も、この状況を分かって居ないだろうけれど…。
いつかは、父親の事を話さなければいけない日が来るだろう。
今は、先生や、助産師さん、看護師さんに、良くして頂いて居るだけ、私は、幸せなんだと思う。
あの日、亡くなっていたかも知れない2つの命を、私は、先生に寄って、救って頂いた。
本当に、『lucky』だったんだと、思う。
だから、親は、私だけの片親だけど…。
この息子(こ)を立派に育てようと思って居た。