tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>  64.



其の後の桜子は、英徳学園内に在る カフェテリアの中のF4ラウンジにて、ランチを楽しんで居るつくしに、司からの要望の話しを話しし始めるのだった。
先ずは、つくしに、理由を訊く振りをして…。


「先輩…。
 今、道明寺さんと、上手く行って居ないそうですね。
 喧嘩でもされました?」と…。


其処で、つくしは、何気に、桜子に、返答するのだった。


「う~ん。
 って、いう訳じゃ無いんだけど…。
 ちょっと…ね。
 ほんのちょっとだったんだけど…。
 思い出した事が有って…。
 道明寺の事が、また、信じられない様に成ってしまって居るというのか?」と…。


此の時点のつくしは、自身が話しし乍らも、段々、歯切れが悪く、言い難そうに、桜子に、話しして居たのだ。


だからだったのかも知れない。
此の時の桜子は、つくしが、話しし易く成る様に、出来るだけ、誘導し乍ら、訊き始めるのだった。


「と言う事は…。
 先輩が、ほんの少しだけでも、先輩の頭の中に在る記憶を取り戻したと言う事ですよ
 ね?」と…。
「………」


だからだったのだ。
つくしは、言葉無く、桜子に頷いて魅せて居たのだ。


そして、此の時の桜子は、そんなつくしの様子を視乍らも、更に、訊き始めるのだった。


「と言う事は…。
 道明寺さんと先輩との間には、何か、有ったという事ですよね?
 一体、道明寺さんと先輩との間には、何が、有ったんですか?」と…。


だからだったのだ。
此の時のつくしは、先ず、桜子に、約束を取り付けるかの様に、話しし始めるのだった。


「桜子…。
 此処だけの話にしてくれる?」と…。


なので、桜子は、頷くのだった。


其処で、つくしは、また、訊き始めるかの様に、話しし始めるのだった。


「実は…ね。
 此の『土星のネックレス』…何だけど…。
 私が、高等部当時に、道明寺から貰った物だったそう何だよね。
 桜子は、此の『土星のネックレス』の事…。
 知ってる?」と…。


云わば…。
此の時のつくしは、自身の首に着けて居る『土星のネックレス』を、桜子に魅せ乍ら、桜子に、訊き始めて居たのだ。


だからだったのだ。
桜子は、つくしに、返答の言葉を、告げて居たのだ。


「はい、勿論、知って居ますよ。
 先輩は、また、此の『土星のネックレス』を、身に着けて居らっしゃったんですね。
 高等部当時の先輩も、大学生に成ってからの先輩も、変わり無く、何時も、此の『土星の
 ネックレス』を、(自身の首に)身に着けて居らっしゃいましたよ。」と…。


其処で、つくしは、あの時に、司から聞いた話を、桜子に、話しして聞かせて居たのだ。


「そうだったんだね。
 道明寺からも、そう聞いて居たんだけど…ね。
 まぁ~、道明寺と私は、付き合って居たんだから…。
 此の『土星のネックレス』を、道明寺から貰って居たとしても、何ら、不思議でも無いん
 だろうけど…。
 私の性格上…。
 “(道明寺と)お付き合いして居るから…。”と、言って、こんな高価な物を、道明寺か
 ら、そう簡単に貰う等と、今の私には思えなくて…。
 でも、私が、手術する時に、ママが、看護師さんから預かった此の『土星のネックレス』
 を、道明寺が、ママから預かったらしいの。
 其れで、“牧野に、返す。”って、道明寺が、私の背後から、私の首に、此の『土星のネッ
 クレス』を着けてくれたんだけど…。
 如何も、其の時のシチュエーションが、高等部当時に、私が、此の『土星のネックレス』
 を、道明寺から貰った時と似て居たのか?
 其の後の其の当時の出来事が、ほんのちょっとだけ、私の脳裏に過ったの。
 で、其の後…。
 道明寺とは別れて、自室に戻ったんだけど…。
 道明寺の事が、何が何だか、私には、全く、分からなく成って居たの。
 で、信じられなく成ったというのか?
 其れからの私は、道明寺と、目線が合わせられなく成ったという訳なの。」と…。



