tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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一悶着【Put it back‼~元に戻してくれ‼~】…<総優>  番外編②




【『Put it back‼~元に戻してくれ‼~…<総優>  2.』のエピローグ
 <其の ②  総二郎の怒りの矛先>】


其の後の総二郎の怒りの矛先は、『滋』へと、取って代わって居たのだ。


勿論、総二郎とて、優紀から話しを聞いて、分かって居たのだ。
自身との再会をする前に、優紀が、滋と約束して居た事自体を…。


だが、自身の誘導通りに動こうとし無かった優紀にでは無く、此の時の総二郎は、其の矛先を、滋に向けたという訳…だったのだ。


勿論、滋と優紀が約束したのは、総二郎と優紀が再会する前の事で、滋とて、総二郎から怒りの矛先を向けられたとしても、困るというモノ…だったのだ。



だが、総二郎は、総二郎で、優紀の就活について、事前に、あきらに頼み事をするかの様に話しをして居たのだ。


だからだったのだろう。
優紀の就活について、あきらに言わざるを得なく成り、バツが悪そうに、あきらにも報告して居たのだ。


勿論、あきらは、大笑い…だったのだ。


という寄りも、あきら自身、ホッとして居る節も有ったのだ。


何故なら…。
総二郎からの頼み事は、『優紀を見張る』事…だったのだから…。


だが、後に、優紀の優秀振りを滋から聞いたあきらは、残念がって居た事は言うまでも無かったのだ。



実は、此の当時の優紀は、まだ、総二郎の恋人段階だった事から…。
総二郎のパートナーとして、優紀をパーティーに同伴させる事自体、自身の両親で在る 家元と家元夫人から許されて居なかったのだ。


なので、此の日の総二郎は、経った一人でパーティーに出席して居たのだ。


だからだったのだろう。
此の日の総二郎は、パーティー会場で滋を見付けると、滋に話しを切り出して居たのだ。


「よぉ~、滋…。
 実は、お前に会ったら、言いてぇ事が有ったんだわ。」と…。


だからだったのだ。
此の時の滋は、自然と、総二郎からのそんな挑発的な言葉に乗ってしまって居たのだ。


「はぁ~??
 一体、何よ‼
 何が言いたい訳…⁉」と…。


其処で、此の時の総二郎は、本題に移るのだった。


「何で、優紀の就活に、滋が、絡んでんだよ⁉」と…。


だからだったのだろう。
此の時の滋は、そんな総二郎からの難癖とも取れる言葉に、呆気に取られるかの如く、溜息を吐き乍らも、言い返すのだった。


「はぁ~
 ニッシーは、其の訳を、優紀から聞いて無いの?
 私が、優紀と約束したのは、優紀が、ニッシーと再会する前の事よ‼
 と言う事は、今、ニッシーが私に言って居る話しは、難癖としか言い様が無い。
 そう言う訳だから…。
 私の責任では無い‼」と…。


其処で、総二郎は、自身の優紀への想いを、更に、滋に言って除けるのだった。


「ああ、其の事は、優紀から聞いて分かってる。
 けど…な。
 滋に、優紀を見張る事が出来んのか?
 俺は、滋に言いてぇんだよ。
 良からぬ輩共が、優紀に近付いて来た時…。
 “滋は、そんな輩共から優紀を守ってくれんのか?”って…な。
 だから…よ。
 俺は、実は、あきらに優紀の事を頼んで置いたんだわ。
 其れが、全て、『水の泡』だ‼
 如何してくれんだよ⁉
 言って置くが…な。
 優紀は、『将来の家元夫人』…何だよ。
 其の将来の家元夫人に何か有って視ろ‼
 俺が許さねぇんだから…な。」と…。


だからだったのだ。
此の時の滋は、そう言って来た総二郎を睨み付け乍らも、自身の心の中で思って居たのだった。


“如何言う言い掛かりよ‼
 いい加減にしなさいよね。”と…。


なので、此の時の滋の声は、総二郎への怒りで、1トーン高く成って居たのだ。


「はぁ~??
 だったら、ニッシーが優紀を見張れば良いでしょ‼
 あのねぇ~、ニッシー…。
 変な言い掛かりは付けないでくれるかな⁉
 『大河原グループ』としても、優紀の事は、大切に守らせて貰います‼
 其れで、良いでしょ‼」と…。


