出会ってしまった…<つかつく> 16.
<つくしside>
だった筈なのに、私と優紀と桜子の3人が、カジュアルレストランから出た所で、専務は、長い腕を組んで、長い足の踵の所で足を組んで、専務の愛車らしい車に、凭れて立っていた。
場所は、言ってなかった筈なのに…。
何故、分かったのだろう?
まあ、大方、SPさんからの報告で有ろう事は理解出来たが…。
「牧野、迎えに来て遣ったぞ‼」
優紀は、驚愕していた。
“生、道明寺さん…‼”と、囁いて居る言葉が、聞こえて来た。
桜子は、知っているのか?
専務に直接、声を掛けていた。
「道明寺さん、ご無沙汰しています。」
「ああ、三条だったのか?
これからは、牧野の彼氏として宜しくな‼」
私は、“言っちゃった…⁉”と、驚愕しかなかった。
桜子からは、私はガン見されていた。
で、驚愕の言葉を私は、桜子から、聞いてしまった。
「先輩、此れは、F3にも、言わなきゃですよね?
伝えますよ?」
私は、“ヤバい”と、思って居るのに…。
専務は、飄々と言って除けていた。
「ああ、言って良いぞ‼
何だったら、全員、呼び出して、報告会するか?」
私は、思わず、上司で在る専務にタメ語で返答してしまった。
「はぁ~??」
なのに、専務は…。
「何で…?
俺とお前は、付き合ってるんだろ…⁉
良いんじゃねぇの?」
もう、専務を抑える事は、“私には無理だ‼”と、思い、専務を引っ張って運転席に乗せ、私も助手席に乗り、車を出す様に伝えた。
優紀と桜子は、そんな私の早業に、『空いた口が塞がらない』状態の様子だった。
此れは、飛んでも無い事が起こる予感を醸し出していた。
所謂、“前触れかも…⁉”と、思うしかなかった状況だった。
<司side>
俺は、牧野に、俺の愛車に乗車させられる成り、牧野から悪態を付かれていた。
「何で、あんな事を優紀と桜子の前で言ったんですか?」
「ほんとの事だろ?」
「先ずは、お試しで3か月だけ何ですから…。
普通、付き合いが成立してから報告すべきじゃないですか?」
俺は、牧野が言って居る言葉を否定して遣った。
「俺は、端から、3か月で終わるつもりはねぇよ。
其れ処か?
ぜってぇ、お前を一生、俺の女(もの)にする気、満々だぜ‼」
牧野は、唖然とした顔付きに成ってやがる。
だから、信号待ちしている時に、軽~く、触れるだけのkissをして遣った。
牧野は、其れにも、驚愕してやがる。
俺は、運転しながら、“何…⁉”って、顔で、牧野を見て遣った。
ほんと、可愛い奴だよな?
やっぱ、俺は、こいつが良い‼
そして、あれから、数日が経って、例の企業との提携に向けての、提携合意の調印式が行われる事に成った。
社長が同席する事に成って居たので、ババアが、日本に帰国して帰って来た。
牧野は、ババアに初めて会うらしく、緊張している様子だった。
“将来の母親に成るんだろ⁉”と、俺は、言うつもりだったが…。
牧野の余りの緊張度合いに、“プレッシャーに成っては…。”と…。
伝える事を避けた。
そして、無事、調印式は、終了した。
これからは、俺と牧野の協同の仕事が進行する事に成る。
俺は、わくわく度が抑えられずに居た。
だが、しっかり、ババアからは、釘を刺された。
「司…。
会長から、伝言を言付かって来ました。
『余り、暴走する様なら、司をNYに戻す。』と…。
これからは、肝に銘じて行動しなさい。
宜しくて、司?」
「ああ、分かった。」
で、俺は、ババアから…。
否、親父から、条件を更に出された。
「この案件を無事、遂行出来た様なら…。
会長が、司を正式に日本支社 支社長に任命為さるおつもりの様よ‼
失敗すれば、何もかも、無かった事に為さるおつもりの様ね?
司と西田だけ、NYに戻すおつもりのご様子だったわね。
勿論、二度と、日本にも、帰国させるおつもりは無い様ね?
司次第って、所かしら…。
まあ、精々、牧野さんを傷付けない様に為さいな‼」
俺は、ババアの言葉にムカ付きはしたが…。
“ぜってぇ遣り切って遣る‼”と…、更なる誓いを立てていた。