其処で、其処迄、つくしから話しを訊いた桜子は、漸く、合点がいって居たのだ。


だからだったのだろう。
此の時の桜子は、思って居たのだった。
納得するかの様に…。


“成程…ね。”と…。



だからだったのかも知れない。
其れでも、此の時の桜子は、其の時に、司とつくしとの間に、何が起こって居たのか?
つくしに、訊き出し始めるのだった。


「でも、先輩…。
 そう成るには、そう成る理由が、先輩の中には有ったんですよね?
 道明寺さんと先輩との間には、何が起こって居たんですか?」と…。


だからだったのだろう。
つくしは、内密にする事を理由に、其の時の出来事を、桜子に話しし始めるのだった。
勿論、其の時に、つくしの脳裏に過って居た高等部当時の記憶の事も含めて…。


だからだったのだ。
つくしから、そんな話しを聞いた桜子は、思うのだった。


“やっぱり…。
 そうだったんだぁ~。”と…。



其処で、桜子は、つくしの心理を、誘導するかの様に、更に、深堀りするかの様に、話しし始めるのだった。
勿論、此の時の桜子は、つくしを諭すかの様に、話しして居た事は言うまでも無かったのだが…。


「先輩…。
 其れが、道明寺さん何ですよ。
 私は、前にも、先輩に、お話ししましたよね?
 道明寺さんは、先輩の事が、『好き好き』で、仕方ない程…。
 先輩が嫌がろうがお構い無しで、“先輩を、追い掛け廻して居た。”と…。
 其の当時の道明寺さんは、先輩の気持ちより、自分自身のお気持ちの方を、優先されて居
 たんです。
 だからこそ…。
 道明寺さんは、先輩の事を、“俺の女(もん)だ‼”と、世間に触れ廻りたかったんでしょう
 ね。
 何時も、道明寺さんは、先輩の傍に居ようとして居ました。
 という寄りも、自分自身の視界に、先輩を居させ様として居られました。
 其れ程迄に、道明寺さんは、先輩の事を、好きで居らしたんです。
 だから…。
 もし、其の当時の道明寺さんだったら、間違い無く、先輩のお気持ちが如何とかじゃ無
 く、自分自身の都合が良い様に、勝手に、先輩のお気持ちを解釈されて、先輩にそう為さ
 って居たのかも知れません。
 其の当時の道明寺さんの行動を良く知る方でしたら、私と、同じ意見だと思いますよ。
 其れ位、其の当時の道明寺さんは、先輩の事が、お好きでしたから…。
 でも、高等部当時の先輩も、道明寺さんと匹敵する位に、道明寺さんの事がお好きでした
 けど…ね。
 先輩は、そんな道明寺さんに、“嫌だ、嫌だ‼”と、言い乍らも、道明寺さんの事を、お好き
 でしたよ。」と…。


端から見れば…。
“何方が年上で、何方が年下なのか?
 分からないだろう。”と、思える程…。
此の時の桜子は、つくしにとって、年上の様な振る舞いを魅せて居たのだ。



だが、此の時のつくしは、桜子からの(「でも、其の当時の先輩も、道明寺さんと匹敵する位に、道明寺さんの事がお好きでしたけど…ね。」と、言う)最後の言葉が、自身の頭の中で、リフレインして居たのだ。


だからこそ…。
此の時のつくしは、そう言って来た桜子に、訊けた言葉だったのだ。


「其れって、もしかして、高等部当時の私は、本当に、道明寺の事が、“本心から、好きだ
 った。”と、言う事…⁉
 道明寺から絆されて、私は、道明寺と付き合い始めたとかじゃ無く…。
 私自身が、道明寺の事を、本気で好きに成ったからこそ…。
 私は、道明寺と、付き合い始めたという事…⁉」と…。


