好きなのに…(続編)<総優> 7.
【恋人 編】
「桜子、悪ぃ。
総二郎がぐでんぐでんに酔っ払っているんだ。
普段、紳士に飲む総二郎が酔っ払いって、有り得ないから、心配なんだ。
何か有ったと、思うけど、言ってやって良いか?」
「そうして差し上げて下さい。
って、事は、優紀さんも何か有ると思いますので、優紀さんの事は、私にお任せ下さ
い。」
あきらは自分自身の措かれている立場を不服に思いそうだったが…。
桜子の言葉で、自分を取り戻した。
「俺達って、因果だよな?
何で、こうも頼られるんだろ?」
「仲間意識の強い私達だから出来る仕事、何ですよ。」
「そう、思わねぇと、遣ってけねぇよな。」
桜子は、笑いながら言った。
「うふふ、私は私らしくて良いと、思っているんですが…。」
「桜子らしいよ。
取り敢えず、報告は明日にしよう。」
「了解しました。
じゃあ、明日…。」
そう言って、あきらと桜子は、それぞれ、あきらは総二郎の元へ、桜子は優紀の元へ、別れて行った。
桜子は、優紀にラインを入れた。
『優紀さん、今、どちらにいらっしゃいます?』
『自宅に居るけど?』
『ちょっと、お話し出来ませんか?』
『分かった‼
何処に行けば良い?』
『優紀さんの自宅に行きますね。』
そして、桜子は、優紀から総二郎の拗ねている理由を全て聞いた。
大人げないですよ、西門さん。
今まで、嫉妬される事は有っても、嫉妬させられる事なんてなかったから、優紀さんがモテる事に戸惑っているんですよね。
ほんと、お子ちゃま何ですから…。
初めて見る西門さんの態度に、優紀さんも戸惑っているじゃないですか?
全くもう‼
世話掛けるんだから…。
「優紀さん、西門さんは優紀さんがモテる事に戸惑って、拗ねている子供なんですよ。
仕方ないですよね。
今、美作さんが西門さんの所に向かって居ますので、美作さんが西門さんを諭してくれ
ますよ。
大丈夫ですよ。
もう、そんな、不安そうな顔は止めましょうよ‼」
桜子は、優紀の肩をそっと抱き、そっと優しく頷いた。
優紀は取り敢えず、納得した。