出会ってしまった…<つかつく> 18.
<つくしside>
美作さんからは、ニヤ着かれて言われていた専務だった。
「所謂、司の一目惚れだったっつー事だろ?」
「ああ。
俺が、先に、好きに成った。」
「ほう、良くもまあ、牧野が気付いたな?」
私は、心外とばかりに、言って除けていた。
「それ、如何いう意味?」
西門さんにまで、私は、揶揄われていた様子だった。
「だって…よ。
牧野は、『鈍感 牧野』だろ?」
「はぁ~??」
私の驚愕の言葉は、皆から、スルーされた。
が、美作さんが、苦笑しながら、皆の代弁を、私に言って来た。
「だから…よ。
良くもまあ、“牧野が司の気持ちに気付いた…な‼”って、思ってよ?」
「………」
私は、何も、答える事は出来ずに居た。
そして、私は、更に、驚愕顔で、F3&桜子を見詰める事しか出来ずに居た。
<司side>
俺は、あいつ等 F3から、聞くまでも無く、牧野が、『鈍感』だろう事は、認識していた。
俺の気持ち自体に、気付きもしてねぇみてぇだったから…よ。
だから、俺は、F3&三条の前で言って遣った。
「俺から、告白するまで、牧野は、俺の気持ちに気付いて無かったぞ‼」
あきらが、納得した様に言って来やがった。
「やっぱり…か?
だろうと思ったぜ‼
牧野自ら気付くって事は、先ず、ねぇよな?」
類も、賛同してやがった。
「ほんとだよ。
俺の気持ちにも、全然、気付いて無かったもんね。
俺が、牧野に告白しても…。
“またまた、冗談でしょ?”って、言われたしね。
あの時は、ほんと、傷付いたよ‼」
俺は、心の中で、“マジか?”って、成って居た。
其処まで、牧野は、鈍感だったとは…?
大概だろ?
まあ、其のお陰で、俺は、牧野を射止められたんだから…。
牧野が、『鈍感』だという事も、万々歳だな‼
そう思って居た時、あきらから、声を掛けられた。
「で、牧野は、司の秘書に成ったんだろ?
それって、公私混同だろ?」
俺は、間髪入れずに、あきらの言葉に反論して遣った。
「否、仕事中はねぇよ。
ったりめぇだろ‼
だがな、此れからは、俺の執務室だったら、kiss位ぇは有るかもな?」
俺は、態と、牧野の方を向いて言って遣った。
牧野は、完全に、動きが止まった。
驚愕処じゃねぇみてぇだな?
あきらと総二郎からは、口笛を吹かれていた。
「「ヒューっ‼」」
総二郎は、俺と牧野を揶揄い出した。
「此れは、道明寺HDに行かねぇとな‼
いつ、司と牧野がkissしてるか?
見ものだな?」
「………」
牧野は、何も答えず、唯、総二郎を睨んでやがる。
別に良いんじゃねぇの?
俺は、構わねぇけど…。
で、そんな日々が、続いて居た頃、約束の3ヶ月が経った。
俺と牧野とは、上手く遣れて居ると思う。
勿論、仕事も順調‼
公私混同せず、俺と牧野とで、プロジェクトを熟していた。
それに、プライベートも出来るだけ、俺と牧野は、一緒に居る様にした。
俺は、牧野と一緒に、朝から晩まで居たいという気持ちを隠さず、牧野に、言って居た。
「同棲しねぇか?」
其れに対して、俺は、牧野から言われていた。
「3ヶ月経つまでは、正式なお付き合いじゃないので、一緒には、住めません。」
俺は、本来は、直ぐにでも、牧野と一緒に住みたかった。
所謂、『同棲』って、やつだ。
だから、俺は、いつ一緒に住んでも良い様に、マンションは用意していた。
それに、俺と牧野は、まだ、そう言う関係じゃねぇ⁉
牧野は、“『お試しの3ヶ月』という期間に拘りでも有んのか?”って位ぇ、『3ヶ月』というキーワードに拘ってやがる。
だから、俺は、敢えて、焦らねぇ振りをして来た。
しかし、俺の本来の心の中は、『焦り』という言葉で一杯だった。
だから、今日は、執務終了後、俺は、牧野を誘うつもりで居た。
願わくば…今日こそは⁉
そんな下心を胸に、牧野を誘ってみた。
「牧野、今日、ディナーに行かねぇか?」
牧野は、ぴくっとして、微動だにしなく成った。
牧野の其の態度は、如何いう意味、何だ?