出会ってしまった…<つかつく> 14.
<司side>
俺は、牧野を離して遣れねぇ事を悟った。
牧野は、俺のダメ出しにも、仕方なく了承して来た。
「今日は、もう、約束してしまって居るので、断れません。
ですが、此れからは、出来るだけ…。
専務にもご相談致します。」
「今日の『コト』は、分かった。
だが、此れだけは、聞かせくれ‼
親友ってのは、男か?」
「いいえ、大学の後輩と、中学生の頃からの私の親友です。
何れも、女性です。」
「そうか、なら、行って来ても良い。
だが、此れからは、飲みに行く時は、男が居る所はダメだ‼
特に、類と二人っきりで行くな‼」
「じゃあ、F3ともダメって事ですか?」
「あいつ等となら…⁉
俺が居る時なら良い。」
俺は、最も過ぎる位ぇの言葉を、牧野に伝えていた。
<つくしside>
ほんと、専務は、横暴、傲慢男だ‼
でも、何故だろう?
専務の辛そうな、寂しそうな、私に縋る様な顔付きと、辛そうに話す口調に、何も反論出来ない私が、其処には居た。
私は、そんな強引な専務を許してしまう自分自身に、驚愕するしかなかった。
<司side>
俺は、勢い余って、牧野に告白した。
「牧野…?
俺とは、上司と部下としての付き合いだけでは無く、真剣に俺と恋人として付き合って
くれねぇか?
ダメか…?」
「………」
俺は、牧野の沈黙が凄ぇ怖かった。
否、断られる事を恐れている俺が居た。
だが、牧野は、そんな俺に質問して来た。
「如何して、私、何ですか?
専務なら、モテる筈ですし…?
私じゃなくても、“付き合って欲しい。”と、仰るご令嬢は幾らでもいらっしゃるのでは
無いでしょうか?」
「ああ、確かに、俺はモテる。
此の美貌だ‼
其れは、仕方ねぇ‼
しかし、俺がお前じゃねぇとダメ、何だ‼
他には、誰も要らねぇ‼
お前が良いんだ‼」
「私は、何も持って無いですよ‼」
「お前が、持って無くても、俺が全て持ってるから、其れで良い。
お前が、お前なら、其れだけで良い。」
牧野は、驚愕しているみてぇだった。
<つくしside>
私は、『空いた口が塞がらない』状態を初めて知ったのかも…と、思う程、吃驚していた。
でも、言わなければイケない事は、言おうと思った。
専務に誤解させては、失礼だと思った。
「専務のお気持ちは凄く嬉しいです。
でも、まだ、専務と私は、知り合って、1ケ月です。
先は、分かりません。
これからだと思うんです。
現在の私の気持ちは、専務が私を想って下さって居る10分の1しか…。
いいえ、それ以下の気持ちしか無いかも知れません。
所謂、今はまだ、上司としての『尊敬の念』位しかないと思います。
それでも、専務は、大丈夫、何でしょうか?」
<司side>
俺は、牧野の言葉に、一瞬、ムカ付いた。
しかし、俺が、牧野の言葉を了承しなければ、先がねぇなら、了承するしかねぇだろ?
だから、了承した。
「分かった。
後の残りの『9』は、此れからの俺を見て、足して行けば良いだろ?」
俺は、牧野を見ながら、喋っていた。
牧野の顔が、一瞬、微妙な顔に成って居た。
“俺、間違った事、言ったか?”
俺は、牧野の顔付きを見て、少し、不安に成ったが…。
先を進めて、話しし出した俺だった。
「だから…よ。
お前が、俺を恋人として、振り向いてくれる様に、俺は、頑張るから…よ。
俺と付き合ってくれ‼」
で、その後の牧野の言葉に、俺は驚愕するしかなかった。
「では、先ずは、3ヶ月のお試しと言うのは、如何でしょうか?
その後の判断で、その先を決めると言うのは…、有りですか?」
「はぁ~??」
俺は、項垂れた。
しかし、それを了承しなければいけねぇなら、仕方ねぇと、俺は、判断した。
「分かった。
それで良い。
しかし、お前の言う其の3か月後、俺と付き合うと成ったら、その後は、ぜってぇ、俺
は、別れねぇからな⁉
牧野…。
覚悟して於け‼」
牧野は、頷いて見せてくれた。
俺は、其れを了承と見做し、牧野を俺に引き寄せて、俺は、牧野を抱き締めた。
牧野は、俺の身体にぴったり沿う。
俺仕様の女だと、更に思えた。
抱き心地最高‼
更に、俺は、“牧野を離さねぇ‼”と、誓っていた。