婚約記者会見【忘れ欠けていた】…<総優> 前編
総二郎と優紀は、あれから、お互いの両親、花沢家にも、認めてもらって、恋人として付き合いは進行していた。
付き合いを認めてもらったという、安心感=油断が、総二郎には有ったのかは分からないが…。
総二郎と優紀が、デートをして居る所をすっぱ抜かれてしまった。
と言う寄り、『Twitter』で挙げられてしまい、ワイドショーでは、総二郎と優紀の付き合いをTV放映する程だった。
F4の4人は、芸能人・モデルでもないのに、芸能人以上に、ゴシップ誌に掲載されたり、パパラッチに追い掛け廻されたり…。
と、デートもまま成らない状態だった。
今までの遊びの女性となら、すっぱ抜かれても、総二郎の両親も無視処か、“有り得ない。”と、コメントをする程、関心が無かった。
どんなに相手方が、仕掛けようとも、一切、乗る事もしなかった。
だが、今回は、訳が違う。
しかも、優紀の叔父は、類の父親。
家元にとっても、息子の幼馴染で親友の類の父親 孝の姪っ子に当たる。
粗相は出来ない。
メープルのラウンジのVIPルームに、類の父親 花沢孝、そして、孝の息子の類、家元の息子の総二郎を呼び出した家元は、この度の件に関して、相談する事にした。
先ずは、総二郎の粗相を詫びた家元だった。
「孝、類君、この度の総二郎の粗相は、申し訳ない。
騒がせているね。」
「否…?
優紀が、私の姪っ子で在ると言う事を、世間では、知っている人は少ないから、私は、
何も言われて居ないが…?」
「俺も、優紀が、俺の従兄妹という事は、世間では、知られて居ないみたいだから、大丈
夫ですよ。」
総二郎からも、詫びを入れた。
「おじさん、類、申し訳ありません。
油断してました。」
類には、総二郎が、偉く神妙で居る事に、吃驚していた。
また、孝からも、嗜められていた。
「総二郎君、まあ、気を付けてもらうに越した事は無いだろう?
それに、優紀は、まだ、幼稚園教諭の仕事を続けて居る。
もう直ぐ、退職予定とは聞いているが…?
優紀は、ああいう娘(こ)だ。
幼稚園側に迷惑を掛ける事は嫌がるだろ?」
「はい、申し訳ありません。」
総二郎は、素直に謝るしかなかった。
其処で、家元は、話しを進める為、相談事を持ち掛けた。
総二郎の父親の修一郎と、類の父親の孝で、話しがどんどん進められていた。
其処には、総二郎も類も、話しには、加わる事が出来なかった。
唯、進められる話しを、じーっと、聞いて居るだけだった。
家元から、話しが為されていた。
「其処で何だが…?
婚約記者会見を開こうと思う。
其処に、優紀さん側として、孝と類君にも、立ち会ってもらいたいと思って居るんだ。
如何だろうか?」
「そうだな。
対処は、早いに越した事は、無いだろ?」
「で、記者会見の日にちだが…?
大安の日で良いだろうか?」
「優紀の出席は、如何するんだ?」
「矢面に出てもらうには、まだ、早いだろ?
如何だろうか?
私達 4人と言うのは…?」
「そうだな。
その方が良いだろう?」
「孝、申し訳無いが、優紀さんの親御さんにも、伝えて於いてくれるか?」
「承知した。」
これで、総二郎と優紀の婚約記者会見の話しの件が、父親同士の間で、整った。
婚約記者会見の日にちは、2週間後の大安の日という事に成った。
マスコミには、西門家・花沢家の連名でFAXが送られた。
しかし、連名者の名前が、『花沢』だった事から、また、此の2週間の間、憶測を呼んでいたのは、言うまでも無かった。
<短めで、申し訳ありません。>