好きなのに…(続編)<総優> 9.
【恋人 編】
総二郎は気ばかり焦りながら、走り続けていた。
総二郎はアルコール度数の高いお酒を摂取している事さえ忘れていたので、走り方が変で転びそうになっていたが、それでも、尚、走り続けた。
総二郎は優紀にTELを入れた。
「優紀、ごめんな。
俺、自分の事しか考えて無かった。
今、何処に居る?
迎えに行くから…。」
総二郎は優しかった。
「自宅に居ます。」
「分かった。」
優紀がTELを切った後すぐ、桜子から声を掛けて来た。
「優紀さん、西門さんが迎えに来られるんですか?
良かったですね。」
流石、あきらさん、惚れ直しそう‼ ←by 桜子…心の声
総二郎は到着するなり、桜子に噛みついた。
「あぁ??
何で桜子が居たんだよ?」
「良く言いますわ。
あきらさんと今までご一緒だったんでしょ?」
「ああ。
って、『あきらさん』…?
お前ら、いつの間に…??」
総二郎は怪訝な顔をして、気付いてしまった。
「私達の事は良いんです。
今度、こんな事が有ったら、これだけでは済みませんよ。
良いですね、西門さん?」
「ああ、分かってる。
今回もお前らに助けてもらったな。
気付かせてくれて、サンキューな‼」
桜子は上手く回避出来た。
「分かれば良いんです‼
優紀さんの事、頼みましたからね。
優紀さん、帰りますね‼
じゃあ、また!」
優紀は桜子に、ありったけの笑顔でお礼を言った。
「桜子さん、本当に有難う‼」
桜子は何か聞かれる前に、さっさと、優紀宅から出て来れた。
“ふぅ~、危なかった…‼” ←by 桜子…心の声
バレたかな…と、不安に思う桜子で有った。 ←もう、バレてるよ‼…桜子さん。
(だから! 誰の声??)
勿論、次の日には、全てをあきらに伝えた。
「勘の良い、西門さんだから、もう、バレたかもですが…?」
「まあ、何時かはバレるんだし、総二郎と優紀ちゃんの事が有ったから、バレなかっただ
けだしな。
まあ、次、会う時は覚悟しとかなくては…だけどな。」
「そうですね⤵。」
“はぁ~⤵。” 溜息しか出ないですよ。
「桜子、気にするなよ。」
「分かりました。
気にしてもらって、有難うございます‼」
「ああ。」
次、皆と会う日が恐ろしいあきらと桜子であった。
集中攻撃は免れないだろう…事を。
唯、今回の事で、また、総二郎は『自分の未熟さ』を知れた。
あきらと桜子には、もう、頭が上がらなくなった。
ほんと、どんだけだよ~。
気配り上手なあきらと桜子‼
『サンキューな』