だからだったのだ。
桜子は、そんな風に、不思議がって居るつくしに、即答するのだった。


「はい、そうですよ。
 だからこそ…。
 さっきから、私は、そう言ってるじゃ無いですか?」と…。


だが、此の時のつくしの目には、“信じられない。”と、自分自身に訴え掛けて来る様な目付きで、自身を見て居るつくしの目を、此の時の桜子には、確認出来て居たのだ。


だからこそ…。
此の時の桜子は、其れ以上、つくしには、言えなかったのだ。



そして、其の後のつくしが、桜子からの話しを、納得して居るして居ないにも関わらず…。
此の時の桜子は、あきらに、此の件を報告して居たのだ。
そして、あきらは、桜子からの話しを、司に報告して居たのだ。


其処で、あきらから、そんな話しを聞いた司は、あきらの同席の下…。
桜子を呼び出し、桜子からも、話しを聞くのだった。
そして、桜子から話しを、全て、聞いた司は、何処か、納得して居たのだ。


だが、桜子は、そんな司に言って除けるのだった。


「道明寺さん…。
 今の先輩の頭の中に、過去の記憶が有ろうと無かろうと…。
 先輩は、元々、奥手な人間…何です。
 そんな先輩を、ご理解為さった上で、先輩と接して下さい。
 今の先輩は、そんな道明寺さんの事を、恐れて居らっしゃいます。
 宜しくお願いします。」と…。


だからだったのだろう。
司は、そう自身を諭すかの様に言って来た桜子に、訊き始めるのだった。


「其の事を、牧野から聞いたのか?」と…。


だからだったのだ。
桜子は、飄々と、司に、言い返すのだった。


「いいえ、先輩からは、何も、聞いて居ませんけど…。
 でも、先輩の話し振りを聞けば、大概の事は、私には、分かりますよ。」と…。
「………」


そんな桜子からの話し振りで、司は、何故か、全てを納得出来て居たのだった。
無自覚に、『鈍感なつくし』の事も含めて…。


だからこそ…。
そんな桜子に、何も、言い返せない司自身が、其処に居た事も、また、事実だったのだ。



そして、此の時のあきらは、そんな桜子の話し振りを、司と共に聞いて居て、司が、つくしにしたで有ろう行為を考えた時…。
あきらは、あきらで、其の後、そんな司に、言って除けるのだった。
勿論、諭すかの様に…。


「司…。
 今の牧野に対しては、焦るなよ‼」と…。


だからだったのだ。
其の時の司は、あきらに、返答するのだった。


「分~ってるよ。」と…。


だが、実は、其れでも、あきらは、そんな司の事が、其の後も、心配で成らなかったのだ。



だが、其の後の司とつくしは、何時の間にか?
縒り(より)を戻して居た事も、また、事実だったのだ。

自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>  63.



「申し訳ありません。
 今の私には、全く、思い出せないんです。
 此のお部屋の中の記憶は、私にとって、印象が薄いと言う事でしょうか?」と、つくしが、タマに返答したという話しを、タマから聞いた司は、実は、思って居たのだ。