だからだったのだ。
そんな言葉が、滋の口から聞けた事で、此の時の総二郎は、満足そうに、滋に言って除けるのだった。


「ああ、宜しく頼むわ。」と…。



だが、そんな話しが有った事を滋から聞いた優紀は、総二郎に怒って居たのだった。


「総二郎さん…。
 滋さんから話しを聞いたんですけど…。
 滋さんに何て事を仰ったんですか?
 滋さんは、怒って居らっしゃいましたけど…。」と…。


だからだったのだろう。
バツが悪いで在ろう 総二郎は、優紀の前で、言葉を濁そうとして居たのだ。


「何の事だ?」と…。


だからだったのだ。
此の時の優紀は、そんな総二郎に呆れ乍らも、更に、話しし始めるのだった。


「私の就職先の事です。
 私の就職先について、滋さんからお誘いを受けた事は、確かです。
 でも、選んだのは私です。
 ですから、滋さんには、何の責任も有りません。
 なのに、一方的に、滋さんの責任に押し付けるだ何て…。
 いい加減にして下さい。
 其れに、私は、まだ、『将来の家元夫人』では在りません。
 パーティー会場で、変な言い掛かりを仰らないで下さい。
 まだ、此の先、如何成るか分からない様な不確かな事を、パーティー会場で仰られれば、
 間違った噂話が、世間に流れるやも知れません。
 ですから、発言には、気を付けて下さい‼」と…。


だからだったのだ。
此の時の総二郎にとって、聞き捨て成らない言葉が優紀から聞こえて来たのだ。
なので、嘗ての冷たいクールな顔付きに変わった此の時の総二郎は、優紀が怯える程、低い声質で、優紀に訊き始めるのだった。


「ほぉ~、優紀の話しを聞いてたら、優紀は、将来、俺と結婚したくねぇみてぇだな?
 そう言う事…何だよな?
 分かったもう良い‼」と…。


其処で、此の時の優紀は、自身の恋人で在る 総二郎を怒らせた事を後悔し乍らも、総二郎に言い訳するのだった。


「決して、そう言う意図でお話しした訳では在りません。
 私は、未だ、家元と家元夫人から、西門邸にお誘い頂いた訳でも無く、お会い頂いた訳で
 も在りません。
 其れに、今回のパーティーだけじゃ無く、総二郎さんが出席して来られた此れ迄の何れの
 パーティーにも、総二郎さんのパートナーとして、私の出席は認められなかったんです。
 ですから、私は、将来が不安なだけです。
 だからと云う訳では在りませんが…。
 家元と家元夫人の真意が何処に有るのか?
 家元と家元夫人から、何時(いつ)、お許し頂けるのか?
 此の先、如何なるのか?
 まだ、分からない段階で、“変な噂話を此方から流すのは、如何か?”と、私は、思っただ
 けです。」と…。


だからだったのかも知れない。
此の時の総二郎は、漸く、優紀が不安に思って居た事を知ったのだった。


だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、優紀に言って除けるのだった。
不確かな話しを…。


「其れは、大丈夫だろ。
 もし、家元と家元夫人が、俺と優紀を、何れ、別れさせ様としてるので有れば…。
 もう既に、別れさせてるか? or 何か、アクションを起こしてる筈だろ?
 其れが、何もして来ねぇという事は、俺と優紀の交際を許してるという意味だろ?
 だから…よ。
 優紀は、何も心配すんな‼」と…。



だが、此の時の優紀は、総二郎からのそんな呑気な言い分に、呆れて居たのだが…。
此の時の優紀の心の中では、此の状況を悟って居たのだった。


“総二郎さんは、そう言って居るけど…。
 総二郎さんの言い分は、不確かな事は言うまでも無い。
 だからこそ…。
 其の時が、何時(いつ)、来ても良い様に…。
 私は、私で、油断せず、気を引き締めて置かなくっちゃあ。”と…。


