1season女…<あき桜> 14.
<あきらside>
牧野が、桜子を諭してくれたのにも拘らず、桜子は、『1season女』らしく、俺に言って来た。
「取り敢えず、3ヶ月だけでも良いですか?」
俺は、“了承するしかねぇのだろう。”と、思った。
だから、答えていた。
「ああ。
構わねぇ。」
だが、3ヶ月で終わらせる気は、毛頭ねぇ‼
『桜子の初めて3ヶ月以上持った彼氏‼』って、言う相手が俺にしてぇんだよ‼
桜子…?
待ってろよ‼
ぜってぇ、桜子が、俺なら、“大丈夫だ‼”と、思わせてみせるから…な‼
<桜子side>
あれから、美作さんは、私に尽くしてくれていた。
吃驚する位、私を癒してくれる。
けれど、癒してくれればくれる程、何故か?
不安に成る私…。
先輩に、話ししてみた。
「先輩、私…。
不安なんですよね?」
「何…に?」
私は、私が、不安に思って居る事、全てを先輩に話ししていた。
「成程…ね?
桜子は、欲張りに成ってんだよ。」
私は、首を傾げながら、先輩に訊いて居た。
「欲張りですか?」
「そう、欲張り…‼
桜子は、もう、美作さんを失いたく無いんでしょ?
だから、不安にも成ってんだよ。
だから、肩肘張らずに、美作さんに凭れてみなよ‼
私に、話しして伝えて来てくれるみたいに…さ。
美作さんなら、桜子の話しをきちんと聴いて受け止めてくれるよ‼
だから、美作さんなら、桜子を支えてくれるよ‼」
私は、先輩の話しを聞いて居て、何か、納得してしまった。
私は、まだ、美作さんに私の本音を話しして居ない事を…。
私は、美作さんに嫌われたくないから、良い女で居ようとして居たのも知れないと、素直にそう思えた。
「そうですね‼
私が、先輩から、諭される時が来る何て…。
思っても見ませんでした。
でも、私を支えて下さって、感謝してます(笑)。」
「………(苦笑)‼」
私は、初めて、先輩に、素直にお礼が言えたんだと思う。
先輩は、最初、驚愕で、言葉も、出なかったみたいだったけど…。
私の言葉を聞いて居た先輩は、初めは、苦笑気味だった。
だが、笑ている私の顔を見て、満面の笑みで、先輩は、微笑んでくれた。
私の想いは、先輩に届いただろう。
私の心の支柱の様な先輩…。
これからも、宜しくお願いしますね、先輩‼
<あきらside>
あれから、桜子は、俺に甘えて来る様に成って来た。
甘えると言っても、“素直に自分(桜子)自身の気持ちを伝えてくれる様に成って来た‼”っていう方が近ぇ気はするが…。
俺に、素直に、桜子の気持ちを伝えてくれる様に成って来た事は、俺にとっては、幸せに他無いと言っても過言じゃねぇと思う。
こんな幸せは、好きな女だから、得れるのだという事をこの歳に成って、初めて理解した。
俺は、過去に、F3に言って来た。
「俺は、不倫でも恋愛だ‼」と…。
俺にとっての不倫という恋愛は、相手に対して、本気じゃ無かったって事、何だろう。
また、相手も、年下男性と、ちょっとした遊びを謳歌して居ただけなのかも知れねぇ。
多分、俺は、年上女性に対して、背伸びをして居たのだろう。
年相応じゃねぇ、『lovely』過ぎる母親を持った俺の宿命だと、思って居た。
やっと、見付けた俺に相応しい恋人を、見す見す逃がす訳には行かねぇんだよ‼
俺が自然体で居られて、俺にとって居心地の良い場所(女)を見付けられた事は、俺にとって、『lucky』だったのかも知れねぇ。
男として、好きな女から、頼られる事の意味が、やっと、分かった。
背伸びせずに、桜子を受け止めて遣れる。
こんな日が、俺にも在ったって事だよな。
桜子は思ってくれて居るのだろうか?
桜子が、前に言って居た、司と牧野の様な『Best CP』は、桜子にとって、俺だと…思ってくれているだろうか?
もう直ぐ、此れからの俺と桜子の運命が決まる3ヶ月が近付いて来ていた。