“俺と牧野にとって、此の『東の角部屋』の印象が薄い訳ねぇだろ⁉
 濃過ぎるからこそ…。
 今の牧野の頭の中からは、封印されちまってんじゃねぇのか?”と…。


だからだったのだろう。
此の状況を打破する為に、其れと、此の次に進む為に、此の時の司は、或る人物に、頼る事にしたのだった。



だからだったのだ。
司は、先ず、あきらに、リモートで、連絡を入れる事にしたのだった。


「あきら…。
 頼みが有んだ。
 頼まれてくれねぇか?」と…。


だからだったのかも知れない。
其処で、あきらは、思うのだった。


“司は、俺に、何を頼もうとしてんだぁ~?
 また、厄介な事に、俺を、巻き込むんじゃねぇだろうなぁ~。”と…。


だが、あきらは、そう思い乍らも、一言、了承の言葉を、司に告げるのだった。


「ああ。」と…。


だからだったのだろう。
此の時の司は、迷わず、あきらに、相談するのだった。


「実は…な。
 今の俺と牧野は、上手く行ってねぇんだわ。
 俺が、まだ、NYに居た頃、あきらが、NYに出張して来た時…。
 俺とあきらとで、話しした事が有ったろ。
 “牧野の記憶を取り戻す為の『キーポイント』が、何なのだろうか?”と、言う話し
 を…。」と…。


其処で、あきらは、頷き乍ら、更に、訊き返し乍らも、司に返答するのだった。


「ああ。
 で、其の事で、何か、有ったのか?」と…。


だからだったのだ。
司は、あきらに、また、話しし始めるのだった。


「ああ、有ったんだよなぁ~。
 実は、俺は、高等部当時の牧野との出来事を、其の当時に近い形で、再現して視たんだ。
 けど…な。
 返って、牧野を不審がらせる結果と成ってしまった。
 だから…よ。
 あれから、俺は、牧野とは、碌に、口も利けてねぇんだわ。
 だから…な。
 三条に、俺と牧野のとの間を、取り持って貰いてぇと思って…よ。」と…。


だからだったのだろう。
あきらは、司に、言って除けるのだった。


「はぁ~??
 自分自ら、桜子に、連絡すれば、良いだろ?
 司にとっても、桜子は、仲間だろ?
 何で、俺に頼んで来んだよ⁉」と…。


其処で、司は、桜子とは、連絡を取る事が出来ない事情を、あきらに、説明し始めるのだった。


「ああ。
 そうしてぇのは、山々…何だが…な。
 生憎、三条のアドレスを、俺は、知らねぇんだわ。
 唯一、三条と繋がってんのは、LINEでの『F4&T4のグループLINE』位ぇ…何だわ。
 だから…よ。
 あきらから、三条に、伝えてくれねぇか?」と…。


其処で、あきらは、“面倒臭ぇなぁ~。”と、思い乍らも、其処は、やはり、あきら…。
“仕方ねぇな‼”と、思い、司に、了承の言葉を告げたのだ。


「ああ、分かった。」と…。


だからだったのだ。
司は、あきらに、礼の言葉を、告げたのだった。


「あきら、サンキュー!
 宜しく、頼むわ。」と…。



だからだったのだろう。
此の時のあきらは、司とのリモートでのTELを切った後、直ぐに、桜子に連絡を入れたのだ。
そして、桜子は、了承したのだった。



実の事を言うと…。
司は、あきらに伝えた理由だけじゃ無く…。
実は、此の時の司には、直接、桜子に、連絡を入れたく無い理由が、別にも有ったのだ。


其れは、桜子の過去に有ったのだ。
高等部当時の桜子には、『黒歴史』成るモノが、存在して居たのだ。


そうなのだ。
高等部当時の桜子には、其の当時のつくしを虐めて居たという『黒歴史』成るモノが、存在して居たのだ。


桜子は、其の自身の『黒歴史』の事を、現在のつくしに、一切、伝えて居なかったのだ。
実は、其の事が、如何しても、司には、解せなかったのだ。


云わば…。
此の時の司には、そんな桜子の事が、納得出来て居なかったのだ。


何故なら…。
此の時の司は、そんな桜子の事を、思って居たのだ。


“其れじゃあ、まるで、「自分だけは、高等部当時から、英徳(学園)の中では、先輩(牧
 野)の味方だった。」って、言ってる様なもんだろ。
 俺だけが、悪ぃみてぇだろ。
 三条…いい加減にしろよ‼”と…。