だが、此の時の優紀の心の中では、別の思いも存在して居た事は、事実だったのだ。


“そんな日は、何時(いつ)迄も、来ません様に…。
 何時(いつ)迄も、総二郎さんの傍に居られます様に…。”と…。



もしかしたら、此の時の優紀の心の中では、誰かに縋る様な思いだったのかも知れない。


だからこそ…。
此の時の優紀の心の中では、相反する二つの思いが存在して居たのだろう。


勿論、此の時の優紀は、そんな相反する二つの思いが、自身の心の中に存在して居る事自体…気が付いて居なかったのだが…。



fin

一悶着【Put it back‼~元に戻してくれ‼~】…<総優>  番外編①




【『Put it back‼~元に戻してくれ‼~…<総優>  2.』のエピローグ
 <其の ①  優紀の就職活動>】


実は、優紀は、総二郎と再会する前から、滋に言われて居た事が有ったのだ。


「もし、優紀が就職活動するんだったら…。
 うち(大河原グループ)にお出で…。」と…。



だが、優紀自身は、リファラル(社員紹介)採用 や 縁故採用にて、入社する事はしたく無かったのだ。


何故なら…。
出来たら、自分自身を評価して貰った上で、入社したかったからなのだ。


勿論、優紀とて、烏滸がましい(おこがましい)事は分かって居たのだ。


だが、其れでも、優紀は、そうしたかったのだ。


“何の取り柄も無い私が、評価して貰える場所が在るとする成らば…。
 其れは、就職試験の場しか無い。”と、思って居たから…だったのだ。


だからこそ…。
此の当時の優紀は、折角、そう言ってくれた滋に伝えて居たのだ。


「私が、就職するにしても…。
 其れは、“就職試験を受けてから入社したい。”と、私は、思って居ます。
 だから、就職試験を受けても良いですか?」と…。



なので、幾ら、強引と言われて居る滋とて、優紀には、其れ以上、自身の考えを言えずに居たのだ。


実は、滋は、優紀に、自身の考えを言いたかったのだ。


「私からの推薦で、リファラル(社員紹介)採用 or 縁故採用で入社出来るから…。」と…。


だからだったのだ。
此の時の滋は、作戦を変更して居たのだ。


何故なら…。
桜子から言われて居たから…だったのだ。


「強引にコトを進めない方が良いですよ。
 そう言う事には、優紀さん自身、慣れて居らっしゃらないと思いますから…。」と…。


だからだったのだろう。
此の時の滋は、作戦を変更して居たという訳…だったのだ。


「じゃあさぁ~。
 優紀が、もし、就職試験を受けるなら…。
 絶対に、うち(大河原グループ)を受けてよ‼」と…。



実の事を言うと、此の当時の優紀は、“知り合いの会社に入社すれば、きっと、自分自身に甘えが出てしまう。”と、思って居た事も有り、F3(司&類&あきら) や 滋の会社の就職試験を受けるつもりは、初めから、毛頭無かったのだ。


勿論、其の当時の優紀は、総二郎は勿論の事…。
まだ、F3(司&類&あきら)共、疎遠状態だったので、初めから、F3(司&類&あきら)の会社への就職活動をするつもりは無かったのだ。


だが、其れでも、滋の気持ちを考えた時…。
優紀は、そんな滋の事を拒む事が出来ず、『大河原グループ』の就職試験を受ける事にしたのだった。


其れでも、“もしも…。”と、言う事も有ると思って居た優紀は、『大河原グループ』以外にも就職試験を受けるつもりで、別の企業の就職説明会等に参加して居たのだ。


其れは、優紀が、就職活動の一環として、『インターンシップ制度』を利用した事も然り…だったのだ。


なので、其の事を知った滋は、優紀に、『大河原グループ』の『インターンシップ制度』を利用させる為に、優紀には、『大河原グループ』の『インターンシップ制度』を勧めて居たのだ。


「うち(大河原グループ)の『インターンシップ制度』を利用して、参加してよ‼」と…。



実は、滋は、滋で、事前に、つくしから優紀の話しを聞いて、優紀の思いを知って居たのだ。
知り合いの会社に就職する事自体、拒んで居る事を…。
そして、勿論、其の理由も含めて…。


だからこそ…。
此の時の滋は、更に、強引に成らない様に、無理矢理に成らない様に、優紀に、『大河原グループ』の『インターンシップ制度』を勧めて居たのだ。


だからだったのだろう。
其の後の優紀は、『大河原グループ』の『インターンシップ制度』を受けて居たのだ。



だからだったのだ。
誠実な優紀の仕事振りを観て居た事から、『大河原グループ』の重役達からの優紀への評価は、高いモノ…だったのだ。


なので、優紀が、『大河原グループ』の就職試験を受けた時には、難無く、内定が取れて居たという訳…だったのだ。



だが、其れでも、此の当時の優紀にとっては、『大河原グループ』から内定が取れるとは思っても視なかったと言う事も有り、『大河原グループ』以外の企業の就職試験を受ける為に、就職説明会等に参加して居たという訳…だったのだ。


