好きなのに…(続編)<総優> 6.
<オリキャラが出て来ます。 不快になられた方にはお詫び申し上げます。>
【恋人 編】
そんなある日。
優紀に声を掛けてきた奴がいた。
俺が隣に居るのに…だ。
「優紀ちゃん??
久し振りだね?」
「山本さん??
お久し振りです。」
「優紀ちゃん、元気そうだね。」
総二郎は思いっ切り、不快感マックスになっていた。
顔はいつも通りのポーカーフェイスでは有るのだが…。
「優紀、誰だよ。
優紀、お前、女子大だったよな?」
優紀は総二郎の不機嫌さは気付いていないようだ。
「他大学の先輩。
私の通っている女子大は提携大学が有って、其処の大学とはサークルを行ったり来た
り、出来るようになっているの…。
もう、卒業されて、社会人ですよね?」
「ああ。
優紀ちゃん、隣の人、もしかして……彼氏?
優紀ちゃんは彼氏を作らないと、思っていたよ…。」
「………」
私は、総二郎さんしか見ていなかったんだけど…なぁ。←そうだったの、優紀ちゃん??
(誰の声??)
「俺は彼氏じゃねぇ、婚約者だ。」
「えっ??
優紀ちゃん、まだ、大学生だよね?
結婚するんだ?」
「………」
勝手に婚約者にして、大丈夫なの総二郎さん?
「大学生は、結婚してはいけない法律でもあるのか?」
「そうじゃないけどね、優紀ちゃんは、男子のアイドルだったから、結構、モテたんだよ
ね。
皆、がっかりすると思うよ。
それに、密かに、優紀ちゃんを、狙っていた奴が多かったしねぇ…。
“今度、同窓会しよう”って、話しになっててね、優紀ちゃん、呼ぶ予定だったんだ。
そうか⤵、結婚するんだ。」
もう、総二郎のポーカーフェイスも崩れ出した。
優紀はおろおろし始めた。
「お前、俺らの前から失せろ‼」
「お邪魔みたいだから、俺、行くね。
優紀ちゃん、じゃあ、またね。」
総二郎はジェラシーに震えていた。
総二郎は今まで、女遊びの相手だけでは無く、優紀にもこんな思いをさせていたとも知らず、嫉妬に狂っていた。
総二郎にとっては初めての感情だった。
総二郎はこのイラつきを優紀に気付かれたくなくて、優紀を一人で先に帰らせてしまった。
「悪ぃ、優紀、先に帰ってくれ。
少し飲んで帰る。」
「………」
優紀はリムジンに乗せられて帰って行った。
優紀の気持ち等、考えない総二郎は、メープルのVIPルームで一人で飲んで居た。
優紀は3回ルールが復活するんじゃないかと、脅えていた。
優紀が悪い訳では無いから、総二郎の気持ちの中には3回ルールの考えは無かった。
自分自身の気持ちを処理し切れないで居る総二郎は自ら、あきらにTELしていた。
「あきら、今、何処に居る?」
「邸だけど…。
総二郎、お前、普段酔わないよな。
如何した、ぐでんぐでんに酔っぱらって無いか?
何杯、飲んだんだよ…?」
あきらは、普段、どんだけ飲んでも酔わない総二郎だけに、心配になっていた。
「分かんねぇ。
一人で飲んでんだからな。」
「お前、今、何処に居るんだ?」
「はぁ、メープルのVIPルーム、一人で居る。」
「分かった、今行くから、待ってろ。」
あきらは総二郎が心配になり、桜子に話しして、総二郎に会いにメープルに向かった。