だからこそ…。
此の時の司自身、そんな桜子の事を理解出来て居なかったので、自身が、直接、桜子に連絡を取れば、桜子には、悪態を突き兼ねないのだ。


だからだったのだろう。
其処で、司は、考えて居たのだ。


“だったら…。
 俺からは、三条に、直接、連絡を取らねぇ方が良いよな。
 三条を怒らせれば…。
 返って、俺の計画は、無いも当然だ。”と…。



という訳で、司は、あきらに連絡を取り、あきらから、桜子に連絡して貰い、話しを通してもらって居たのだ。


だからこそ…。
“其れが、一番、最良の選択だ‼”と、此の時の司は、考えて居たという訳…だったのだ。



そして、あきらが、桜子に話しを通してくれたお陰で、あきら同席の下…。
司は、桜子と会って、あきらに伝えた様に、司自身のつくしへの想いを、桜子に伝えて居たのだ。


其処で、桜子は、“道明寺さんと先輩との間を取り持てるのは、自分自身だけだろう。”と、言う思いから、司に、了承の意を伝えるのだった。


「承知しました。」と…。



だが、其処で、『小悪魔な桜子』が、顔を覗かせたのだ。


だからだったのだろう。
桜子は、“チャンス‼”と、ばかりに…。
此の時を待って居たかの様に、司に、打診し始めるのだった。


「ですが…。
 私からも、お願いが御座います。
 道明寺さんも、ご承知かと思いますが…。
 (大学)4年の後期に入れば、先輩と私は、卒論制作の為に、徹夜したり…。
 お部屋に籠ったり…。
 と、不規則な生活に成るんだそうです。
 此のお話しは、既に、大学を卒業された優紀さんの先輩から、(優紀さんが)聞かれたお
 話しを、先輩と私が、優紀さんから聞いて知ったお話し…何ですけど…。
 『卒論制作』というモノは、かなり、大変らしいですわ。
 ですが、当然、先輩も、私も、そう成ると思いますわ。
 何故なら…。
 私は、先輩とご一緒に、卒論制作に取り掛かるつもりですし…。
 そう成れば…。
 折角、道明寺さんと先輩の仲が、私のお陰で、元に戻ったとしても…。
 優紀さんからのお話しですと、きっと、道明寺さんと先輩が会えない日々が続くと、予想
 出来ますわ。
 其処で、何ですが…。
 道明寺さんが、先輩と会えない事で、私に、焼きもちをお焼きに成っても、私を、“恨む
 様な事は無い。”と、道明寺さんは、私に、誓ってくれますか?」と…。


其処で、司は、渋い顔付きに成るのだった。
司からすれば、当然と云えば、当然な気持ちだったのだ。
今の司にとって、つくしに会えない日々が続くと言う事は、死活問題と成るのだ。


何故なら…。
だからこそ…。
桜子に、自身とつくしの仲を取り持って貰える様に、話ししたのだから…。


だが、其の事を、桜子に、煩く言えば…。
桜子に寄って、此の話しも、無かった事にされてしまうのだ。


だからだったのだ。
司は、渋々、桜子からの打診に、了承するのだった。


「ああ、分かった。」と…。
 


だが、其の時の桜子の顔には、ニヤッと、笑みが浮かんで居たのだ。


何故なら…。
桜子は、悩んで居たから…だったのだ。


“如何、道明寺さんにお話ししたら、道明寺さんを怒らせずに、納得して貰えるんだろう
 か?
 『卒論制作』について、道明寺さんに伝えた処で、道明寺さんからは、素直に、理解して
 貰えるとは、とても、私には、思えない。”と…。


だからこそ…。
“此の機会を逃すまい。”と、桜子は、司に、話しし始めたのだ。


勿論、此の時の桜子は、司に、了承して貰えた事で、ホッとして居た事は言うまでも無かったのだ。



だが、此の時のあきらには、そんな桜子が、『小悪魔』に見えて仕方無かったのだ。


だからだったのだろう。
此の時のあきらは、そんな桜子を観て居て、思うのだった。


“やっぱ、桜子は、『小悪魔』だよな‼”と…。



という訳で、其の後の桜子は、英徳学園内に在る カフェテリアの中のF4ラウンジにて、ランチを楽しんで居るつくしに、司からの要望の話しをし始めるのだった。

自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>  62.