そして、其の後、其の事を知った総二郎が、そんな優紀の行動を阻止する為に、優紀に、色々と、難癖を付けて居たという訳…だったのだ。


なので、結局、此の当時の優紀は、『大河原グループ』以外の企業の就職試験を受ける事は無かったのだ。


だからだったのだ。
総二郎自身、“優紀の行動を阻止出来た。”と、思って居た事も有り、其の後の総二郎は、自身の思惑通りにコトが動く物と思って居たのだ。


だが、其れが、そうでは無く、優紀が選んだ企業は、『大河原グループ』という事と成ったのだ。


という訳で、総二郎は、優紀の就職活動に関して、難癖を付けるだけに留まらず…。
優紀が選んだ就職先に関して迄、難癖を付ける程…だったのだ。


此れが、総二郎と優紀の喧嘩理由…だったのだ。


だからだったのだろう。
此の当時の総二郎は、優紀に、悪態を突いて居たのだ。


「何で、俺に相談も無く、勝手に、就職場所迄、決めてんだよ⁉」と…。


だからだったのかも知れない。
此の時の優紀は、まるで、総二郎に恨み節を言うかの如く、話しし始めるのだった。
普段、其処迄、総二郎に言わない優紀だったのだが…。


「総二郎さんと再会する前に、滋さんとは約束して居たんです。
 大河原グループの就職試験を受ける事を…。
 だから、滋さんとの約束通り、大河原グループの就職試験を受けて、内定を貰ったんで
 す。
 本当は、大河原グループから内定を貰えるとは思っても視なかったので、“別の企業も受
 けて視ようかな。”と、思って居たんですが…。
 総二郎さんから、色々、言われて、結局、止める羽目に成ったじゃ無いですか?
 だから、大河原グループから内定を貰えた時は、嬉しかったし、ホッとして居たんです。
 なのに、今度は、就職先が気に入らない…。
 何て、言われても、私は、困るんですが…。」と、当然かの様に…。


なので、其の後、暫くの間、優紀は、そんな総二郎を呆れて居たのだった。



【『Put it back‼~元に戻してくれ‼~…<総優>  2.』のエピローグ
 <其の② 優紀の一人暮らしの件が、総二郎にバレた訳>】


実は、優紀は、『大河原グループ』から内定を貰った後…。
“実家を出て、一人暮らしを始め様か?”と、考えて居る事を、T3に話しして居たのだ。
実家よりも、今後、自身の勤務地に成る『大河原ビル(大河原グループ)』に近い場所を探して居る事を…。


勿論、其の際に、此の当時の優紀は、T3にお願いして居たのだ。


「総二郎さんにも、そう何ですけど…。
 F3の皆さんにも、此の件に関して、内密にお願い出来ますか?
 今はまだ、総二郎さんにバレたくないので…。」と…。



だからだったのだ。
そんな話しを、優紀から聞いたつくしは、司の前で言わない様に努めて居た筈だったのに、独り言かの様に、思わず、自身の口から、発してしまって居たのだ。


「優紀は、大丈夫…何だろうか?
 一人暮らし何か始めちゃって…。
 西門さんに言わずに、一人暮らし何か始めちゃったら、絶対に、西門さんと喧嘩に成ると
 思うんだけど…。」と…。



なので、『時すでに遅し』とは、此の事で…。
其の時には、既に、司には、聞かれて居た後…だったのだ。


いう成れば…。
手遅れ状態…。
「打つ手が無い。」と、言った状況…だったのだ。


云わば…。
此の時のつくしとて、如何する事も出来ない状況だと云えたのだ。
どれだけ、司を誤魔化そうとしても…。


なので、そんな話しを、つくしから聞いてしまった司は、つくしよりも早く、総二郎に、其の事を報告して居たという訳…だったのだ。


そして、其の後の優紀は、総二郎から聞いた後に、つくしから報告を受けて居たのだ。


だからだったのだ。
其の後の優紀は、つくしにもそうだったのだが…。
滋と桜子にも、西門家所有の総二郎のマンションの総二郎の部屋で、総二郎と一緒に住む事に成った事を報告するのだった。

Put it back‼~元に戻してくれ‼~…<総優>  2.




