やっぱり、私は…<つかつく> 続編②
<つくしside>
シャワールームから、出て来た司は、いつまでも、不機嫌極まり無かった。
私は、何て言い出そうか、如何しようか?
悩んで、取り敢えず、笑い掛けてみた。
そして、司から、言われた言葉に、驚愕しか無かった。
「つくし‼
お前、日本に帰国するまで、毎日だかんな?
了承しねぇんなら、俺は、執務放棄するからな?
分~ってるよな?」
「はぁ~??」
「嫌なのかよ?」
私は、司の言葉が、驚愕の余り、素っ頓狂な声しか出せなかった。
だからだろうか?
司の顔も声も、私の言葉は、受け付けてくれ無さそうな顔付きに、言葉だった。
“分かってるよな?”と、訊かれて、“分からない。”と、言えないのが、癪に触るけど…。
お義母様の言葉を借りるなら…。
私は、“了承するしかない。”と、悟ったのだった。
だから、了承する事にした私だった。
「分かりました。
お供します。」
「分かれば良いんだよ。
仕方ねぇから、帰国を許す。」
何処まで言っても、『俺様、司様』だわ‼
まあ、私が、居ない間に不機嫌に成られでもすれば、お義母様に何を言われるか、分からないから…。
もう、良しとする事にした。
日本に帰国するまで、私の体力は持つのかな…?
不安しか無い私だった。
<司side>
俺は、シャワールームを開ける瞬間、つくしが、携帯を弄ってるのが、見えた。
多分、T3に、帰国の日取りでも、連絡してるじゃねぇかと、推測した。
だから、思いっ切り、不機嫌に成って遣った。
つくしが、日本に帰るなら、俺は、また、一人で頑張らなくては行けねぇ‼
つくしが、俺の傍に居ない日々は、寂しいに決まってる。
約2ヶ月も、みっちり、つくしが、俺の傍に居る温もりを知ってしまった今の俺としては、“つくしにも、分かるだろ⁉”と、俺は、言いたかった。
寧ろ、“つくしは、俺が、傍に居なくても、寂しくねぇのかよ?”と、言いたかった。
まあ、寂しくねぇ訳はねぇんだろうけど…よ。
“態度に表せよ‼”と、言いたかった。
シャワールームで、そんな事を愚痴りながら、悶々とした気持ちのまま、シャワーを浴びていた。
嫌な気持ちも、考えも、全て、シャワーの湯が、流してくれたら良いのによ‼
そんな事を考えて居たからだろうか?
俺は、俺の心の中の欲望が、声として出ていた。
出てしまったものは仕方ねぇ‼
つくしには、俺の欲望を受けてもらう事にした。
そして、4月6日の朝方まで、俺は、俺の欲望を、全て、つくしに、受けてもらった。
満足はしてねぇが…。
こんなもんだろ‼
まあ、許して遣るよ、つくし‼
<つくしside>
何だか、身体が、怠い…。
ほんと、手加減と言う言葉を知らない男は、容赦ない。
で、私は、お義母様から、用意して頂いたファーストクラスで、帰国の途に就いた。
多分、14hのフライト中、殆んどを寝て過ごしたと思う。
傍には、SPさんも居てくれて居るから、安心して、就寝して居たんだけど…。
“良く寝るなぁ~。”と、思われているんじゃないだろうか?
まあ、良いっか‼
で、成田国際空港に着く成り、道明寺家のリムジンのお迎えが来ていた。
SPさんから、乗車する様に促された。
日本への帰国前のお義母様へのご挨拶で、私は、お義母様からも言われていた。
「司の『Birthday party』で、公に公表した以上、つくしさんには、『道明寺家が認めた
司の恋人』と言うフレーズが、此れからは、いつも、付き纏うの。
肝に銘じなさい。
何処へ行くにも、リムジンでの、送り迎えは、勿論の事。
危機管理は、常に、重要に成る。
SPが、いつも、傍に居る事も慣れて行きなさい。
良いわね?」
「承知しました。
ご配慮に感謝します。」
私は、有り難く了承した。
そして、此れにも増して、お義母様から、驚愕する様な言葉が紡がれていた。
「牧野のご両親には、了承済な事だけど…。
つくしさんには、帰国後は、世田谷の道明寺邸に住まいを移してもらいます。
宜しいわね?」
「はい、有り難うございます。」
もう、決定事項だという事だろう‼
私は、有り難く、全てを受け取る事にした。
“私の身の危険が無い様に…。”と、いう、危機管理の為だという事は、理解して居る。
私も、色々知るうちに、大人に成ったのかも知れない。
“自分自身だけの価値観を人に押し付けてはいけない。”と、いう事を、お義母様から、教わったのだと思った。
私は、“その人の思いの裏に隠されている人の思い(思い遣り)を知りなさいと言う、お義母様からの私への『message』何だろう。”と、漸く理解する事が出来る様に成って来た。
お義母様の傍で、勉強させてもらった事も、また、お義母様の私への愛情の表れなのかも知れない。
否、そうなのだろう。
私は、幸せ者だね。
私は、お義母様に対して、本当に、感謝しかない。
後は、恩返しの為、司法試験現役合格を目指すぞ‼
エイエイ、オォ~‼
fin