【一部、『自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>  61.』のエピローグ有り】


つくしは、元々、記憶が有ろうと無かろうと、奥手の方なのだ。


だからだったのだ。
自身の背後から、司に抱き締められた時…。
恐怖で、つくしの身体は、小刻みに震えて居たのだ。


だからだったのかも知れない。
此の日のつくしは、自身の自室に戻っても、中々、眠れなかったのだ。


そして、翌朝のつくしは、司とは、真面に、喋る事さえ、出来無かったのだ。
しかも、此の時のつくしは、真面に、司の顔を観る事さえ、出来ずに居たのだ。



そんな司とつくしの様子を見て居たタマは、思って居たのだ。


“坊っちゃんとつくしとの間に、何が有ったんださね。”と…。


だからだったのだ。
司とつくしのモーニングが終了した後…。
此の時のタマは、そんな風に、不安に成り乍らも、司の出勤準備の手伝いの為に、司の自室に、司と一緒に向かって居たのだ。



実は、司が、日本に帰国して帰って来て暫くしてから、タマは、司とつくしのモーニングの時間を、勝手に、定めて居たのだ。
勿論、其の事は、タマから、つくしに、伝えられて居た事は言うまでも無かったのだ。


何故なら…。
つくしが、英徳大学に向かう時間を考えれば、つくしのモーニングの時間を、態々、司のモーニングの時間に合わせる必要が有ったのだ。


態々、そうでもし無ければ、司とつくしとが接する時間は、一切、無い事に成るのだ。


だからこそ…。
タマは、司からの要望も有り、勝手に、司とつくしとのモーニングの時間を、定めて居たという訳…だったのだ。



そして、タマは、司に訊き始めるのだった。


「坊っちゃん…。
 つくしと、何か、有ったんですかい?
 つくしの様子が、何時もと違って、何か、変な様に、タマには、感じたださね。」と…。


其処で、司は、タマに、昨夜の出来事を、白状する事無く、願い出るのだった。


「タマ…。
 頼みが有んだ。
 牧野に、此の部屋(東の角部屋)を魅せてくれねぇか?」と…。


だからだったのだろう。
此の時のタマは、そう言って来た司の顔を、不思議そうに観乍らも、訊き始めるのだった。


「タマが、如何して、つくしを、此処(東の角部屋)に連れて来て、つくしに、此の部屋の
 中を魅せる必要が有るんださね?」と…。


なので、司は、出勤準備をして居る振りをし乍らも、タマの顔を観ない状態で、話しし始めるのだった。


「此処(東の角部屋)は、俺と牧野にとっては、思い出が有って、大切な部屋…何だよ。
 だから…よ。
 タマが、牧野を、此処(東の角部屋)に連れて来て、此の部屋の中を、牧野に魅せて欲し
 いだよ。
 俺は、仕事が忙しいから…よ。
 中々、牧野を、此処(東の角部屋)に連れて来て遣れねぇだろ?」と…。


だが、そんな風に、司から聞いても、此の時のタマには、不思議で成らなかったのだ。


“で、有る成らば…。
 坊っちゃんが、つくしを、此処(東の角部屋)に連れて来て遣るべきださね。
 幾ら、仕事で、坊っちゃんが忙しいとて、此処(東の角部屋)に、つくしを連れて来て遣
 る事位は、出来るだろうさね。”と…。


だからだったのかも知れない。
そんな風に、心の中で、思って居たタマの顔付きは、歪んで居たのだ。
そして、其処で、そんな顔付きのまま、タマは、司に、言って除けるのだった。