其の後の総二郎と優紀の付き合いは続いて居たのだ。
そして、総二郎が英徳大学を卒業し、其の一年後に、優紀も女子大を卒業したのだ。


だからという訳では無かったのだが…。
実家から独立する形で、優紀は、“そろそろ、一人暮らしを始め様か?”と、考えて居たのだった。


何故なら…。
優紀の姉で在る 瑞紀も、また、大学を卒業した事を機に、就職場所に近い所で、一人暮らしを始めて居たから…だったのだ。


勿論、其の事を、此の当時の優紀は、総二郎に言わないで置いた事は言うまでも無かったのだ。



実は、優紀が就職活動を始めた頃…総二郎は、優紀に口出しをして居たのだ。


「あそこの企業は駄目だ。」とか…。
「此処は、如何…何だ?
 色々な噂話を聞くぞ‼」とか…色々と、優紀に難癖を付けて居たのだ。


で、結局、優紀は、総二郎の思惑通りに行く事は無く、『大河原グループ』に就職したのだった。


実は、総二郎は、優紀を『美作商事』に入れたかったのだ。


何故なら…。
此の時の総二郎の思惑は、あきらに、優紀を見張らせる事だったのだ。


だからだったのだ。
此の当時の総二郎と優紀は、就職活動の話しに成ると、良く、喧嘩して居たのだ。


なので、そんな総二郎に懲りて居た優紀は、“一人暮らしを始め様か?”と、考えて居た事を、敢えて、総二郎に言わずに置いたのだ。



だが、何故か?
其の事が、総二郎にバレてしまって居たのだ。


だからだったのだろう。
総二郎は、自分勝手に行動し様として居た優紀を、怒って居たのだ。


「優紀…‼
 お前は、俺に黙って、“一人暮らしを始め様か?”と、考えて居るらしいな?」と…。



だからだったのかも知れない。
此の時の優紀は、“総二郎さんには、此の事を話しして居なかった筈なのに、何故、総二郎さんは、此の事を知って居るの?”と、驚愕し乍らも、不思議に思い、総二郎に訊くのだった。


「総二郎さんは、如何して、此の事を知って居るんですか?」と…。


だからだったのだ。
此の時の総二郎は、自身にそう訊いて来た優紀を前に、飄々と、言って除けるのだった。


「はぁ~??
 俺が、何故、其の件を知ったのか?
 優紀が、そんなに気に成る話しか?
 じゃあ…教えて遣ろうか?
 司から、聞いたんだよ。 
 “松岡(優紀)が、一人暮らしを始めるみてぇだな。
  で、松岡(優紀)は、今、マンションを探して居るらしいぞ‼”って…な。
 で、訊くが…。
 俺には、一人暮らしの件は、内緒かよ⁉
 優紀は、俺と付き合ってんだよな?
 其の付き合ってる彼氏に、一人暮らしの件は、内緒で、一人暮らしを始めるってか?
 何か、可笑しいよな?
 何れは、俺にバレる話しだろ?
 だったら、先ずは、俺に言えっつーの‼」と…。
「………」


勿論、優紀にも、其の事は分かって居たのだ。
言わずに引っ越ししても、何れ、バレるだろう事は…。
だが、敢えて、優紀は、総二郎に言わずに、引っ越しする方を選んで居たのだ。


何故なら…。
“何れ、バレるにしても、事前にバレる事無く、先に、引っ越ししてしまえば、総二郎さん
 は、諦めてくれるだろう。”と、優紀が思っての事…だったのだ。



だが、事前に、引っ越しの件が総二郎にバレてしまった訳なのだ。
と言う事は、勿論、優紀の野望は、脆くも、無残に崩れしまったのだ。


何故なら…。
総二郎に寄って、其の優紀の野望は、阻止されたから…だったのだ。



で、何も言って来ない優紀の代わりに、総二郎は、優紀に提案するかの様に、続けて、話しするのだった。


「お前が、如何しても、一人暮らししてぇなら、俺と同棲しねぇか?
 お前の傍に俺が居ねぇと、お前は、また、良からぬ事を考えちまうから…な。
 お前の傍には、何時(いつ)も、俺が居て遣る。」と…。



