もしも類とつくしが兄妹だったら…<つかつく>48.
【花沢つくし 編 48.】
司とつくしは、二人の結婚の許しを得る為と意思を伝えるべく、NYから出張で帰国していた道明寺保・楓夫妻に会う為、つくしは、数年振りに、久し振りに、道明寺邸を訪れた。
其処にタマが待って居てくれた。
「先輩~(泣)。」
つくしは号泣だった。
「何だい、何だい。
良い大人が…。
いい加減にしよしよ。」
つくしは泣き止む事が出来ずに居た。
「だって~。
会いたかったんですもん(泣)。」
「何時でも会いにくれば良いさね。
歓迎するさね。」
「はい。
先輩~~(大号泣)。」
「つくし~~(大号泣)。」
つくしとタマは泣き止む事が出来ず、司が呆れて、つくしに先を促した。
「何時まで、何、遣ってんだ。
ほら、行くぞ。」
タマもつくしにハンカチを渡し、涙を拭かせ、司と一緒に行くよう促した。
「さぁ、行ってお出で。」
「はい、先輩。
行ってきます。」
保の書斎にて…
楓が口火を切った。
「久し振りだったわね、つくしさん。」
つくしも緊張しながら楓に挨拶をした。
「ご無沙汰致しておりました、楓社長。」
楓は嫌味ではなく、家族と認めた上で、つくしに言葉を発した。
「今日はプライベートよ、つくしさん。」
「失礼致しました。」
「まあ、良いわ、徐々に…ねぇ(笑)。」
保は、場を一掃する意味で冗談を発した。
「早速、嫁いびりかな、楓。」
「あなた‼
失礼しちゃうわ。」
司は、話しが一向に進まない事に嫌気が刺し、話しを進め出した。
「はぁ~⤵。
いい加減にしてもらえるか?
話しが中々、進まないんだが…。」
やっと、保がつくしに挨拶を交わし始めた。
「つくしさん、初めまして…だね。
つくしさんのお父上の幼馴染で有り、親友で有り、司の父親で有る道明寺保です。」
つくしも挨拶を交わした。
「初めてお目に掛かります。
父がいつもお世話になっております。
花沢つくしと、申します。」
保は、司に聞かせる意味でも孝の話をした。
「お父上は相変わらずかな?」
「父の何が相変わらずかは存じ上げませんが、相変わらずの策士です。」
「成程、それだけ聞けば、良く分かるよ。」
つくしは聞きたかった事を聞いてみた。
「やはり、父は兄同様、若い頃より策士だったんですね?」
「DNAは侮れないよ。
お察しするよ。」
「有難うございます。」
司は父親とつくしの会話に業を煮やすというよりも、話しに入れない事に不貞腐れていた。
「一体、何の話だよ。
親父、お袋、俺は、つくしと結婚する。」
つくしは呆れながら言った。
「何の決意表明なのよ。」
保は司のフォローをし出した。
「まあ、つくしさん、司は嬉しいんだよ。
そうだよな、司。」
「ああ。」
「本当に、お恥かしい息子だわ。
こんな司で宜しかったの、つくしさん?」
つくしは思わず、切り返しして話しした。
「花沢家は策士の集まりですので、司さんで癒してもらっています。」
「成程…ね。
それは癒されるね。」
司は反論した。
「親父‼」
保と楓は、司とつくしの結婚は既に許していた。
「つくしさん、司を宜しくお願いするよ。」
「はい、有難うございます。
今後共、宜しくお願い致します。」
つくしはお辞儀をしながら、挨拶をしていた。
かくして、道明寺家のご挨拶は終了した。
高校生の頃では考えられないくらい、あっさりと穏やかに、和やかに、終了した。
次は、司が緊張する番だ。