「其の当時のタマは、椿お嬢さんからも、聞いて居たださね。
 “司とつくしちゃんが、付き合い始めたそうよ。”と…。
 だったら、尚の事…。
 坊っちゃんが、つくしを、此処(東の角部屋)に、連れて来て遣ったら、良いださね。」と…。



そして、此の時の司は、知ったのだ。
自身の姉で在る 椿が、タマには、余計な事を話しして居なかった事を…。


だからだったのだろう。
此の時の司は、そんなタマの顔付きを観た事で、タマに、疑いを掛けられて居る事を、認識し始めて居たのだ。



勿論、此の時の司には、昨夜の出来事を後悔をして居る事は、事実だったのだ。


だからこそ…。
昨夜の司の行動が、つくしを傷付けたと言うので有れば…。
其れは、間違い無く、タマに、不審がられても仕方ないと言えたのだ。


だが、もし、昨夜の出来事を、司が、タマに、白状すれば…。
司は、タマから、お説教を受ける事は間違い無いのだ。


そんな面倒臭い事に成れば、司は、“面倒だろ。”と、思う事で、回避したかったという事が、司の口を閉ざさせた要因だったのだ。


何故なら…。
つくしの『最大の味方』は、『タマ』だったのだから…。



其れと、司にとっては、『東の角部屋』をつくしに魅せたいと、考えて居る理由は、もう一つ、有ったのだ。


其れは、司自身、つくしとの思い出の中で、悲しく成る様な、辛く成る様な出来事に関しては、触れたくないという意図が有ったのだ。


だからだったのだ。
司とつくしとの数少ない楽しい思い出の中で、当時、正式に、付き合い始めたばかりの司とつくしにとって、“『東の角部屋』は、外せない。”と、司には、感じて居たのだ。


だが、其れには、危険も伴うのだ。



何故なら…。
司とつくしとの思い出の『東の角部屋』と言うのは、高等部当時のつくしが、土の上を這い蹲って(匍匐前進[ほふくぜんしん]して)迄、道明寺家のSPから逃れて、司と過ごした部屋なのだ。


其れに、そうまでして、司と一緒に、過ごす事を嫌がる処か?
実は、此の当時のつくしは、『道明寺を好きだ。』と、言う事を、自分自身が、一番、自覚して居たのだ。


「夜中に、人目を避けて、折角、お風呂に入ったのに…。
 “土の上を這い蹲って、何で、こんな苦労をし無きゃいけないのか?”って、思うけど…。
 私も、あんたのイカレが移った。
 全然、嫌に成んないんだよね。
 如何かしてる。」と、クスッと、笑い乍ら、司に伝える程に…。


そして、高等部当時のつくしは、更に、心の中で、思って居た位だったのだ。


“(道明寺の事が)好きだから…。
 悔しい位に…。”と…。



だが、元々、奥手のつくしにとって、現在のつくしにも言える事なのだが…。
司とつくしとの思い出の『東の角部屋』と言うのは、過去の自身の記憶の無い現在のつくしにとって、危険を伴う事も、また、事実という訳…だったのだ。


云わば…。
今では、司とつくしとの思い出の『東の角部屋』は、『鬼門』とも、云えた場所なのだ。



勿論、現在のつくしは、高等部当時の自分自身が、司と付き合って居た事も、現在の自身が、司の婚約者で在るという事も、全て、承知して居るのだ。


だが、あの時、確かに、司は、つくしとそういう関係に成ろうとして居た事は、事実だったのだ。
つくしに、「5年位掛かるかも知んないけど…。」と、言わせる程に…。



だからこそ…。
現在のつくしを、『東の角部屋』に連れて来れば…。
つくしが、其の当時の事を、思い出さない共、限らないのだ。


だが、此の時の司は、そんな風に賭けをして迄で、「牧野を『東の角部屋』に連れて来て欲しい。」と、タマに頼んだのは、“もしかしたら、牧野が思い出してくれるかも知んねぇ…。”と、言う思いが、此の時の司には、有ったからという訳…だったのだ。



