tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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1season女…<あき桜>  13.




<あきらside>


俺は、桜子に懇願していた。


『なあ、桜子…?
 俺は、どれだけ、牧野みてぇに、桜子を癒せるかも分からねぇ。
 けど、俺は、俺成りの癒し方で、“桜子を癒して遣りてぇ‼”って、思ってる。
 だから、桜子…?
 俺を選んでくれねぇか?
 ダメか、桜子…?』


だが、桜子は、一切、俺には、何も答えず、俯いたままだった。


俺に、“癒して欲しい‼”と、桜子が、思ってるから、桜子は、仲間の前で、あれだけ、力説して居たと、俺は思って居た。


だから、“生半可な気持ちで、桜子には、迎えねぇ‼”と、思っている俺が居て、“如何して遣るのが一番良いのか?”と、ずーっと、考えてた。


其れなのに、桜子は、何も言わなかった。


って事は、あの桜子の力説は、俺に対して言った言葉じゃねぇのか?


否、あれは、完璧に、俺に向かって言ってたよな?


牧野も、俺に言ってたよな?


『美作さん…?
 桜子の告白、受け止めて上げて…。
 今、美作さんは、多分、迷ってるよね?
 でも、あれが、桜子の気持ち、何だよ。
 美作さんが、迷わないで上げて…。
 其れと、今日は、ゆっくり、桜子の事を考えて…上げて‼
 だから、今日の所は、桜子の事は、私に任せて‼』って…。


って事は、牧野も、“桜子は俺に癒しを求めてる‼”って、思ってるって事だよな?


桜子…?
違ぇのか?
俺が、早とちりしてるって、訳ねぇよな?


“訳分かんねぇ‼”と、俺は、心の中で、叫んでいた。



あれから、俺も、桜子も、黙ったままだった。



そんな時だった。


司と牧野が、ラウンジのVIPルームに入って来た。


「悪ぃ、遅れた。
 如何した?
 何か、空気が、変だぞ?」
「桜子…?
 何か、有ったの?」
「「………」」


俺と桜子は、返す言葉が出なかった。



司と牧野は、俺と桜子の間に在る空気感を、読み取った様子だった。


司と牧野は、何かを勘付いたのだろうか?


司は、兎も角、牧野は、鈍感なのに、良く分かったよな?


って事は、牧野にも分かる位ぇ、此の部屋の空気感は、異常って事なのか?



俺が、そう思って居た時、桜子が、口を開いて来た。


「いいえ。
 私が、悪いんです。」
「えっ??
 如何言う意味なの?
 桜子…?」


桜子は、意を決した様に、話しし出した。


「私が、今一、素直に成れないのがいけないんです。
 私は、美作さんの気持ちが嬉しいんです。
 でも、“私みたいな我儘な女を、癒して遣ろうとして下さる美作さんの負担に成るん
 じゃないのか?”って、不安、何です。
 今まで、気の強い女で居た私が、美作さんにそんな風に仰って頂ける様な女じゃ無い事
 も十分過ぎる位、分かってるんです。
 だから、諦めるつもりで居ました。」


一旦、桜子は、話しを切って居た。


って、事は、桜子は、『俺を好き』って事だよな?


「今日、来たのは…。
 先日の集まりの際、あの時の美作さんと一緒に居た、私が感じた居心地の良さは、私の
 思い過ごしだったのか?
 確認したいと、思って来ました。
 美作さんとご一緒させて頂いた時の居心地の良さも、空気感も…。
 今日、私が感じた感情は、あの時に感じた感情と、全く、一緒でした。」


俺は、“じゃあ、問題ねぇんじゃねぇの?”と、思って居た。


だから、桜子に言葉を投げ掛けてしまったのかも知れない。


「じゃあ、桜子の中で、何が問題なんだ?
 桜子の話しを聞いてたら、何も問題ねぇ様に思うがな?」


牧野は、俺の気持ちを代弁するかの様に、桜子に話しし始めた。


「桜子…?
 美作さんは、桜子を支えてくれると思うよ。
 美作さんなら、桜子を預けられると、私が、思うんだから…。
 大丈夫だよ。
 桜子…?
 美作さんに、凭れてみなよ‼
 いつも、桜子は、私に言うじゃん。
 司に、“頼ってみろ‼”って…。
 その言葉、そっくりそのまま、桜子に返すよ‼
 “美作さんに頼ってみろ‼”って…。」


桜子は、涙を流し始めた。


桜子は、“今まで、どんなに辛い恋をして来たのだろう?”と、思うと、俺は、胸が張り裂けそうだった。


また、牧野は、桜子を諭し出した。


「桜子…?
 今度は、間違った恋は、しなくて良いと思うよ‼
 だって、相手は、美作さんじゃん‼
 F4一の『癒しの達人』じゃん‼
 『気配り上手で、世話焼き』…。
 いう事無いじゃん(笑)。」


司の顔が、微妙に変わって来た。


いつもより弱めでは有るが…。
額に青筋が出てるぞ‼


で、以って、司、俺を睨み付けんな‼


俺の為に、牧野は、“よいしょ‼”してくれてるだけだろ?


ヤキモチ焼くのも大概にしろよ、司…‼


頼むから、俺の為にも、牧野、それ以上、言うなよ‼



牧野、お前な、自分の彼氏の責任位ぇ、自分自身で取れよ‼


俺は、もう、『猛獣遣い』は、卒業したんだから…よ。


俺は、ひたすら、心の中で、唱えていた。

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