だが、此の時の優紀にとっても、考えが有るからこそ…。
“一人暮らしを始め様か?”と、考えて居たのだ。


で、無ければ、優紀が実家を出るにしても、総二郎に相談して、総二郎と一緒に、西門家所有の総二郎のマンションに住む事を考えて居た筈なのだ。


何故なら…。
優紀は、総二郎とお付き合いをして居て、総二郎の恋人で彼女だったのだから…。


だが、此の時の優紀は、事前に、総二郎には、一切、相談をして居ないだけじゃ無く、提案もして居なかったのだ。


だからこそ…。
其れが証拠に、此の時の優紀は、総二郎に相談も、提案もせずに、自身の引っ越し先で在る マンションを探して居たのだから…。


勿論、“一人暮らしを始め様か?”と、考え始めた理由は、出勤時間の短縮だった事は言うまでも無かったのだ。


だからこそ…。
自身の引っ越し先で在る マンションは、今後、勤務地に成る『大河原ビル(大河原グループ)』に近い場所を探して居たのだ。



では、何故、優紀は、『恋人で在る筈の総二郎に、其の話しをし無かったのか?』と、言うと…。
総二郎のマンションに其の理由が有ったのだ。


総二郎のマンションは、確かに、総二郎名義では在るのだが…。
マンション自体が、西門家所有物件なのだ。


だからだったのだ。
此の時の優紀にとっては、其処がネックだったのだ。


何故なら…。
総二郎の両親で在る 家元と家元夫人は、確かに、総二郎と優紀の付き合いに関して、此れ迄、何一言、言って来なかったのだ。


其の事に関しては、優紀自身、総二郎の両親で在る 家元と家元夫人に感謝して来たのだ。


だが、何処か?
後ろめたさみたいな物が、何時(いつ)も、優紀の中に、存在して来たのだ。


其れは、此れだけ、総二郎と優紀の付き合いが続いて居るにも関わらず、未だ、優紀は、総二郎の両親で在る 家元と家元夫人と会った事も無ければ…。
西門邸に呼ばれた事も無かったのだ。


だからだったのかも知れない。
優紀は、総二郎の両親で在る 家元と家元夫人から、総二郎の恋人としてだけじゃ無く、総二郎との付き合い自体、許されて居ない事を実感して居たのだ。


だからだったのだ。
此の当時の優紀は、西門家所有の総二郎のマンションに住む事を躊躇って居たという訳…だったのだ。


だが、そんな風に、優紀自身が考えて居る事を、総二郎に話しする事も出来ず、謝る事しか出来なかったのだ。


「勝手して、ご免なさい。」と…。



だからだったのだ。
素直に、自身に謝って来た優紀に対して、気を良くした総二郎は、強引かつ大胆にも、優紀を西門家所有の自身名義のマンションの自身の部屋に住まわせる事としたのだった。


其の為に、総二郎は、自身の部屋のリフォーム工事を決行したのだ。


実は、(総二郎のマンションの)総二郎の部屋には、和室は有ったのだが、茶室は無かったのだ。


此れ迄の(総二郎のマンションの)総二郎の部屋と云えば…。
総二郎と優紀の二人だけで時間を過ごす場所で在り、住む場所では無かったから…だったのだ。


だからこそ…。
此れ迄、総二郎は、敢えて、茶室を設けて来なかったのだ。



だが、総二郎と優紀が一緒に住むと成ると、話しが違って来るのだ。


何故なら…。
総二郎と優紀が一緒に住むという事に成れば、“生活の一環として、寛ぐ場所として、茶室も必要だろう。”と、此の当時の総二郎が考えての事…だったのだ。


だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、茶室を設ける為に、リフォーム工事を決行したという訳…だったのだ。



勿論、此の当時の優紀は、未だ、桜子の祖母から、お茶の稽古を付けて貰って居たのだ。


だが、其れでも、総二郎は、“俺からも、優紀に稽古を付けて遣りてぇ。”と、考えて居た事も、また、事実だったのだ。


そんな思惑が、実は、総二郎の中にも、芽生え始めて居たのだ。
総二郎と優紀の将来の事も考えて…。



そして、其の後の優紀は、自身の姉で在る 瑞紀の事を出して来て、自身の両親に一人暮らしをする事を伝えて、実家を出て、(総二郎のマンションの)総二郎の部屋にて、同棲を開始したのだった。


実は、自身の両親に嘘を付いて迄、自身の実家を出て、(総二郎のマンションの)総二郎の部屋にて、同棲を開始した事は、優紀自身、後ろめたさは有ったのだが…。



そして、其の後も、総二郎と優紀の付き合いは、続いて行くのだった。




PS.
実は、何故、優紀が一人暮らしを始め様として居た事が、総二郎にバレたのか?
其の後の優紀は、其の事を、知る日が来るのだった。


実は、独り言かの様に、ポロっと、つくしの口から出た話しだった事は言うまでも無かったのだった。