そして、勿論、司が、『東の角部屋』に、つくしを連れて来れば、裏目に出る事に成る。
だからこそ…。
此の時の司は、タマに頼んだのだ。


「牧野を『東の角部屋』に連れて来て欲しい。」と…。



そして、此の時のタマは、そんな真剣な司の顔付きを観た事で、其れ以上、何も言えなかったのだ。


だからこそ…。
此の時のタマは、司に負けた形で、司の言う通りにして遣る事にしたのだ。


タマは、昔から、司には、甘い所が有ったのだ。
実は、タマは、司の『最大の味方』でも在ったのだ。


だからこそ…。
此の時のタマは、司に言えた言葉だったのだ。


「ハイハイ、分かりましたよ。
 タマが、此処(東の角部屋)に、つくしを連れて来るださね。
 坊っちゃん…。
 タマは、つくしを、此処(東の角部屋)に、連れて来るだけで、良いのかい?」と…。


だからだったのだ。
司は、心からの笑顔と共に、タマに、礼の言葉を告げるのだった。


「サンキュな、タマ!
 ああ、其れで良い。
 宜しく頼む。」と…。



そして、タマは、其の日、英徳大学から、帰って来たばかりのつくしを、『東の角部屋』に連れて来たのだ。


そして、タマは、不思議そうに、「此処は…?」と、タマに聞き乍ら、『東の角部屋』を観て居るつくしに、言って除けるのだった。


「つくし…。
 此処は、坊っちゃんの自室ださね。
 坊っちゃんが言うには、此の『東の角部屋』というのは、坊っちゃんとつくしにとって、
 大切な思い出深い部屋らしい。
 つくし…。
 此の部屋を観て、何か、思い出さないかね?」と…。


だからだったのだ。
つくしは、タマの誘導に寄り、『東の角部屋』の中を見て回ったのだが…。
此の時のつくしには、一切、何も、感じて居なかったのだ。


だからだったのだ。
つくしは、タマに、訊き始めたのだ。


「タマさん…。
 此のお部屋の中は、其の当時と、一切、変えて居ないんですか?」と…。


だからだったのだ。
此の時のタマは、そう訊いて来たつくしに、即答するのだった。


「そうさね。 
 一切、変えて無いださね。」と…。


なので、つくしは、そう伝えて来たタマに、謝り始めたのだ。


「申し訳ありません。
 今の私には、全く、思い出せないんです。
 此のお部屋の中の記憶は、私にとって、印象が薄いという事でしょうか?」と…。


だからだったのかも知れない。
此の時のタマは、そんな風に、自身に、訊いて来たつくしを労うかの様に、言って除けるのだった。


「そうかね。
 仕方ないさね。
 無理に思い出そうとせず、焦らずに、徐々にで、良いださね。
 坊っちゃんには、そう伝えて於くよ。」と…。


そして、つくしは、申し訳無さそうに、タマに、伝えるのだった。


「はい、宜しくお願い致します。」と…。



だからだったのだ。
其の後のタマは、『東の角部屋』を観て居たつくしの様子を、司に、伝えて居たのだ。
なので、そんな話しをタマから聞いて居た此の時の司は、悟って居たと同時に、悩み始めても居たのだ。


“やはり、『東の角部屋』が、『キーポイント』では無かったという事か?
 じゃあ、牧野の『キーポイント』は、一体、何なんだろうか?”と…。


だからだったのかも知れない。
此の次に進む為に、司は、或る人物に、頼る事にするのだった。



<此の二次小説『自惚れ~うぬぼれ~…<つかつく>  62.』の中に出て来るセリフの一
 部に、神尾葉子先生の漫画『花より男子』のセリフを、勝手に、拝借させて頂き、記載し
 て折ります。
 神尾葉子先生に於かれましては、勝手に、拝借致して折ります事を、お詫び申し上げま
 す。
 また、関係者各位 様に於かれましても、勝手致して折ります事を、お詫び申し上げま
 す。>