友達でもなく、恋人でもない…<つかつく> 2.
<クラウンCEOの会話は日本語記載をしています
が、英語で会話していると認識して下されば、幸いです。 宜しくお願いします。>
アメリカ企業では、クラウン・コーポレーションの『ミッシェル・クラウン』を誰も見た事が無い筈なのに、何故か、噂だけが先行していた。
その噂話も、楓の知る処となり、司の婚約者候補にと、楓は考える様になっていた。
~~ 『ミッシェル・クラウン』の噂話…。
*クラウン家の娘(クラウン家には、子供は居なかった筈で有るが、クラウン夫人が日系
の為、養女と公表はされていない。)
*COOでは有るが一切、表舞台には出て来ていないので、憶測だけが飛び交っていた。
本当に、実在して居るのかどうか…。
*クラウン・コーポレーションの企画経営に携わっている。
ミッシェル・クラウンが関わったプロジェクトは全て成功している。
*パーティーにも出席した事は無く、パーティー嫌いで有名。
*大学院卒で才女。
等々 ~~
楓は、道明寺HD主催パーティーの招待状をクラウン・コーポレーション側に送ったと同時に道明寺HD 後継者で有る司のパートナーを『ミッシェル・クラウンで、お願いしたい。』と、打診した。
司のパートナーの件は、つくしの耳にも入り、クラウンCEOからも打診されたが、応じる気は一切なかった。
司も、今までのパーティーでも、どんなに打診を受けても一切断り、司自身、家族以外のパートナーと同席した事が無かった。
それが行き成り、楓より話しを切り出された。
「司、今回のパートナーの件はお断り出来ないわ。
此方から打診しているのですから、そろそろ、覚悟を決めなさい。」
「断ると言ったら、如何なりますか?」
「クラウン・コーポレーションとの企業間の溝は深まるでしょうね。」
司はつくしと空港でした約束の事を忘れた訳では無かった。
寧ろ、つくしの事は気に成っていた。
しかし、司はもう、潮時なのかと、諦めの窮地に立っていた。
「クラウン・コーポレーションとは、更なる提携を模索しています。
今回、断れば、それが何もかも、窮地に立たされる事に成るわ。
あなたは経営者側に立つ人間。
それくらい、分かっているわよね?」
楓はつくしと空港でした約束はすっかり闇に葬ってしまっていた。
つくしはつくしとて、クラウンCEOより、再度、話しを切り出されていた。
「ミッシェル、今回は断れないだろう。
そういつまでも、ミッシェルの素性がバレない訳無い。
そろそろ、覚悟を決めなさい。
ミッシェルは、クラウン・コーポレーションのCOOだ。
分かっているね?」
つくしは、何も言い返せないで居た。
パーティーの場所はNYメープル。
パーティー当日は、直接、パーティー会場での待ち合わせでお願いしたいと、クラウン家から道明寺家に打診され、了承された。
つくしは、カラー・コンタクトを入れたり、ヘアウィッグを着用したりと、多少の変装はヘアメイクにお願いしていた。
勿論、胸にはパットを入れたりと、細工に余念は無かった。
パーティー会場に現れたつくしは、バレないか、ドキドキが止まらないで居た。