Valentine party【従兄妹物語】…<総優> 番外編⑧
<一部の表現に、不快で在ろう言葉が入って居ます。
お詫びします。>
総二郎は、部屋まで歩いて居る間も廊下では、何時もの如く、優紀の肩を総二郎の方へ、引き寄せて、優紀を抱き締めていた。
で、部屋に入り、キーを閉める成り、総二郎は、優紀の背後に周り、優紀を背後から抱き締め、優紀の肩に、しな垂れ掛かっていた。
そして、総二郎は、優紀に甘える様な仕草をし始めた。
優紀は、戸惑った。
そんな、総二郎は、優紀でさえ、今まで、嘗て、見た事の無い総二郎だったからだ。
総二郎自身、普段の総二郎は、優紀の前では、カッコいい総二郎で居たかった。
優紀が、普段、見ている総二郎はクールだった。
優紀の前では、総二郎は、取り乱したり、甘える仕草を魅せたりしなかった。
其れがだ、今、優紀の目の前に居る総二郎は、唯、優紀に甘えている普段とは違う総二郎だったのだ。
本来の総二郎の本音は、優紀と付き合うまでのどんな女にも魅せた事の無かった総二郎だったのだ。
所謂、総二郎の本音は、優紀に甘えてみたかったのだった。
其れが、総二郎のプライドが邪魔して、中々、総二郎は、素直に、優紀に、甘える事が出来ずに居たのだった。
そんな、総二郎を、優紀は、唯、甘えさせて上げていた。
優紀は、優紀の肩にしな垂れて来る総二郎の頭を『撫で撫で』して上げていた。
其の優紀の仕草に、気が良く成って来た総二郎は、優紀に、猫撫で声で、甘えて言って来たのだった。
普段の総二郎なら、考えられない仕草だった。
「優紀、ベッドに連れて行ってくれ‼」
優紀は、吃驚していた。
結局は…、“いつも通り?”と…。
だが、総二郎は、唯、優紀に甘えて居たかっただけなのだった。
優紀の戸惑いは、更に、頂点に成って居た。
優紀は、取り敢えず、背後から総二郎に抱き着かれたまま、総二郎を、引き摺る様にベッドに連れて行った。
そして、優紀は、総二郎をベッドに寝かせた。
で、総二郎が、眠りに堕ちそうに成って居たので、ジーパンのホックを外し、ファスナーを下ろしていた。
ジーパンを履いたままで寝るのは、寝苦しいだろうと思う、優紀の配慮からだった。
しかし、其れに気付いた総二郎は、優紀の腕を掴んで引っ張り、総二郎の胸元辺りに優紀を引き寄せ、抱き締めた。
丁度、仰向けに成って居る総二郎の胸元辺りに覆い被さる様に、優紀が抱き締められている格好に成って居た。
優紀は、息苦しくて、総二郎の胸元辺りで、もがこうとするも、寄り一層、逃げられない様に抱き締められていた。
総二郎は、気持ち良さそうに、優紀を抱き締めていた。
普段から、それ程、口数が多い方の二人(総二郎&優紀)では無い。
だが、この時は、寄り一層、口数は少なかった。
だが、総二郎は、満足そうに、優紀を抱き締めて、本格的に『眠りの世界』に入って行った。
そんな、総二郎が、“可愛い‼”と、心の中で、思う優紀だった。
普段には無い総二郎だけに…。
“こんな総二郎さんも居たんだぁ~‼
再発見‼”
と、密かに、心の中で、ほくそ笑んで居た優紀だった。
そして、総二郎の腕の力が、緩んだと同時に、優紀は、そーっと、総二郎の腕の中から、ベッドに転がった。
其れと同時に、総二郎は、優紀の背後から、再び、優紀を抱き締めていた。
素早い行動の総二郎に、優紀は、思わず、“起きているのか?”と、思うも、そうでは、無さそうだった。
背後から、総二郎の寝息が聞こえて来たからだった。
優紀は、服のままなので、気に成ったが…。
総二郎に、背後から抱き締められて居て、動けないので…。
優紀も、服のまま、眠りに着いた。
そして、朝に成り、気分爽快で目覚めた総二郎は、何か、忘れて居る様な気がしていた。
そして、頭もすっかり目覚めた時、優紀の寝姿を見た。
そして、気付いた。
否、思い出した。
総二郎は、まだ、『眠り姫』で居る優紀に向かって、言葉を発していた。
「舐めた事をしてくれたな、優紀っ‼」
勿論、総二郎の呟きは、優紀に聞こえるか or 聞こえないか位の声の大きさでは有ったのだが…。
そして、未だ、『眠り姫』で居る優紀を見て居て、総二郎は、思った。
“悪戯をされれば、遣り返さない手はねぇよな?”と…。
そして、総二郎は、優紀に悪戯を開始した。
先ずは、軽くkissから入り、眠って居る優紀の唇を割らせ、深いkissを施した。
息苦しく成って、堪らず、目覚めた優紀は、今、何が起こっているのか?
分からずに居た。
勿論、眠りから覚醒して居ない優紀にとって、もがく事も儘ならなかった。
如何したら良いのか、狼狽えていた。
その様子に、総二郎は、心の中で、ほくそ笑んでいた。
そして、“もう、そろそろ、良いだろう‼”と、総二郎は、優紀の唇を解放して遣った。
そして、言葉を発した総二郎だった。
勿論、総二郎が、怒った(イカった)時のドスの効いた低い声で言われていた優紀だった。
優紀は、いつも以上に、震え上がって居た。
「優紀、舐めた事をしてくれたな⁉
今日は、覚悟して於けよ‼
昨日の分も、たっぷり、堪能させてもらうからよ‼」
そして、総二郎は、言葉通り、優紀を餌食にした。
『Valentineday』の次の日である2月15日は、休みにしていた総二郎だった。
で、総二郎名義のマンションに着いてからも、其の日(2月15日)の昼~夜から其の次の日(2月16日)の朝まで、たっぷり、優紀を堪能した総二郎だった。
優紀は、思って居た。
“こんな事なら、いつも通りの方が良かったかも…⁉
でも、総二郎さんの可愛らしい一面を見れた事は、日頃のご褒美かも…‼
勿論、総二郎さんには、言えないけど…‼”と…。
優紀は、昨日(『Valentineday』の夜)の事は、心の中で、“自分一人だけの秘密にしよう‼”と、密かに思うのだった。